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皇太子は屑(知ってた)

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別の応接間に個別に質問(尋問)する為に移り、部屋を教会騎士が調べた。
そして隠し部屋が見つかった。

おい、皇帝!なに考えてんだ!!

エジエル様は無表情だけど明らかに怒ってる。

「皇帝陛下。神ノーダムを愚弄する気ですか。」

怖い·····

先生のブリザードの比じゃない位部屋の温度が下がった気がする。

「皇宮は色々仕掛けがある。全てを把握している訳ではない·····」

更に温度を下げるな!

皇帝なんだからもうちょい上手い言い訳してよっ!!

次に案内された部屋は教会騎士が調べても何の仕掛けもなくホッとした。


テーブルに聖玉を置いてエジエル様、アルマエル様、私と先生(一応まだ関係者)、周りには教会騎士が15人はいる。

扉をノックして皇太子が入ってきた。
立とうとする私をエジエル様が制した。

「そのままで。今はそのような形式は必要ありません。
事前に皇帝陛下に伝えています。
この部屋では不敬罪も問われません。」

さいですか·····。

「ラノシュ・ユル・エンダスト第一皇子殿下。聖玉に両手を置きなさい。」

皇太子は両手で聖玉に触れ青い顔で私達を見る。

「ラノシュ殿下、学園でキリカと親しくしていましたね。」

「·····はい」

赤と藍のマーブル。

「ではキリカとの出会いから刺殺未遂までの出来事、思いを言いなさい。」

うわぁー。不貞を聖職者と元婚約者の前で言うってキツい。

「·····キリカとの出会いは3学年になった日でした。
キリカと廊下で接触し倒れそうになった所を抱きとめたのです。
それから、生徒会で一緒になり話をするようになりました。

キリカは明るく、話上手で楽しくて私の些細な悩みも真剣に聞いてくれて助言をくれたりもしました。
だんだんキリカに惹かれていき、サウスリアナとの関係が辛くなっていきました。」

私をチラッと見るな。
本物のリアナもあんたの気持ちは知っとったわ!

「その気持ちはキリカと体の関係を持つ前からですか?」

皇太子が瞠目してエジエル様を見た。

「私とキリカはそんなーー」

聖玉が点滅し始めたよ。皇族なんだから、私より聖玉の精度は知ってると思ったけど。

皇太子は聖玉を見て諦めたように言った。

「·····関係を持った後からサウスリアナを疎ましく思うようになりました。キリカを虐げていると聞かされ憎しみも生まれてきました。」

「学園で人前でサウスリアナを貶めたのは意図があってしたのですか?」

「·····そうです。キリカに『皆の前で自分を貶めるような言われ方をした。気のせいかもしれないけど』と泣かれて、皆の前で貶めたら学園に来れなくなるのではと思いました。」

すっごい屑発言。でも取り繕ったら嘘ってバレるから正直に言うしかない。

聖玉って最凶過ぎるわ。

「キーク・デル・ウーシエにサウスリアナを殺すように指示しましたか?」

屑は前のめりになり否定した。

「していません。サウスリアナを殺すなんてっ!」

屑もそこまで屑ではなかったか。













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