第二の人生、公爵令嬢として頑張りますぅ?

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大聖堂に来たら先生がいました。

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昨日はあちこちから手紙が来た。

皆自分とこの子を真偽者(証人)にしないでくれと、脅迫、懇願の手紙だった。

もう教会に真偽者を提出していると貴族っぽく書いて送った。


お父様は朝食の時間に帰って来た。

皇子達と公式以外での接触はしないと、公式文書にして約束してもらってくれた。

お父様、一晩で窶れましたね。

「お父様、ありがとうございます。」

ニッコリ笑ったら

「裁判まで休む。教会には先に行ってくれ。」

娘の笑顔見て溜息つかないでよ!


教会まで馬車で1時間かかる。馬車の周りは教会から迎えに来てくれた鎧を着た騎士に取り囲まれての移動。

いや、分かるよ。襲われないためだって。
でも物々しすぎて私が犯罪者になったみたいだよ。

ちょっと凹んだけど教会に到着すると司祭服を着た30代前半の柔和なイケメンが立っていた。この国(世界?)ってイケメンが多すぎて美的感覚狂いそうになるなぁ。

「お待ちしていました。枢機卿のアルマエルと申します。
まずは神ノーダムの元にご案内致します。」

アルマエル枢機卿に先導されアヤナとリッツヘルムと共に大聖堂の中に入りノーダム神の前で祈りを捧げた。

ノーダム神の石像は人の10倍位あって足元に稲穂、右手に天秤、左手に剣を持って見下ろしている。
昼にここで裁判をすると言われ、それ迄は東塔で待機するように言われた。


司祭の案内で東塔の応接室の前で、司祭が振り向く。

「こちらにてお待ち下さい。
時間になりましたらお呼び致します。」

そう言って司祭が去っていった。

誰も居ないと思ってノックせず中に入ると、いい笑顔のセルシュ先生が座っているのを見て危うく叫びそうになったがアヤナが口を塞いでくれた。

助かった。厳かな教会にあるまじき声がでるとこだったよ!

「先生、なんでここにいるの?!」

頭の中に疑問符が飛び交ってるんですけどー!

「言葉が乱れてるよ。取り敢えず座りなさい。」

先生の対面にアヤナとリッツヘルムと一緒に座る。

「私がここにいる理由は君が迂闊だからだよ。」

先生は私達にお茶を入れながら失礼な事を宣った。

「説明になっておりませんが。」

ムッとして言い返す。

「学園での一件だよ。
あの場で知らぬ存ぜぬで通していたら、全員を今日呼べたのに、皇帝が出てきた。
これでもう皇子達を呼べなくなったんだよ。」

ちょっ、皇子を神前裁判に出すと思ってたの?!

「皇子達を呼ぶわけないでしょ!」

皇帝の怒りを買うでしょーが!!

「なぜ?裁判にだして皇子2人に刑が出れば皇帝も責任を取らざるを得ない。
そうすれば、側室の皇子が皇帝になり皇権は弱まり、阿呆が暴走しても止められるんだよ。」

先生がなんか怖い事言ってる。
皇家に忠実な臣下って言ってませんでした?

「そんな事になれば私欲に走る貴族が皇帝を傀儡にして国が乱れるじゃないですか?!」

この世界に疎い私でもわかるわ!

「元老院や、貴族院があるから、今の所はそうならない。皆足の引っ張り合いが大好きだから一つの家門が皇家より力を持つのを阻止してくれるよ。今は皇帝の権限が強すぎて元老院なんかお飾りだし、貴族院は皇帝に諾しか言えないからね。」

人の裁判を利用して、皇権を揺るがすって·····

「あわよくばと思っただけだよ。
君は甘いから神弁者しんべんしゃ(神告者の後見人)として一緒に出席するよ。」



「·····宜しくお願いします。」








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