第二の人生、公爵令嬢として頑張りますぅ?

as

文字の大きさ
上 下
9 / 64

何がしたかったの?

しおりを挟む
辺りはシーンとなった。

皇太子も吃驚、護衛さんも吃驚、ついでに私と先生も吃驚。
こいつマジで何しに来たの?本気でマセル公爵にケンカ売りに来たの?

ここで動いたのは皇太子よりも先生だった。

「よくわかりました。この事はマセル公爵に私からお伝え致します。マセル公爵令嬢は体調が悪化されている様です。皇太子殿下、御前を下がる無礼をお許しください。」

怒涛の如く言って私を横抱きにし皇太子が何か言う前に部屋を出た。


あの~、私一言も喋ってないんですけど。



部屋に戻ると侍女(メイドさん)に着替えさせられベットに直行。先生は出ていって暫くしてから医者と一緒に入ってきた。

医者は私を診て

「極度の疲労でしょう。この薬を飲んで2、3日安静にして下さい。」

あれ?先生が医者に何か言ったのかな?

「気づいてないようだけど顔色が真っ青だよ。」

「·····昔からご自分の体調に鈍感な方でしたから。」

何気に失礼だな。
可哀想な子を見る目しないでよ。2人とも!

でも緊張はかなりしてたけど·····。

まだ痛む左肩を抑えて息をつく。皇太子って文武両道なんだよね。文どこ行った?
犯罪者もアウェーで何言ってんの?

考えてたら気持ち悪くなってきた。

先生が私の両眼を手の平で覆いいつもより優しい声が耳を擽った。

「何も考えずに少し寝なさい。顔色が悪くなっている。」

「はい·····」

「起きた時には良い報告が聞けるよ。」

そう言った先生の声を沈んでいく意識の中で聞いた。





私が起きたのは次の日の朝だった。気分はスッキリしている。
昨日の夕方前からノンストップで寝てた。
ホントに疲れてたんだ~。この体、ちょっと鈍いのかな?

執事長が部屋に来てお父様が私と朝食を食べたいと言伝。どういう風の吹き回しだろ?了承の返事をして侍女と入れ違いに出ていった。

重症の時、一番親身になって世話してくれたメイドさんを専属侍女にしてもらった。
濃紺の髪に黒目のアヤナ21才。もう結婚してて一児の母。今日も丁寧に髪を梳かしてくれる。

「お父様。お待たせして申し訳ありません。」

1人でまったりご飯を食べたかったけど、家主に言われちゃ断れない。

「良い。昨日は大変だったと聞いた。」

おっと、座った途端不機嫌な顔で話しかけてきた。当主が居ない時を見計らって皇太子が犯罪者連れて来たんだから不機嫌顔にもなるか。

「左様でございますね。ですが、先生がおられましたので大丈夫ですわ。」

「·····そうか」

それからは無言で食べた。やっぱり1人で食べたかった。美味しさも半減だよ。
食事が終わり立とうとしたらお父様から声がかかった。

「大事な話がある。書斎に来なさい。」

硬い表情で言われ昨日の話かなと暢気に考えてたけど、その暢気さもぶっ飛ぶ内容だった。

    
しおりを挟む
感想 129

あなたにおすすめの小説

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

森に捨てられた令嬢、本当の幸せを見つけました。

玖保ひかる
恋愛
[完結] 北の大国ナバランドの貴族、ヴァンダーウォール伯爵家の令嬢アリステルは、継母に冷遇され一人別棟で生活していた。 ある日、継母から仲直りをしたいとお茶会に誘われ、勧められたお茶を口にしたところ意識を失ってしまう。 アリステルが目を覚ましたのは、魔の森と人々が恐れる深い森の中。 森に捨てられてしまったのだ。 南の隣国を目指して歩き出したアリステル。腕利きの冒険者レオンと出会い、新天地での新しい人生を始めるのだが…。 苦難を乗り越えて、愛する人と本当の幸せを見つける物語。 ※小説家になろうで公開した作品を改編した物です。 ※完結しました。

【完】はしたないですけど言わせてください……ざまぁみろ!

咲貴
恋愛
招かれてもいないお茶会に現れた妹。 あぁ、貴女が着ているドレスは……。

神様に嫌われた神官でしたが、高位神に愛されました

土広真丘
ファンタジー
神と交信する力を持つ者が生まれる国、ミレニアム帝国。 神官としての力が弱いアマーリエは、両親から疎まれていた。 追い討ちをかけるように神にも拒絶され、両親は妹のみを溺愛し、妹の婚約者には無能と罵倒される日々。 居場所も立場もない中、アマーリエが出会ったのは、紅蓮の炎を操る青年だった。 小説家になろうでも公開しています。 2025年1月18日、内容を一部修正しました。

加護を疑われ婚約破棄された後、帝国皇子の契約妃になって隣国を豊かに立て直しました

ファンタジー
幼い頃、神獣ヴァレンの加護を期待され、ロザリアは王家に買い取られて王子の婚約者となった。しかし、侍女を取り上げられ、将来の王妃だからと都合よく仕事を押し付けられ、一方で、公爵令嬢があたかも王子の婚約者であるかのように振る舞う。そんな風に冷遇されながらも、ロザリアはヴァレンと共にたくましく生き続けてきた。 そんな中、王子がロザリアに「君との婚約では神獣の加護を感じたことがない。公爵令嬢が加護を持つと判明したし、彼女と結婚する」と婚約破棄をつきつける。 家も職も金も失ったロザリアは、偶然出会った帝国皇子ラウレンツに雇われることになる。元皇妃の暴政で荒廃した帝国を立て直そうとする彼の契約妃となったロザリアは、ヴァレンの力と自身の知恵と経験を駆使し、帝国を豊かに復興させていき、帝国とラウレンツの心に希望を灯す存在となっていく。 *短編に続きをとのお声をたくさんいただき、始めることになりました。引き続きよろしくお願いします。

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

処理中です...