来し方、行く末

月尾藩家中島崎与十郎は、身内の不義から気を病んだ父を抱えて、二十八の歳まで嫁の来手もなく梲(うだつ)の上がらない暮らしを送っていた。
年の瀬を迎えたある日、道場主から隔年行事の御前試合に出るよう乞われ、致し方なく引き受けることになるが……

【第9回歴史・時代小説大賞で奨励賞を頂きました。ありがとうございます!】
24h.ポイント 21pt
0
小説 24,851 位 / 192,049件 歴史・時代 147 位 / 2,386件

あなたにおすすめの小説

射干玉秘伝

NA
歴史・時代
時は鎌倉、越後国。 鎌倉幕府の侵攻を受けて、敗色濃厚な戦場を、白馬に乗った姫武者が駆け抜ける。 神がかりの強弓速射を誇る彼女の名は、板額御前。 これは、巴御前と並び日本史に名を残す女性武者が、舞台を降りてからの物語。

春雷のあと

紫乃森統子
歴史・時代
番頭の赤沢太兵衛に嫁して八年。初(はつ)には子が出来ず、婚家で冷遇されていた。夫に愛妾を迎えるよう説得するも、太兵衛は一向に頷かず、自ら離縁を申し出るべきか悩んでいた。 その矢先、領内で野盗による被害が頻発し、藩では太兵衛を筆頭として派兵することを決定する。 太兵衛の不在中、実家の八巻家を訪れた初は、昔馴染みで近習頭取を勤める宗方政之丞と再会するが……

地縛霊に憑りつかれた武士(もののふ))【備中高松城攻め奇譚】

野松 彦秋
歴史・時代
1575年、備中の国にて戦国大名の一族が滅亡しようとしていた。 一族郎党が覚悟を決め、最期の時を迎えようとしていた時に、鶴姫はひとり甲冑を着て槍を持ち、敵毛利軍へ独り突撃をかけようとする。老臣より、『女が戦に出れば成仏できない。』と諫められたが、彼女は聞かず、部屋を後にする。 生を終えた筈の彼女が、仏の情けか、はたまた、罰か、成仏できず、戦国の世を駆け巡る。 優しき男達との交流の末、彼女が新しい居場所をみつけるまでの日々を描く。

蛇神様 ――藤本サクヤ創作フォークロア #1

藤本 サクヤ
歴史・時代
むかし、むかし――。あの山にも、この川にも、歴史に埋もれた物語(フォークロア)が息づいている。 創作フォークロアシリーズ(予定…!)第一弾は、とある村に伝わる一途な恋の物語。 先日、山形県の出羽三山を旅しながら心に浮かんだお話を、昔話仕立てにしてみました。 まだまだ未熟者ですが、楽しんでいただけたら幸いです! もしも気に入っていただけたなら、超短編「黒羽織」、長編「大江戸の朝、君と駆ける」もぜひ一度、ご賞味くださいませ^^

腐れ外道の城

詠野ごりら
歴史・時代
戦国時代初期、険しい山脈に囲まれた国。樋野(ひの)でも狭い土地をめぐって争いがはじまっていた。 黒田三郎兵衛は反乱者、井藤十兵衛の鎮圧に向かっていた。

黒太子エドワード

維和 左京
歴史・時代
舞台は14世紀のヨーロッパ。 国王エドワード三世の息子、のちに黒太子と呼ばれることになるエドワードは、フランスを討伐し、世界に覇を唱えることを夢見ていた。 クレシーの戦いやポワティエの戦いなど、教科書にも出てきた戦いをメインに、黒太子の生涯を書いていく予定です。 大筋は史実に基づいています。ただし登場人物の一部や出来事のいくつかに、史実でない部分も含まれています。特に恋愛にかかる部分はほとんどフィクションと思ってください。 また、異世界や転生の要素は存在しませんが、お許しください。 全8章です。完結しました。

天下布武~必勝!桶狭間

斑鳩陽菜
歴史・時代
 永禄三年五月――、駿河国および遠江国を領する今川義元との緊張が続く尾張国。ついに尾張まで攻め上ってきたという報せに、若き織田信長は出陣する。世にいう桶狭間の戦いである。その軍勢の中に、信長と乳兄弟である重臣・池田恒興もいた。必勝祈願のために、熱田神宮参詣する織田軍。これは、若き織田信長が池田恒興と歩む、桶狭間の戦いに至るストーリーである

土方歳三の恋

雨川 海(旧 つくね)
歴史・時代
後に新撰組副長となる土方歳三は、日野の豪農の四男として生まれる。小さい時はバラガキ(触ると怪我をするの意味)と呼ばれた若者だったが、石田散薬の製造と販売を任され、充実した毎日を送っていた。歳三は親戚の佐藤彦五郎の道場に通っていたが、そこで出稽古に来ていた近藤勇たちと親しくなる。行商の傍ら江戸の道場にも通い、試衛館に馴染んで行く。そんな時、半分侍の歳三に正式な武士になれる機会が訪れる。乗る気まんまんな試衛館の連中に誘われ、歳三も京都へ向かう事になってしまう。幕末騒乱の中、剣に生きる男たちの物語。 注 本作は実際の史実を参考にしていますが、内容は全てフィクションです。