辺境に捨てられた花の公爵令息

金剛@キット

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27話 魔力交換 シルトside ※R18

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 リヒトに性奴隷の紋が付けられたからと言って…
 プファオ公爵に預かった愛息子を抱くつもりなど、シルトには無かった。


 だが… 何時間も腕に抱き、言葉を交わし、心を少しづつ通わせて行くうちに…
 リヒトは自分のものだと思うようになった。

 アルファ用の抑制魔法を組み込んだブレスレットを外し、リヒトのフェロモンを直に感じてみると…
 自分のものだという漠然ばくぜんとした思いが、アルファの本能で確信へと変わる。

<間違いなく、リヒトは私のものだ!!>



「リヒト…悪いな、少しだけ耐えてくれ!」
 大柄なシルトの猛りきった性器を見て、リヒトは青ざめ怯えはしたが…
 けして、受け入れるのが嫌とは言わなかった。

 苦笑いを浮かべてシルトは、なだめる為にリヒトの額にキスを落とす。
 
 淫密いんみつがあふれ出した、リヒトの蜜壺みつつぼの入口を指で開き…
 シルトは自分の猛りきった性器を当て、ゆっくりと沈め込む。

「ううっ… んんっ… ふぅ…っ…」
 
「後… もう少しだ!」
 グッ… とリヒトの中へ根元まで押し込み、シルトはジワリと魔力を注いだ。

「ああっ!! 何?! シルト様?!」
 ビクッ…! ビクッ…! と震え、リヒトは驚いた顔でシルトを見上げた。

「私の魔力はどうだ? 心地良いか? それとも不快か?」
 リヒトの頬を撫でながら、シルトはジワリ… ジワリ… と魔力を送り続けた。

「何故… 魔力を… こんなことをするのですか?」
 ブルリッ… とリヒトは身体を震わせて、シルトを受入れた自分の下腹に触れる。

「魔力を持つ、夫婦が初夜でやる魔力の交換だ… 自分の伴侶の魔力が、どんな性質かを身体で確認するのさ… 王都の貴族たちは、原始的過ぎて野蛮だと言ってやらないらしいが」

 魔力の相性、身体の相性、性格の相性などが悪いと、酷く不快なものになる為…
 お互いの相性よりも、政略的価値を重視して婚姻を結ぶのが一般的な王都の貴族は、不快な結果になることが多く、魔力交換を好まない傾向にあった。

 魔獣被害が多い過酷な辺境では、より強く、より多くの子供を成す為に、夫婦の相性が重要視される。

 夫婦の相性が悪く、魔力交換が不快な結果になった場合…
 2人で協力し合い、解決して行かなければならない。
 
「知らなかった… こんな…!! んんんっ… んふううっ…」
 自分のお腹を撫でながらリヒトはシルトの魔力に恍惚こうこつとし… ため息をもらした。

「こんな? お前も魔力交換は、野蛮だと思っていたか?」
 少しだけシルトは、意地悪な言い方をする。
 
「そう教えられたので… ですが考えを改めます、アナタを深く理解できる気がして、私は好きです… でも、残念ですが私はアナタの伴侶にはなれません…」
 切なげに見上げ、リヒトは細い手を伸ばし、シルトの唇に触れた。
 
 恥ずかしがり屋のリヒトは、欲しい時は触れてねだることを覚えたらしい。


「リヒト… 私にも、お前の魔力を…」
 先に魔力の催促さいそくをしてから、シルトは小さな唇を塞ぎ… するりと伸びて来たリヒトの舌を、チュチュッ… チュウッ… と吸う。

 ジワリ… ジワリ… と、リヒトからシルトへと魔力が注がれ、身体に染み込んで行く。
 その心地良さに、シルトはブルリッ… と震えた。

「シルト様? 私の… 魔力は…?」
 不安そうにたずねるリヒトを… シルトは満面の笑みを浮かべて、ギュウギュウと抱き締めた。

「私は幸運だ! これ程ピタリと合う相手に、巡り会えるとは!! 女神に感謝だな!! いや、これは女神の導きかも知れないぞ?!」
<やはり、リヒトは私のものだ!!>



「シルト…様?」



「どうやら私たちは、"運命の番"らしい!!」
 








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