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24話 フェロモン ※R18
しおりを挟む汚れた身体を洗ってもらい、気分が良くなったリヒトは…
裸のままベッドに寝かされ、シルトが掛けた上掛けで首まで包まれる。
小さな浴槽に入り身体に石鹸をこすり付け、リヒトを洗った残り湯で大きな身体を洗うシルトを…
心奪われるように、リヒトはうっとりと見惚れてしまう。
<うわぁぁ… 初めて見た! 大人のアルファの裸… 私とは全然違う! シルト様は何て美しいのだろう…>
濡れて色濃く見える青銀色の髪から落ちたしずくが、首筋を伝い、滑らかな胸筋を流れ落ちる。
用意してあった布で濡れた身体を拭きながら、シルトは熱い視線に気づき、チラリとリヒトを見た。
「・・・っ!!」
不意に目が合い、リヒトの心臓がドキリッ… と跳ねる。
貪るように、シルトの裸を見ていたことに気付かれ…
羞恥と欲望でリヒトの身体はさらに熱くなり、ハァ… ハァ… ハァ… と自分が呼吸する音がうるさく響く。
震える手で上掛けを引っ張り上げ、リヒトは慌てて顔を隠す。
「フフフッ… 見たければ遠慮せずに、好きなだけ見れば良い!」
機嫌良くシルトに言われ、リヒトは上掛けを目の下までソロソロと下げた。
手首にはめていた、魔法が組み込まれたアルファの抑制用のブレスレットをシルトが外す。
「さてとリヒト、今から初夜を迎えるが、心の準備は出来ているか?」
身体を拭いた布を置き、シルトはリヒトを見つめたまま、ベッドの上にギシリと音を立てて上がる。
「…初夜?」
「初夜だ!」
上掛けを太ももまでシルトに下げられ、アルファに対して無防備な状態のリヒトに…
抑制を止めたシルトのフェロモン・シャワーが一気に押し寄せ圧倒する。
「ああっ… シルト様!!」
たまらずリヒトは震える手で、綺麗だと見惚れていたシルトの広い胸に触れた。
「狂いそうだ…!! 何て濃いフェロモンだ! これではお前を奪わずにはいられない」
リヒトから大量に溢れ出す、オメガの誘惑フェロモンを吸い込み…
その密度の濃さに酔った頭をはっきりさせようと、シルトは頭を振った。
「ううっ… シルト様… 私もおかしくなりそうです…!」
リヒトが触れた手の下で、シルトの心臓がドクッ… ドクッ… と力強く拍動する。
胸いっぱいに、シルトのフェロモンを吸い込むと…
ドクリッ…! とリヒトの胸も大きく鳴り、身体がさらに熱くなった。
<私は今から、シルト様に抱かれる… これで身も心も捧げられる…>
「リヒト!!」
唇が重なり、シルトの舌がスルリとリヒトの口内に潜り込み…
「うんんっ…ふうっ!」
絡め取られた舌を、チュク… チュクッ… と、強く吸われた途端…
リヒトは何も考えられなくなり、シルトにしがみついた。
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