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69話 跡継ぎ問題3 グランデside ※R18
しおりを挟む赤く腫れた乳首から離れ、脇腹へと唇をすべらせ、チュクッ… チュクッ… とグランデは薔薇の花びらのような痕を残しながら、アスカルの平らなお腹へと移動する。
可愛らしいへその窪みに、グランデが舌をはわせると… アスカルは笑いながら身体をよじって抵抗した。
「ふふっ… グランデ様、くすぐったい!」
「そうか?」
腰をつかみ、ニヤニヤと笑いながらグランデは、クチッ… クチッ… クチッ… とアスカルのへそを、舌先でもっとくすぐる。
「ひゃはっ…! ああっ… んんっ! もう~っ! 僕はへそが弱いことを知ってるくせに! グランデ様の意地悪っ!」
へそに悪戯をしかけるグランデの漆黒の髪を、アスカルは仕返しにぐしゃぐしゃとかき回す。
「ははははっ…」
<それにしても、こんなに細い身体で、本当にオレの子を産めるのだろうか? 今更だが、孕ませようと夢中で種を注いでいた、浅はかな自分に腹が立つな!>
平らなアスカルのお腹に、痕をつけながら… 部下にしつこく忠告されたせいで、グランデは不安におしつぶされそうになっていた。
頬をなでられグランデが顔を上げると、アスカルの淡い藤色の瞳と視線が合い… 思わずたずねる。
「アスカル、子供は欲しいか?」
「はい」
アスカルは即答した。
「跡継ぎ問題は抜きにして、オレに気をつかわず、お前の正直な気持ちが聞きたい」
「はい、グランデ様の子がいっぱい欲しいです! そんなの当たり前でしょう?」
何で今更、わかり切ったことをたずねるの? とアスカルは戸惑った表情で答えた。
「本当にか?!」
「はい、本当ですよ!」
間違いありません! とアスカルはニコリと笑った。
「そうか…」
アスカルの笑みにつられて、グランデも笑う。
『アスカル、跡継ぎについてはオレもまだ考えてないから、気にするな…』
<さっきはアスカルに考えてないと言ったが、魔王との戦いが始まる前に… 今こそオレがしっかりと考え、準備する時かもしれない!>
いくら強くても、グランデが不死身でもないかぎり… もしものことを考えるのは当然である。
<オレがもし… 子を残さずに死ねば、アスカルの立場が危うくなる! 恐らく、オレと争った先代リコルの息子ボラーチョあたりが、また乗り込んで来て、アスカルを必ず伯爵家から追い出そうとするはずだ!>
グランデの実父と祖父が、何の対策も無いまま死んでしまったせいで… その分、残されたグランデの母親が、屈辱に満ちた苦労を強いられた。
一番近くで、母親が苦労する姿を見て来たグランデにとって、絶対に見過ごせない問題である。
<とりあえず… アスカルがすぐに使えるよう、オレが騎士になってから稼いだ報酬と、伯爵家が所有する使いやすそうな小さめの屋敷を2,3軒、アスカル名義に変更しておこう! あまり大きな土地や金を変更すると、かえってアスカルの負担になるから、今はそれぐらいで我慢しよう>
「よしっ! うん」
すらりと長い足を大きく開き、アスカルの太ももに甘噛みして、グランデはニヤリと笑った。
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