黒騎士はオメガの執事を溺愛する

金剛@キット

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22話 いけないのに気持ち良い ※R18

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 小さな浴槽よくそうの中で、アスカルは唇を奪われたまま、身体がふわりと浮き上がる。

 グランデの腕の中で唇を離した瞬間アスカルは、目に見えない圧倒的な何かに襲われた。


「ん… 旦那様…?!」
<良い匂い…? これ… 旦那様のフェロモン? これが、アルファのフェロモンなの?!>

 抑制リングを外したせいで、大量にグランデからアルファのフェロモンが放たれ、魅力的なオメガを… アスカルを誘惑しているのだ。

 グランデの濃厚で刺激の強いフェロモンに、溺れたアスカルはオメガの本能で自分の中に取り込もうと…
 スゥ―――ッ… と… 深く深く… 深呼吸をする。


「何て奴だ、アスカル!! クソッ…! 増々オレは、野蛮人なりそうだ!」
 アスカルからも、目の前の強いアルファを誘惑しようと、さらに甘いフェロモンが大量に放たれ…
 華奢きゃしゃなオメガのペニスからは、グランデになめて欲しいとねだるように、とろとろと淫密いんみつがあふれ出す。

 興奮が隠せず、頬を染めたグランデの呼吸も、ハァッ… ハァッ… とアスカルと同じように、熱いものへと変わっている。

 ジャバジャバと湯をまき散らし、絨毯じゅうたんを濡らしながら、アスカルはベッドに運ばれ、発情で熱くなった身体に心地良く、ひやりとしたシーツの上にそっと寝かされた。 



 唇に噛みつくような乱暴なキスに刺激され… うっとりとグランデのフェロモンに溺れていたアスカルは、ふと我に返る。

「んんっ! んんっ…?!」
<も… もしかして… もしかして…?! 旦那様は僕を抱くつもりなの?! そんなの絶対にダメだよ?! だって僕は旦那様の腹違いの弟だもの!! ダメだよ?!>
 
「待ってぇ… 旦那様ぁ…っ!」
<伝えないと!! 僕は旦那様の弟だって… 僕たちは兄弟だから、こんなこと、しちゃだめだって!! 伝えないと! 伝えないと!!>
 アスカルは首を振ってグランデの唇を逃れ、口を開こうとするが…

「あきらめろ、アスカル!」

「でも旦那様… ああっ!!!」
 ギュウッ… とうなじをつかまれて、顔を動かせないよう固定され、再び唇を奪われてしまう。

 オメガが一番、敏感に感じるうなじを強くつかまれて… ヂクヂクとした甘いうずきのようなものが、つかまれたうなじからジワリと広がった。

 アスカルの疼きを強めるように、グランデに太い指でうなじを柔らかくもまれ… 唇を重ねたまま、アスカルは甘いうめき声をあげる。

「んんっ… ふっんん…」
<何…? あっ… 気持ち良い! ダメなのに気持ち良い…> 
 
 少しずつうなじの甘い疼きは強くなり、ゆっくりと背骨を伝って腰へと下がり、お尻の奥へ… 奥へ… と広がり… オメガの性器に届く。
<ああっ… お尻の奥が… 熱くてヂクヂクする… 気持ち良い…>

 チュ… チュ…ッ チュッ… チュチュ…
「んん… ん… んっんん…っ……」
 重ねた唇の角度を何度も変えながら… アスカルの唇に悪戯いたずらをするようにグランデの舌でくすぐられた。

 チュクッ… と軽く唇を吸われながら、アスカルの唇からグランデの温かい唇が離れる。

「ふぅっ…」 
 グランデの唇が離れたとたん… アスカルは寂しさに襲われた。

<キスなんか… 兄弟でしたらいけないのに…? いけないけど… でも… もう少しだけなら…? 少しだけ…>

「旦那様…?」
 もう少しだけ、キスが欲しいなぁ…? と、アスカルが呼ぶと… 

「気に入ったか?」
 嬉しそうにグランデは笑った。

 窓から差し込む、夕暮れ時の黄金色の光が… 
 グランデを見る人に、鋭く冷たい印象を与える深紅の瞳を… 優しく暖かな、金色に染めて… グランデの内面の優しさを引き出して見せた。


「・・・っ」
<旦那様は… すごく素敵な人だと思っていたけど… 今は…魂を奪われそうなほど… 綺麗で魅力的…な…>

 うっとりとアスカルが見惚れていると… グランデの唇が、アスカルの唇に戻って来た。


 嬉しくなったアスカルは、いつもよりも少しだけ、大胆な気持ちになり…

 アスカルの口内に、するりと潜り込んで来たグランデの舌を… 柔らかく甘噛みする。

 






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