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21話 運命には逆らえない ※R18微々
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伯爵邸へ戻ったグランデは、アスカルを抱きかかえたまま玄関ホールに入ると、あわてて出て来たメイドに命令した。
「オレの部屋に湯あみの用意をしてくれ!」
「はい、旦那様! あ… あの、アスカルさんはおケガをされたのですか?」
グランデの腕の中で、ぐったりと目を閉じているアスカルを、メイドはチラチラと見る。
「…いや、ケガの方は神殿に寄ってタルデ夫人に治療してもらったから大丈夫だ… だが、魔獣の体液で汚れてしまったから、早くアスカルを洗ってやりたい」
心配そうにたずねるメイドに、グランデはアスカルが発情していることは知らせず、簡単に説明した。
「まぁ… そうでしたか! すぐにお部屋の方へ、浴槽をご用意します!」
ホッ… と胸に手をあて、純朴で人の好さそうなメイドは頭をぺこりと下げた。
「お前の名前は何だった?」
前日、アスカルに紹介されたが、すぐに忘れてしまったグランデは、主人なら使用人の名前ぐらいは知っておかなければと、メイドにもう一度名前を聞いた。
「はい、クエジョと申します… お邸の前で旦那様の馬をお預かりしたのが、私の下の息子のティエンポです」
前日の話し合いで、グランデに使用人が少な過ぎるからもっと増やせと言われたアスカルは、さっそくメイドのクエジョに息子を今日から伯爵邸で働かせるよう依頼したのだ。
「そうか、覚えておく!」
グランデはうなずき、足早に階段をのぼり当主の部屋へと急ぐ。
「んんんっ… 旦那様… あっ…!」
「大丈夫だアスカル… オレが綺麗にしてやるから、心配するな」
シャツを脱ぎ上半身裸になったグランデは、アスカルを抱き上げ、メイドのクエジョ親子が用意した、小さな浴槽の湯の中にそっと沈める。
ヘドロのような黒い魔獣の体液が、アスカルからはがれ湯の中に溶け出し… グランデは顔をしかめた。
「あの時は、お前を死なせてしまったかと… オレのほうが生きた心地がしなかったぞ?!」
湯を灰色に染めた魔獣の体液を見て、グランデはアスカルを襲った魔獣を仕留めた時のことを思い出し… ぶちぶちと文句をたれた。
「申し訳…ありません… 足を引っ張ってしまい… 旦…那様…」
ハァハァ… と発情の熱をはき出しながら、アスカルが謝罪すると…
「どうせオレは野蛮人さ、アスカル!」
「んんっ?!」
ギラギラと光る深紅の瞳でにらみつけ、グランデはアスカルの唇を奪った。
ヂュッ…! と強く吸ってからアスカルの唇を放し…
グランデは自分の手首にはめた、アルファ用の抑制リングをポイッ… と無雑作に投げすてる。
「…旦那様?!」
「お前を死なせたと思った時、オレが何を考えたか、今からじっくり教えてやる!」
「ええ…?!」
「我慢しないでさっさとお前を番にして、オレのベッドに縛り付けておけば良かったと、自分でもあきれるぐらい後悔したのさ!」
「待ってぇ… 旦那…様! あっ! んんっ… んん…?!」
尖った乳首をグランデに硬い指でキュッ… と摘ままれ… アスカルは浴槽の中でバシャッ…! と湯を跳ねさせ、うめき声をもらす。
「それでもお前を奪うのは良くないと、我慢に我慢を重ねていたら… まるで運命に導かれるように、お前はオレの腕の中で発情し、オレの理性をこなごなに砕いた! だから、もう逆らうなアスカル! オレと一緒にあきらめろ!」
「なっ…?! そんなの、ダ…んんむぅ…」
ゴツゴツとした大きな手で、ギュッ… とアスカルのうなじをつかみ、グランデは再び唇を奪った。
「オレの部屋に湯あみの用意をしてくれ!」
「はい、旦那様! あ… あの、アスカルさんはおケガをされたのですか?」
グランデの腕の中で、ぐったりと目を閉じているアスカルを、メイドはチラチラと見る。
「…いや、ケガの方は神殿に寄ってタルデ夫人に治療してもらったから大丈夫だ… だが、魔獣の体液で汚れてしまったから、早くアスカルを洗ってやりたい」
心配そうにたずねるメイドに、グランデはアスカルが発情していることは知らせず、簡単に説明した。
「まぁ… そうでしたか! すぐにお部屋の方へ、浴槽をご用意します!」
ホッ… と胸に手をあて、純朴で人の好さそうなメイドは頭をぺこりと下げた。
「お前の名前は何だった?」
前日、アスカルに紹介されたが、すぐに忘れてしまったグランデは、主人なら使用人の名前ぐらいは知っておかなければと、メイドにもう一度名前を聞いた。
「はい、クエジョと申します… お邸の前で旦那様の馬をお預かりしたのが、私の下の息子のティエンポです」
前日の話し合いで、グランデに使用人が少な過ぎるからもっと増やせと言われたアスカルは、さっそくメイドのクエジョに息子を今日から伯爵邸で働かせるよう依頼したのだ。
「そうか、覚えておく!」
グランデはうなずき、足早に階段をのぼり当主の部屋へと急ぐ。
「んんんっ… 旦那様… あっ…!」
「大丈夫だアスカル… オレが綺麗にしてやるから、心配するな」
シャツを脱ぎ上半身裸になったグランデは、アスカルを抱き上げ、メイドのクエジョ親子が用意した、小さな浴槽の湯の中にそっと沈める。
ヘドロのような黒い魔獣の体液が、アスカルからはがれ湯の中に溶け出し… グランデは顔をしかめた。
「あの時は、お前を死なせてしまったかと… オレのほうが生きた心地がしなかったぞ?!」
湯を灰色に染めた魔獣の体液を見て、グランデはアスカルを襲った魔獣を仕留めた時のことを思い出し… ぶちぶちと文句をたれた。
「申し訳…ありません… 足を引っ張ってしまい… 旦…那様…」
ハァハァ… と発情の熱をはき出しながら、アスカルが謝罪すると…
「どうせオレは野蛮人さ、アスカル!」
「んんっ?!」
ギラギラと光る深紅の瞳でにらみつけ、グランデはアスカルの唇を奪った。
ヂュッ…! と強く吸ってからアスカルの唇を放し…
グランデは自分の手首にはめた、アルファ用の抑制リングをポイッ… と無雑作に投げすてる。
「…旦那様?!」
「お前を死なせたと思った時、オレが何を考えたか、今からじっくり教えてやる!」
「ええ…?!」
「我慢しないでさっさとお前を番にして、オレのベッドに縛り付けておけば良かったと、自分でもあきれるぐらい後悔したのさ!」
「待ってぇ… 旦那…様! あっ! んんっ… んん…?!」
尖った乳首をグランデに硬い指でキュッ… と摘ままれ… アスカルは浴槽の中でバシャッ…! と湯を跳ねさせ、うめき声をもらす。
「それでもお前を奪うのは良くないと、我慢に我慢を重ねていたら… まるで運命に導かれるように、お前はオレの腕の中で発情し、オレの理性をこなごなに砕いた! だから、もう逆らうなアスカル! オレと一緒にあきらめろ!」
「なっ…?! そんなの、ダ…んんむぅ…」
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