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32話 恋敵 -ENDー ※R18
しおりを挟む帰国したクバラは帝都に戻ると、その足でガラム王国の王女との縁談がなくなったことを皇太子に報告し…
新たな縁談話がクバラに来ないよう、臣籍へ下る意志を表明し、皇帝からその許可をえるため、皇太子に忠誠を誓う代わりに、口添えを依頼した。
「まさか、クバラ様が公爵様になるなんて…」
<…その前に僕がクバラ様と結婚したことさえ、まだピンッ… と来ないし…?!>
新妻となったラーヤは、クバラにチュクチュッ… と脇腹を吸われながらつぶやいた。
「ラーヤは私が皇子の方が良かったか?」
皇帝や女官たちの目を気にする必要が無くなり、思うように抱けると… クバラはラーヤの肌に、自分の痕を残しながらたずねた。
「いいえ、クバラ様を独りじめできるなら… 僕はどちらでも良いです…」
ラーヤは自分の白い肌に残る、クバラの痕をうっとりと見つめながら答えた。
「さすが、私のラーヤだ!」
ニヤニヤと笑いながら、クバラは妹スマンカが嫁いだムンギリム大公国で手に入れた、華やかなバラの香りがする香油をたっぷり手に取る。
「ああっ… んんぅ… クバラ様ぁ…」
クバラの性器を受けいれる入口を、香油で濡れた指でなでられ、ラーヤが甘い声をあげると…
興奮したクバラはズブリッ… と太い指をラーヤの中に入れた。
「クソッ! ラーヤの声を聴くだけで、我慢できなくなりそうだ!」
「んんっ! クバラ様ぁ… 早くぅ!!」
「ラーヤ…」
なぜかクバラは指をラーヤの中に入れただけで、動きを止めてしまう。
「ああっ… クバラ様ぁ… もっと触ってぇ…!」
甘い声でラーヤはねだるが、クバラはピタリと静止したままである。
「なぁ、ラーヤ…? 私は君のここに、半年も触れていないのに、なぜ君のここは、こんなに柔らかいのかなぁ?!」
浮気をされた夫のように、クバラは新妻ラーヤにたずねた。
「・・・・・・」
<わっ! まずい…>
ラーヤは黙りこむ。
「ラーヤ?」
夫はニコリと笑うが、目が少しも笑っていない。
「・・・・・・」
「ラーヤは、また大好きな張形(男性器の模型)と遊んだのかなぁ?」
「ク… クバラ様が来るとわかっていたら… 使いませんでした」
<…というか、一生クバラ様と会うことはないと、思っていたから…>
「いつ、遊んだのかなぁ? 君のここの柔らかさだと… 昨夜かなぁ?」
「・・・・・・」
<本当になんで、クバラ様はわかっちゃうんだろう?>
さっ… とラーヤは視線を外す。
「いや、昨夜だけにしては、柔らかすぎるなぁ? 違うかラーヤ?」
「ううっ… 1… 1日おきに… 仲良くしてました」
「・・・・っ」
1日おきで張形がラーヤの恋人だったと知り、クバラは嫉妬の炎を燃やした。
疲れてラーヤが眠るのを見届けると、クバラはそっとラーヤの荷物から恋敵の張形を盗み出し、憎々し気に暖炉の火に放り込んだ。
「私の妻に手を出すな!」
ー E N D ー
○ ○ あとがき ○ ○
ショートショートよりは、少し長めのお話のつもりで書き始めたので、主人公たちの容姿の特徴を決めませんでした。反省。ハリラヤは表紙のように乙女ゲームのヒロイン風で(笑) クバラはインドネシア語から名前を命名しているので、浅黒い肌に黒髪アジア系の顔つきかなぁ? というイメージで書いてました。
イメージ違っていたらすみません。
軽いお話を目指していたので、ラストの落ちは軽く終わらせましたが… なんとなく尻切れ気味になってしまいました(~_~;)力不足を痛感してます。
ここまで読んで下さり、ありがとうございます☆彡
また、どこかでお会いできれば幸いです!
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