20 / 33
19話 クバラの執務室 ※R18
しおりを挟む
スマンカに背中を押されて、ラーヤはクバラの執務室へ入ると…
バタンッ… と扉を閉める音に気づいたクバラは、手に持つ書類から顔を上げ、ラーヤの姿を見つけ驚いた顔をする。
「ラーヤ…? 君がここに来るなんて、珍しいな… 何か問題でもあったのか?」
執務机につき、補佐官と打ち合わせをしていたクバラは書類を手渡し、後は明日に決めよう… と補佐官に指示を出し、そこで仕事を切り上げた。
「あ… あの… お… お忙しいですか? 後で出直した方が… よろしいでしょうか?」
忙しそうなクバラに、ラーヤはおずおずとたずねた。
<そうだった! 後宮入りしてから、毎日ぼんやりと過ごす僕とは違って、クバラ様はいつも公務で忙しい方なのに… 僕は勢いにまかせて来てしまった! 先に会いに来て良いか… うかがいを立ててから来るべきだった!>
学園生時代の甘えが出てしまったと… ラーヤは自分の未熟さに恥かしさを感じ、顔を赤くしてうつむいた。
<それに… 他の人がいるなんて思わなかった! 普通に考えれば、クバラ様の仕事をする部屋だから、誰かがいるのは当然なのに、思いつかないなんて…>
執務室に敷かれた赤い絨毯に、足から沈みそうなほどラーヤはへこんだ。
「さっきの案件の確認だけは、必ずしておいてくれ」
「はい殿下、明日の朝までに報告書をそろえておきます… それでは、失礼します」
クバラの補佐官はキビキビと動き、ラーヤにお辞儀をしてから、執務室を退室する。
補佐官が部屋を出てすぐ、クバラは執務机から腰を上げると、うつむくラーヤのわきを素早く通り、カチャッ… と扉の鍵をかけた。
鍵をかける音を聞き、ラーヤはハッ… と振り返ると…
「ラーヤ!」
「あっ…?」
ギュッ… とクバラに抱きしめられ、分厚い胸に頬を寄せると… なぜかラーヤの瞳から涙がこぼれた。
「ラーヤ…」
「会いたかった! 会いたかったよ、クバラ様!」
広い背中に手を回し、ラーヤはクバラにしがみつく。
「私もだよラーヤ! 会いたくてたまらなかった!」
ラーヤの髪と耳に、チュクッ… チュクッ… とクバラはキスを落とす。
「クバラ様…」
顔を上げてラーヤがクバラを見あげると… ラーヤの唇にクバラの唇が重なった。
皇帝反逆罪を犯すとわかっていても、ラーヤはキスを我慢できなくて… 薄く唇を開きクバラの舌を招き入れて、ラーヤも舌をのばし、クチュッ… クチュッ… クチュ… とクバラの舌にからめる。
「んんっ… ん…っ…んん……」
のどの奥でクバラは低くうめき、ラーヤから唇を離すと…
細い腰をつかみ持ち上げて、来客用のソファセットへ移動して、ラーヤを下ろし、押し倒してからクバラは再び唇を奪った。
バタンッ… と扉を閉める音に気づいたクバラは、手に持つ書類から顔を上げ、ラーヤの姿を見つけ驚いた顔をする。
「ラーヤ…? 君がここに来るなんて、珍しいな… 何か問題でもあったのか?」
執務机につき、補佐官と打ち合わせをしていたクバラは書類を手渡し、後は明日に決めよう… と補佐官に指示を出し、そこで仕事を切り上げた。
「あ… あの… お… お忙しいですか? 後で出直した方が… よろしいでしょうか?」
忙しそうなクバラに、ラーヤはおずおずとたずねた。
<そうだった! 後宮入りしてから、毎日ぼんやりと過ごす僕とは違って、クバラ様はいつも公務で忙しい方なのに… 僕は勢いにまかせて来てしまった! 先に会いに来て良いか… うかがいを立ててから来るべきだった!>
学園生時代の甘えが出てしまったと… ラーヤは自分の未熟さに恥かしさを感じ、顔を赤くしてうつむいた。
<それに… 他の人がいるなんて思わなかった! 普通に考えれば、クバラ様の仕事をする部屋だから、誰かがいるのは当然なのに、思いつかないなんて…>
執務室に敷かれた赤い絨毯に、足から沈みそうなほどラーヤはへこんだ。
「さっきの案件の確認だけは、必ずしておいてくれ」
「はい殿下、明日の朝までに報告書をそろえておきます… それでは、失礼します」
クバラの補佐官はキビキビと動き、ラーヤにお辞儀をしてから、執務室を退室する。
補佐官が部屋を出てすぐ、クバラは執務机から腰を上げると、うつむくラーヤのわきを素早く通り、カチャッ… と扉の鍵をかけた。
鍵をかける音を聞き、ラーヤはハッ… と振り返ると…
「ラーヤ!」
「あっ…?」
ギュッ… とクバラに抱きしめられ、分厚い胸に頬を寄せると… なぜかラーヤの瞳から涙がこぼれた。
「ラーヤ…」
「会いたかった! 会いたかったよ、クバラ様!」
広い背中に手を回し、ラーヤはクバラにしがみつく。
「私もだよラーヤ! 会いたくてたまらなかった!」
ラーヤの髪と耳に、チュクッ… チュクッ… とクバラはキスを落とす。
「クバラ様…」
顔を上げてラーヤがクバラを見あげると… ラーヤの唇にクバラの唇が重なった。
皇帝反逆罪を犯すとわかっていても、ラーヤはキスを我慢できなくて… 薄く唇を開きクバラの舌を招き入れて、ラーヤも舌をのばし、クチュッ… クチュッ… クチュ… とクバラの舌にからめる。
「んんっ… ん…っ…んん……」
のどの奥でクバラは低くうめき、ラーヤから唇を離すと…
細い腰をつかみ持ち上げて、来客用のソファセットへ移動して、ラーヤを下ろし、押し倒してからクバラは再び唇を奪った。
0
お気に入りに追加
304
あなたにおすすめの小説
総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?
寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。
ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。
ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。
その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。
そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。
それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。
女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。
BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。
このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう!
男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!?
溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。
メランコリック・ハートビート
おしゃべりマドレーヌ
BL
【幼い頃から一途に受けを好きな騎士団団長】×【頭が良すぎて周りに嫌われてる第二王子】
------------------------------------------------------
『王様、それでは、褒章として、我が伴侶にエレノア様をください!』
あの男が、アベルが、そんな事を言わなければ、エレノアは生涯ひとりで過ごすつもりだったのだ。誰にも迷惑をかけずに、ちゃんとわきまえて暮らすつもりだったのに。
-------------------------------------------------------
第二王子のエレノアは、アベルという騎士団団長と結婚する。そもそもアベルが戦で武功をあげた褒賞として、エレノアが欲しいと言ったせいなのだが、結婚してから一年。二人の間に身体の関係は無い。
幼いころからお互いを知っている二人がゆっくりと、両想いになる話。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
かくして王子様は彼の手を取った
亜桜黄身
BL
麗しい顔が近づく。それが挨拶の距離感ではないと気づいたのは唇同士が触れたあとだった。
「男を簡単に捨ててしまえるだなどと、ゆめゆめ思わないように」
──
目が覚めたら異世界転生してた外見美少女中身男前の受けが、計算高い腹黒婚約者の攻めに婚約破棄を申し出てすったもんだする話。
腹黒で策士で計算高い攻めなのに受けが鈍感越えて予想外の方面に突っ走るから受けの行動だけが読み切れず頭掻きむしるやつです。
受けが同性に性的な意味で襲われる描写があります。
お客様と商品
あかまロケ
BL
馬鹿で、不細工で、性格最悪…なオレが、衣食住提供と引き換えに体を売る相手は高校時代一度も面識の無かったエリートモテモテイケメン御曹司で。オレは商品で、相手はお客様。そう思って毎日せっせとお客様に尽くす涙ぐましい努力のオレの物語。(*ムーンライトノベルズ・pixivにも投稿してます。)
好みじゃないので悪しからず
浦 かすみ
恋愛
よくある、悪役令嬢の断罪…しかし興味ねーし?何かキャンキャン吠えてる女子がいるけど初対面だし?
辺境伯爵令嬢として生きてきて、デビュタントの当日自分が転生者だと思い出して、ぶっ倒れてから三日間…考えに考えた結果、この田舎(辺境)で骨を埋めよう!都会には行かない!
なのに何だよ〜?王子殿下の美しさを認めるまで離れない!?いやいや好みじゃないし?私、マッチョと怖い顔は苦手なんだ!
【不定期更新です】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる