第4皇妃は可憐な男子~キスしたら皇帝反逆罪⁈

金剛@キット

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7話 目覚めると2

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 ハリラヤの細い腕を取り、脇の下から愛撫をするように濡れ布でゆっくりとふき上げ、クバラ皇子は一本ずつ指の背にチュッ… チュッ… となぜかキスを落とす。

「殿下?」
<んん~? 何でキス? んんんっ…?! 殿下?>

 増々、困惑するハリラヤ。

 
「ねぇラーヤ…? 出来れば私のことはクバラ… と呼んで欲しいのだけど?」

「ええ?! い… いえ…! さすがにそれは…!」
<皇族を名前で呼ぶなんて… 呼んで良いのは同じ皇族だけだし… んん? あれ? 僕も皇族か? んんん~?! でも、やっぱり僕の方がクバラ殿下よりも格下だし、だめだよね?! うん、だめに決まっている!!>

 ふるふると首を横に振り、ハリラヤはきっぱりと断った。


「ふふふっ… やっぱり、だめか! ラーヤは真面目だからなぁ?」

「す… すみません…」
<いつも“頑固がんこ融通ゆうずうがきかない奴” …と、学園生時代は、それで友人たちに、嫌味を言われたんだよね… あ~あ…>

 憧れの先輩だったクバラ皇子の前で、自分の欠点をさらした気がして、ハリラヤはしゅん…… と落ち込んでしまう。 

 落ち込むハリラヤの小さな耳たぶを、クバラ皇子は暖かい指先でやわやわと揶揄うように揉んだ。


「ラーヤ、謝らないでくれ… 私はね… そういう、ラーヤが好きだよ?」

「え?」

「真面目な君なら、心地良い言葉で私に媚びを売り、心で裏切るようなことはしないとわかるから… そういうラーヤを私は信頼しているし、とても好きだよ? だから落ち込まないで欲しい、私は君を褒めたくて言ったのだから」

「クバラ殿下…」
<ううっ… すごく気をつかわせてしまっている! 学園を卒業してもやっぱり僕は殿下に比べて、本当に子供なんだなぁ… 2歳しか違わないのに… 殿下は学園で出会った時からずっと大人だった気がするよ… う゛う゛っ… 恥ずかしいぃ―――っ!!>

 汚れた身体をクバラ皇子にふかれながら、自分の未熟さが恥かしくなり、ハリラヤは真っ赤な顔を両手で隠す。


「ふふふっ… ラーヤは可愛いね…」

「ううっ… あのぅ…?」

「んん… 何だい、ラーヤ…?」

「ク… クバラ…様?」
<クバラ殿下が呼べと言われるのだから… 僕がかたくなに拒否するのもやっぱり不敬だしね…?>

 てのひらをずらし、ハリラヤは片目だけ出して転がったまま、クバラ皇子の顔を見上げた。

「・・・・・・」
 微笑みを消してハリラヤを見下ろし、クバラ皇子は黙りこむ。

「あ… あの…?!」
<うわっ! うわっ! やっぱり不敬?! ど… どうしよ~?!>

 ハリラヤはあせりを感じ、謝ろうと身体を起こそうとするが… 上から肩をつかまれ、起きるのをクバラ皇子に止められた。


「良いね!! もっと呼んで!!」
 ものすごく真剣にクバラ皇子は催促さいそくする。

「はっ…?!」

「名前!」

「ええっとぉ… ク… クバラ様…?」


「・・・・・・」
 クバラ皇子は、自分の額にハリラヤの身体をふいた冷たい濡れ布を当てると、再び黙りこみ…
 フゥ――――――ッ… と熱い息を、ゆっくりと長く… 長く… はき出した。

 ポイッ… と濡れ布を放りすてると、クバラ皇子は鋭い視線をハリラヤに向ける。



「……ラーヤ… すまない!」


 謝罪の言葉を口にすると、クバラ皇子はハリラヤの唇を素早く奪った。





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