傷心オメガ、憧れのアルファを誘惑

金剛@キット

文字の大きさ
上 下
50 / 87

49話 結婚前の思い出作り ※R18

しおりを挟む
「私のことよりも、アディは何がそんなに不安だったのか話してくれないか?」

「ええっと… あの…」

<ど… どうしよう! 隠し事はしたくはないけど… フーア様と会ったことを、話さなくてはいけないの?! 嫌だなぁ… だって、フーア様は少しも心を病んでいるようには見えなかったもの! デスチーノがフーア様に、また興味を持って好きになったら怖いよぉ…>

 おろおろとアディは慌ててしまう。

「アディ?」
 デスチーノはアディを抱き上げると、たくましい膝の上に乗せた。 

「ふうぅぅ~んん~…////////っ」
<ああ、ダメだよだよずるいよぉ~、こんなに優しい顔で見つめられたら… 僕は… 僕は… 何でもデスチーノの言うことを聞いてしまいそう>

 仕方なくアディは、真っ赤な顔で広い肩に小さな手を置き… 穏やかで優しい微笑みを浮かべるデスチーノの顔を見下ろした。

「あっ! そうだ、抑制剤を飲まないと… 効き目が切れてしまったし… あなたと会う時は必ず飲むと約束したでしょう? アナタもアルファ用の抑制剤を飲んだ方が良いですよ?」
 アディにしては珍しく、ちょうど良い言い訳を思いつき、デスチーノの膝を下りようとするが…

「アディ? 抑制剤を飲むと約束した朝… あの時、嘘も、隠し事もしないと、お互い誓ったのを忘れたか?」

「うううっ…」

「それに私は君が目覚める前、薬を先に飲んでおいた… そろそろ抑制剤の効き目が出て来たようだな」
 けろりとデスチーノは言った。

「ふうぅぅぅ~っ…」

「そんなに話したくないか?」

「恥ずかしいから… 言いたくないです!」
<フーア様の話もしたくないけど… 僕がフーア様にすごく嫉妬をしてるなんて… デスチーノにだけは恥ずかしくて絶対に言いたくないよ!>

「うう~むぅ… だったら今から、もっともっとアディが"恥ずかしいこと"を私としたらどうだろうか?」

 デスチーノはアディを膝に乗せて、逃げないようにしっかりと抱き締めたまま… 天井をながめ、何やら思案する。

「えええ?! 何?!"恥ずかしいこと"? デスチーノ? 何をするの?!」

「アディが私に不安な気持ちを話すことぐらい、恥ずかしくないと思えるほど… もっと恥ずかしいみだらなこと!」

「…みだら?!」

「ちょうど2人とも裸だしね!」

 アディを抱き締めたまま、デスチーノはベッドにごろりと寝転がった。

「わあっ!! デスチーノ?!」

「フフフッ…」
 寝転がったデスチーノは、アディの腰を掴み持ち上げると、下から… 
 チュク… チュク…ッ… チュ… チュ… と小さな乳首に吸い付いた。

「ああっ! やっ… ああっんんっ…!」
 チュク…ッ…チュチュ… と胸を吸われながら、アディはデスチーノの両脇に手をついて、身体を持ち上げると…
 チュパッ… と音を立てて、デスチーノの舌と唇が、アディの乳首から離れた。

「アディ、私の舌が胸に届かない… 可愛がって欲しければ、届くように自分で調節するんだ」

「やっ… そんな…っ! 出来ない!」
 恥ずかしくてアディは全身を真っ赤に染めるが…


「アディ? 欲しくない?」

「ふうっ… んんっ…恥ずかしいよぉ…」
<わあぁぁ! すごく、して欲しいけど… はしたなくて、出来ないよぉ~っ!>

 あまりにも恥かしくてアディの琥珀色こはくいろの瞳に、涙が少し滲んだ。

「アディを可愛がりたい… 味わいたい…!」
 期待の籠ったスミレ色の瞳で、デスチーノはアディを見上げる。

「んんっ…」
 見つめられただけで、アディのお腹の奥がヂクリッ… とうずいた。

<こんなはしたないこと… してはいけないのに、求められたら我慢できないなんて! 恥ずかしいのに… デスチーノにたくさんみだらなことをして欲しい… もっとして欲しい>


「エントラーダ伯爵家の寝室に、君が忍び込んで来た時… 結婚する前の思い出作りのために、私に抱いて欲しいと、確か君はそう言ってなかったかな?」

「あっ… デスチーノ… それは…」
<だって、あの時は子種が欲しくて… 勿論、今もたくさん欲しいけど… デスチーノの子種…>

 想像しただけでぶるりっ…とアディは身体を震わせる。

「少しだけ… みだらな思い出を結婚前に作ろう… アディ?」
 腰にあったデスチーノの手が、ゆっくりと脇腹を撫でた。

「で… でも」

「アディ?」


「うう… うん…」

 渋々(?)アディは小さな胸のとがりを、デスチーノの唇に寄せた。








しおりを挟む
感想 40

あなたにおすすめの小説

【短編】旦那様、2年後に消えますので、その日まで恩返しをさせてください

あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
「二年後には消えますので、ベネディック様。どうかその日まで、いつかの恩返しをさせてください」 「恩? 私と君は初対面だったはず」 「そうかもしれませんが、そうではないのかもしれません」 「意味がわからない──が、これでアルフの、弟の奇病も治るのならいいだろう」 奇病を癒すため魔法都市、最後の薬師フェリーネはベネディック・バルテルスと契約結婚を持ちかける。 彼女の目的は遺産目当てや、玉の輿ではなく──?

【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!

楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。 (リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……) 遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──! (かわいい、好きです、愛してます) (誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?) 二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない! ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。 (まさか。もしかして、心の声が聞こえている?) リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる? 二人の恋の結末はどうなっちゃうの?! 心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。 ✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。 ✳︎小説家になろうにも投稿しています♪

巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた

狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた 当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

恋なし、風呂付き、2LDK

蒼衣梅
BL
星座占いワースト一位だった。 面接落ちたっぽい。 彼氏に二股をかけられてた。しかも相手は女。でき婚するんだって。 占い通りワーストワンな一日の終わり。 「恋人のフリをして欲しい」 と、イケメンに攫われた。痴話喧嘩の最中、トイレから颯爽と、さらわれた。 「女ったらしエリート男」と「フラれたばっかの捨てられネコ」が始める偽同棲生活のお話。

その捕虜は牢屋から離れたくない

さいはて旅行社
BL
敵国の牢獄看守や軍人たちが大好きなのは、鍛え上げられた筋肉だった。 というわけで、剣や体術の訓練なんか大嫌いな魔導士で細身の主人公は、同僚の脳筋騎士たちとは違い、敵国の捕虜となっても平穏無事な牢屋生活を満喫するのであった。

騎士が花嫁

Kyrie
BL
めでたい結婚式。 花婿は俺。 花嫁は敵国の騎士様。 どうなる、俺? * 他サイトにも掲載。

君なんか求めてない。

ビーバー父さん
BL
異世界ものです。 異世界に召喚されて見知らぬ獣人の国にいた、佐野山来夏。 何かチートがありそうで無かった来夏の前に、本当の召喚者が現われた。 ユア・シノハラはまだ高校生の男の子だった。 人が救世主として召喚したユアと、精霊たちが召喚したライカの物語。

処理中です...