傷心オメガ、憧れのアルファを誘惑

金剛@キット

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23話 ネックガード ※R18

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 長く太い指で淫密いんみつがとろりと染み出した蜜壺みつつぼの中を、クチュッ… クチュッ… とみだらな音を響かせながらかき混ぜられ、アディは一気に身体の奥に火を付けられた。

「ああっ…! ふぅぅぅ…っ… んんん…!」

 膝からガクリッ… と力が抜け、アディが絨毯じゅうたんの上に崩れ落ちそうになると…
 指を引き抜き、アディを抱き上げベッドへと運び、デスチーノはドサリッ… と乱暴に転がした。 

「デ… デスチーノ…?!」
<デスチーノが怒っている! 僕がコンプラ―ル男爵と一緒にいたから、もしかして尻軽だと思ったの?!>

 穏やかで優しいデスチーノとは思えない、荒々しい乱暴な態度にアディは不安になった。

「・・・・・・」
 バサッ… バサッ… と裾が長く、邪魔な騎士の礼装を絨毯じゅうたんの上に脱ぎ捨て、デスチーノは上半身ダケ裸になり、下衣のボタンを外した。

 不安そうに見上げるアディの身体をごろりとうつ伏せにすると、耳元に唇を寄せ、デスチーノは部屋に来てから初めて口を開いた。

「そんなに私が欲しいか、アデレッソス?」

「・・・・っ」
 アディの胸の中が、ヒヤリッ… とするほど暗く冷たい声だった。

「アデレッソス、私が欲しいか?」
 再びデスチーノはアディにたずねた。

「あ… 欲しい…! 欲しい、デスチーノ!」
 不安におびえながらも、アディは即答した。


 何故かデスチーノはアディの意志を確認すると、ベッドから下り化粧台の前に立ち、何かを探して手に持つとベッドへ戻って来た。

 うつ伏せたアディのネックガードを掴み、ぐるりと回すと小さな鍵に触れ金属音を立てた。

「あ… 鍵は執事が管理しているから… ネックガードは外せないよ?」
 鍵付きネックガードのおかげで、アディはヴィードロからうなじを守ることが出来たが…
 ヴィードロとの婚約解消騒ぎ以来、アディは信用を失い、再び問題を起さないようにと、入浴の時以外は簡単に外すなと、父に厳命されていた。

 だが、カチンッ… と音を立てて、デスチーノは簡単に鍵を外してしまった。

 ぼとりっ…と白いシーツの上に幅広で頑丈なアディのネックガードが落ち、呆気あっけに取られて見ていると… 結婚式の間中、アディの金糸のような髪をまとめるのに使われていた、ヘアピンをデスチーノが投げ捨てた。

 
「こんな単純な鍵… 子供のオモチャと変わらない」
 国の治安を守る経験豊富な騎士のデスチーノは、職務上様々な事件に遭遇そうぐうするため、幅広い知識が必要になる。

 鍵開けも重要な知識の一つで、デスチーノの騎士服のポケットには、ヘアピンも剣と同様に仕事道具として常備されていた。

「ああっ…んっ… 噛む…の?」
 大きくてゴツゴツと硬い掌で、アディは白く細い項を撫でられ、ゾクゾクと背筋に刺激が走り、はしたなく腰を揺らしてしまう。

「欲しいのだろうアデレッソス? …この私が」


「噛んで、デスチーノ…!」

 耳元でもう一度、デスチーノに囁かれ… アディの琥珀色の瞳が潤み、うなずいた。






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今回の名前はブラジル・ポルトガル語にお世話になりました。アデレッソス→アクセサリー、デスチーノ→行き先、ジェレンチ→支配人、コンプラ―ル→買う、エントラーダ→入口、ヴィードロ→ガラス、トルセール→応援する、フーア→街路、 ラテン系の単語は何となく色気があって素敵ですよねぇ~☆彡
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