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23話 暗い庭4 ※R18
しおりを挟む明るい月明かりの下から、ヒラソルは石造りのあずま屋へと足を踏み入れる。
ガセボの屋根で月明かりは遮られ、暗闇の中から大量にアルファ・フェロモンを放つ王太子ラティゴを… ヒラソルは『番の契り』を交したガロテと間違えしがみついた。
「おい! こらっ…!! 離せ… 犯されたいのか?!」
「犯して下さい! …僕は、僕はすぐに消えますから!」
ああ… 早く抱いて欲しい! あなたがもう一度だけ、抱いてくれたら… すぐに消えると約束します!
発情して興奮したヒラソルは、ハァッ… ハァッ… と熱い息をはく。
「お前の… お前の名まえは…?」
「ヒ… ヒラソルです…?」
ガロテ様? 何で今さら… 僕の名前を聞くの? 暗くて顔が見えないから… ガロテ様が何を考えているのか、わからないよ…?!
「男爵家と言ったな?」
「は… はい… デアリバ男爵家のヒラソルです…?」
ガ… ガロテ様だよね? だってこのアルファ・フェロモンは間違いなく、ガロテ様のものだし? それに『番の契り』を交した僕は… 番のガロテ様以外のフェロモンは感じ取れないはずだもの…?
「デアリバ男爵家…」
ラティゴはヒラソルの首筋に鼻をこすりつけ、カリッ…と歯を立てる。
「んんっ…?!」
噛まれた首筋からゾクッ… ゾクッ… する感覚が広がり、服の下でヒラソルの小さな乳首がツンッと立つ。
「好みのフェロモンだ…! たまらないな!」
ラティゴはガバッ…! と立ち上がり、暗闇の中ヒラソルの下衣のボタンを手探りで外し下着ごと太ももまで乱暴に下げる。
「あっ…?!」
大きな手で腰をつかまれ、ヒラソルはぐるりと向きを変えられ、背中から抱きしめられた。
「今すぐ私に犯して欲しいのだろう?!」
「は… はい…!」
何かすごく乱暴な…? ガ… ガロテ様、僕に怒っているの? 急に抱いてと、僕が我がまま言ったからだよね? まるで別人みたいだ?! でも僕のフェロモンが好みだと言ってくれたから、ガロテ様に間違いないけど…?
番ができたオメガの誘惑フェロモンを、感じ取れるのは番となったアルファだけである。
「お前の中… ずいぶん柔らかいな?」
ズブリッ… とオメガの性器の入り口から指を入れられ、クチュ… クチュ…と中をかき回され、甘い刺激がヒラソルの思考を奪う。
「ああっ… ああっ…んんっ…!」
「他の男を喰らった後で、私の相手をしようとは… さっきは可愛いことを言っていたが、お前はそうとうな尻軽だろう?」
「なっ… 何を…?! あああっ…んんんっ!!」
暴言をはかれて反論しようとしたが… ラティゴが指を引き抜き、いっきにヒラソルの最奥まで、猛り切った欲望を突き入れたため、またしても反論の言葉が頭から消えてしまう。
「くっ…! ううっ……」
大きく腰をゆすり、ラティゴは立ったままヒラソルの背後から、激しく最奥を突き上げる。
「ああっ! …ああっ! ああっ! やぁああっ ああっんん!」
ダメぇ…! こ… こんなに激しく突かれたら… 壊れちゃうぅ! でも気持ち良いぃぃ…! 良いぃぃ…!
挿入してすぐに、強く奥を突き上げられ、ヒラソルはたまらずかん高いさけび声を上げた。
良く響くかん高いさけび声をあげるヒラソルの口を、手のひらで塞ぎ、激しく腰を揺すりながらラティゴは耳元で囁く。
「こら! そんな大声でさけんだら… いくら庭の端にいても、誰かに気づかれるぞ?! 邪魔されたくないだろう?」
「んんっ…ふぅ…! うんんっ… んっううん…っ… んんっ…!」
それは嫌だ! この時間を、誰にも邪魔されたくない!
口を塞がれても、ラティゴの大きな手のひらの下で、ヒラソルはうめき声を漏らし続ける。
激しい突き上げと気絶しそうな強い快楽で、ヒラソルは真っすぐ立っていられず膝から崩れ落ちそうになると… ラティゴはガセボの冷たい石柱に押し付ける。
「声をおさえろヒラソル… 大声で、さけぶなよ?」
「んんっ!」
耳元でラティゴに囁かれたヒラソルは、コクッ… コクッ…とうなずくと、大きな手が唇から離れて行く。
ヒラソルは自分の手で口を塞いだ。
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