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3話 ライバル(花婿募集中)オメガたち2

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 馬に乗りアルファの騎士に下着の中をまさぐられながら、真赤な顔で発情するオメガを見送りながら、ヒラソルは驚愕きょうがくした。

「あのオメガ… たぶん彼も貴族…… だよね?! 社交界で醜聞しゅうぶんにならないの?」

 貴族の血統は、優秀なアルファと… アルファの伴侶はんりょに適したオメガで構成されているため、その人物のバース性がわかれば、ほとんどの場合、貴族か平民か判別できる。
(バース性の中でも一番人口が多いベータ性を持つ者は、大きな功績こうせきをあげて、王家から爵位を授与されたり、大金で爵位付きの土地を買ったりしない限り、ほぼ平民である)


「僕は地元で… 間違ってオジサンに発情しただけで、婚約破棄されて結婚相手がいなくなったけれど……?」
 あのライバル(花婿はなむこ募集中)オメガたちは、人前であんなことしても大丈夫なの?! あの騎士と結婚できれば平気なの?!
 それとも逆に、大勢の見物客の前で、アン♪アン♪ 言いながら、アルファを誘惑しなければ… 王都ではお婿むこを捕まえられないの?! 目の前の光景が信じられない!!

「う゛う゛う゛うっ… 王都… 怖っ?!!!」 

 目の前のみだらな行為を平然とするオメガたちを見て、ヒラソルは青ざめた。


 アルファの騎士をお持ち帰りすると、張り切っていたヒラソルだが、今はゾッ… と鳥肌をたてて固まってしまう。
 おびえるヒラソルの前を、オメガと一緒に発情したアルファたちが、4人目… 7人目… 10人目と、何人も… 何人も… 通り過ぎてゆく。

「無理だよ… 僕にはあんなこと出来ないよ?! 絶対に出来ない!」

 田舎で1度、大失敗をした経験から、ヒラソルは、少し強めの発情抑制剤を飲んでいた。
 幸か不幸か、薬の抑制力のおかげで、目の前でオメガと発情する、アルファたちのフェロモンを大量に感じても… 身体は熱く反応するが、ヒラソルの心はどんどん冷えていった。 

 それどころか… ヒラソルの胸はムカムカとして、不快に感じきそうになっている。

「ううっ…! 気持ち悪いよぉ…… こんなの嫌だ! もうダメ…… 見たくないよぉ…」 
 他人のみだらな姿なんて… これ以上は見たくない! あんなにヤラシイ騎士たちのフェロモンで、僕の身体が発情するなんて…?! こんなの僕は耐えられないよぉ…! 


 新たなアルファのフェロモンがただよって来て、ヒラソルは耐えられなくなり… 口と鼻をおさえ、あわてて人の群れから逃げ出した。





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