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62話 溺愛2
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「…っ!!」
軽いキスのつもりで仕掛けたカナルは、ボルカンの大きな掌で項を押さえられ、唇を離すことを拒まれた。
「んん…っ?!」
<ああ… ダメっ… 僕もボルカン様から一瞬も離れたくない!! 本当は ずっと側に居たい!! いっぱいキスしていたい!!>
カナルは口内に暖かな舌を受け入れ、逞しい肩につかまりながら… ボルカンの膝に乗り、夢中で唇を貪った…
<もっと… もっと… ボルカン様を味わいたい!! もっと! もっと!!>
だが… チュクッ… チュチュッ! と… 先にボルカンが唇を離してしまう。
「ああ、クソッ…!!」
ハァッ… ハァ――ッ… と熱を含んだ息を荒々しく吐き罵ると… ボルカンは唇だけでなく、カナルを自分の膝から降ろし身体も離した。
「あっ… やだっ…! ボルカン様… もっとキスを下さい!」
ハァッ… ハァッ… とカナルも熱い息を吐きながら、甘い声でボルカンに抗議すると…
「ダ… ダメだ… カナル、止めないと…っ!! 侍医に止められているのに… ダメだ、抱きたくて堪らない…! ああああ~… クソッ…!」
ふわふわと芳しいアルファのフェロモンを放ちながら、欲望を払うために頭を振り… 振り… ボルカンは悔しそうに罵った。
「あぁ――っ…」
自分でも凄く残念そうに聞こえる声が、カナルの口からもれた。
<う゛う゛う゛ぐぐうぅ~っ… そうだった…! 侍医殿にあれだけ注意しろと言われたのに… 僕が忘れるなんて…! ああ、これでは母親失格だよ… 僕はなんてトホホな妃だろう…? う゛う゛う゛~…>
上目づかいでボルカンを見ると、どうやらカナルから大量の誘惑フェロモンが放たれているらしく…
(自分ではあまり分からない)
何度も頭を振って、ボルカンは自分の欲望と闘っている様子だ。
「す… すみません… ボルカン様… つい…」
<ボルカン様が愛し過ぎて… だってぇ~… ボルカン様がすごく可愛かったからぁ~… 我慢できなくなってぇ~… あんなに可愛らしいお顔を見せられたらぁ~… 聖人だって発情してしまいますよぉ?! もう、本当にボルカン様はいけない人ですねぇ~…>
頭の中で、カナルはいくつも自分に言い訳をした。
「どうやらお前の言う通り、私は執務室へ早く戻った方が良さそうだな…」
フゥ――――ッ… と長いため息を吐き、ボルカンは苦笑した。
<そうでした!! 僕はさっき、生意気にもボルカン様に仕事をさせようと執務室へ戻れと言っていたのに… その次の瞬間には、そのことをころりっ… と忘れてキスをせがみ、引き留めようとするなんて… 本当に僕はなんてトホホなダメ妃だよ?!>
「/////////う゛う゛う゛う゛ぅ~っ……!! 恥ずかしいっ…!! 猛烈に恥ずかしいよぉ~っ!!!」
真っ赤になった顔を両掌で隠して、カナルはうめいた。
「ハハハハッ…」
カナルの赤い顔を見つつ、ボルカンは困った顔で笑い声をあげた。
「う゛う゛う゛~っ… 重ね重ね… 申し訳ありません、ボルカンさま!」
「今夜… 抑制剤をたっぷり飲んで会いに来るから、それまで十分休息をとって待っていろ! 私の唇で可愛がってやる!」
顔を隠して恥ずかしさに身もだえる、カナルの真っ赤に染まった耳に、ボルカンが素早くキスをして、ひそひそと囁いた。
「え゛え゛え゛ぇ―――っ?!!!」
ぱっ… と顔を上げ、カナルはぱちぱちと瞬きをしながら、ニヤリと笑うボルカンの艶っぽい顔を見つめた。
「侍医はキスなら良いと言っていただろう? なら唇で可愛がっても良いはずだ!」
「ひやあぁぁぁ―――っ…」
「ふふふっ… 私の唇に何をさせたいか、考えておけよカナル? んん?」
「ふぅぅぅ~…」
「私の唇で出来ることなら、どんな淫らな望みでも、叶えてやる!」
「唇で…」
<あ…! あれとか…?>
番になった直後の蜜月の間に、国王の私室でボルカンの唇で鳴かされた淫行の数々を思い出し…
赤い顔でカナルはうっかり想像してしまう。
もう一度カナルは、ボルカンにチュッ… と耳にキスをされた。
「今夜が楽しみだ!」
赤い顔のカナルをベッドに残し… ボルカンは鼻歌を歌いながら、上機嫌で執務室へと戻って行く。
軽いキスのつもりで仕掛けたカナルは、ボルカンの大きな掌で項を押さえられ、唇を離すことを拒まれた。
「んん…っ?!」
<ああ… ダメっ… 僕もボルカン様から一瞬も離れたくない!! 本当は ずっと側に居たい!! いっぱいキスしていたい!!>
カナルは口内に暖かな舌を受け入れ、逞しい肩につかまりながら… ボルカンの膝に乗り、夢中で唇を貪った…
<もっと… もっと… ボルカン様を味わいたい!! もっと! もっと!!>
だが… チュクッ… チュチュッ! と… 先にボルカンが唇を離してしまう。
「ああ、クソッ…!!」
ハァッ… ハァ――ッ… と熱を含んだ息を荒々しく吐き罵ると… ボルカンは唇だけでなく、カナルを自分の膝から降ろし身体も離した。
「あっ… やだっ…! ボルカン様… もっとキスを下さい!」
ハァッ… ハァッ… とカナルも熱い息を吐きながら、甘い声でボルカンに抗議すると…
「ダ… ダメだ… カナル、止めないと…っ!! 侍医に止められているのに… ダメだ、抱きたくて堪らない…! ああああ~… クソッ…!」
ふわふわと芳しいアルファのフェロモンを放ちながら、欲望を払うために頭を振り… 振り… ボルカンは悔しそうに罵った。
「あぁ――っ…」
自分でも凄く残念そうに聞こえる声が、カナルの口からもれた。
<う゛う゛う゛ぐぐうぅ~っ… そうだった…! 侍医殿にあれだけ注意しろと言われたのに… 僕が忘れるなんて…! ああ、これでは母親失格だよ… 僕はなんてトホホな妃だろう…? う゛う゛う゛~…>
上目づかいでボルカンを見ると、どうやらカナルから大量の誘惑フェロモンが放たれているらしく…
(自分ではあまり分からない)
何度も頭を振って、ボルカンは自分の欲望と闘っている様子だ。
「す… すみません… ボルカン様… つい…」
<ボルカン様が愛し過ぎて… だってぇ~… ボルカン様がすごく可愛かったからぁ~… 我慢できなくなってぇ~… あんなに可愛らしいお顔を見せられたらぁ~… 聖人だって発情してしまいますよぉ?! もう、本当にボルカン様はいけない人ですねぇ~…>
頭の中で、カナルはいくつも自分に言い訳をした。
「どうやらお前の言う通り、私は執務室へ早く戻った方が良さそうだな…」
フゥ――――ッ… と長いため息を吐き、ボルカンは苦笑した。
<そうでした!! 僕はさっき、生意気にもボルカン様に仕事をさせようと執務室へ戻れと言っていたのに… その次の瞬間には、そのことをころりっ… と忘れてキスをせがみ、引き留めようとするなんて… 本当に僕はなんてトホホなダメ妃だよ?!>
「/////////う゛う゛う゛う゛ぅ~っ……!! 恥ずかしいっ…!! 猛烈に恥ずかしいよぉ~っ!!!」
真っ赤になった顔を両掌で隠して、カナルはうめいた。
「ハハハハッ…」
カナルの赤い顔を見つつ、ボルカンは困った顔で笑い声をあげた。
「う゛う゛う゛~っ… 重ね重ね… 申し訳ありません、ボルカンさま!」
「今夜… 抑制剤をたっぷり飲んで会いに来るから、それまで十分休息をとって待っていろ! 私の唇で可愛がってやる!」
顔を隠して恥ずかしさに身もだえる、カナルの真っ赤に染まった耳に、ボルカンが素早くキスをして、ひそひそと囁いた。
「え゛え゛え゛ぇ―――っ?!!!」
ぱっ… と顔を上げ、カナルはぱちぱちと瞬きをしながら、ニヤリと笑うボルカンの艶っぽい顔を見つめた。
「侍医はキスなら良いと言っていただろう? なら唇で可愛がっても良いはずだ!」
「ひやあぁぁぁ―――っ…」
「ふふふっ… 私の唇に何をさせたいか、考えておけよカナル? んん?」
「ふぅぅぅ~…」
「私の唇で出来ることなら、どんな淫らな望みでも、叶えてやる!」
「唇で…」
<あ…! あれとか…?>
番になった直後の蜜月の間に、国王の私室でボルカンの唇で鳴かされた淫行の数々を思い出し…
赤い顔でカナルはうっかり想像してしまう。
もう一度カナルは、ボルカンにチュッ… と耳にキスをされた。
「今夜が楽しみだ!」
赤い顔のカナルをベッドに残し… ボルカンは鼻歌を歌いながら、上機嫌で執務室へと戻って行く。
1
今回の名前はスペイン語にお世話になりました。カナル→運河、国王ボルカン→火山、姉エリダ→傷、元夫フィエブレ→熱、兄エレヒル→選ぶ、ルイナス公爵→遺跡、宰相パラグアス→傘、正妃ディアレア→下痢、補佐官ベンタナ→窓、叔父インセンディオ→火事、 ○ ○ やっぱり外国語の響きは面白いですね( ´∀` )
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