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39話 蜜月の後は濃密に6 ※R18
しおりを挟む毎日… 毎日… 初めて会った日からボルカンに抱かれ続け…
カナルのそこは、直接触れられなくても、情熱的なボルカンのキスだけで、淫密があふれ出しとろり… とろり… と蕩けて、柔らかく解れてしまうようになっていた。
それにも関わらず、ボルカンは…
「ボルカン様ぁ… あんっ… ボルカン様ぁ… 本当にもう… ああっ… ふぅんんっ… もう入れて下さいぃ… 入れてぇ…可愛がってぇ… ああっん… んふうっ…」
プチュ… クチュウ… クチュ… プチュ… クチュチュ…
「ダメだ! カナル、お前を壊したくない… もう少しの我慢だ! もう少し!」
クチュク… プチュチュ… プチュ… プチュ… クチュウ…
カナルを傷つけたくないからと、手抜きなどせず…
毎日の日課のように、とろとろに蕩けたオメガの性器を、ボルカンは必ず指と舌の丁寧な愛撫でさらに解すことを、頑固に続けていた。
「はああっ…! ボルカン様ぁあ… んんっ…! もうダメぇ――っ! 出ちゃうぅぅ!! はあんっ…! ああんっ…! あああ―――っ…!」
プチュ… プチュ… プチュ… プチュチュ… チュプ… チュプ…
華奢な性器から放たれた、透明に近い少量の蜜液が、カナルの平らなお腹の上に散る。
「ふふっ… カナルは何もかも、綺麗で可愛いなぁ…!」
ニヤニヤと満足そうに笑いながら、ボルカンはカナルのお腹に散った蜜液を指ですくい、ぺろりと嘗めた。
「も… もう! ボ… ボル…カ…ン様ぁ…っ! 」
ハァッ… ハァッ… ハァッ… ハァッ… と、荒い息を吐きながら…
潤んだ濃紺の瞳でカナルは抗議を込めて、ジロリとボルカンを睨む。
「ボルカン様は… 僕… 僕を… 気持ち良く、し過ぎですぅ!!」
<恥ずかしい! 恥ずかしい! いつも我慢出来なくて、本当に恥ずかしいよぉ!!!>
「アハハハハハハ―――ッ!!」
あまりにも可愛い理由でカナルに抗議され…
ボルカンは、こんな楽しい話は初めて聞いたとでも言いたげに、カラカラと笑った。
「だ… だってぇ、国王陛下を楽しませるのも、側妃の仕事なのにぃ…!! 陛下は僕を大切に扱い過ぎです!」
<これではいつまで経っても、僕は半人前の側妃のままだし!>
「お前が大切だから、私は大切に扱う! だから丁寧に愛撫をして壊さないように抱く、これの何が悪い?! それに何をふくれているのだ? 私はお前のおかげで、こんなに楽しんでいるのに!! アハハハハハハ―――ッ!!!」
再びボルカンは、楽し気にカラカラと笑った。
「一番良いのは、大切なお前を抱かないことだが… それはとても出来そうにないから、侍医に相談したら、ひたすら丁寧に抱けと言われたのだ」
「もう、ボルカン様ぁ―――っ…!」
<そ… そんなことまで、侍医に相談するなんて…っ!! 増々恥ずかしいよぉ~ う゛う゛…っ>
顔を真っ赤にして、叫ぶようにカナルは名前を呼んだ。
すると、ボルカンは不意に真面目な顔になる。
「いいか、カナル… お前の発情期は3日前に終わっただろう?」
「何… 何ですか急に?! それが何か?!」
急に態度を変えたボルカンにカナルが戸惑っていると…
「お前は側妃候補となり、慣れない旅をして王都へ来たり… 私と会い気絶したり… 抱かれて側妃になり、後宮入りしたりと… 最近は忙しかったから、まだ気付いていないようだが…」
ボルカンは大きな掌で、カナルのお腹を撫でた。
「は?!」
いつもカナルが失った子を悼み、自分のお腹を撫でる時と同じように…
ボルカンがカナルのお腹を撫でたのだ。
「お前は私の子を身籠っている…」
「え?」
「まぁ、侍医に診てもらわなければ、正確には分からないが… 私はその自信がある!」
王族は絶倫の家系であるのと同時に、生殖能力が高くもある。
そして、オメガが一番妊娠しやすい発情期に、ボルカンは毎日カナルを抱き続けたのだから、自信があって当然だった。
「・・・・っ!!」
カナルは口をパカリッ… と開けて、ボルカンを呆然と見上げた。
「お前が時間を巻き戻す前に失った子は、お前の腹の中にいる」
穏やかに微笑みながら、ボルカンはカナルの腹を撫で続けた。
「・・・・・・」
呆然としたまま、カナルの瞳からぽろぽろと涙がこぼれた。
「もう泣くなカナル、私は良い慰め方を知らないから… これ以上悲しむな! お前の子は、私の子となって、今度こそ生まれるのだから!」
「ああっ… あああ… あああ… ああ…」
<そんな、僕の子が… 本当に僕の子が…? 死んでしまったお腹の子が… 本当に…?!>
泣くなと言われても…
あふれ出した涙を、カナルは止めることが出来なかった。
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今回の名前はスペイン語にお世話になりました。カナル→運河、国王ボルカン→火山、姉エリダ→傷、元夫フィエブレ→熱、兄エレヒル→選ぶ、ルイナス公爵→遺跡、宰相パラグアス→傘、正妃ディアレア→下痢、補佐官ベンタナ→窓、叔父インセンディオ→火事、 ○ ○ やっぱり外国語の響きは面白いですね( ´∀` )
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