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38話 蜜月の後は濃密に5 ※R18

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 着ていた衣服を全て脱ぎ捨てたカナルを抱き上げ、ボルカンは居間の奥の扉を開き、カナルの寝室へと移動する。

<うわぁ… まだ一度も使って無い僕の寝室で、陛下に抱かれるのかぁ… うわあぁぁぁ…! うわあぁぁぁ…! なんか素敵だなぁ…!! ふふふふっ… これから毎晩、このことを思い出してしまいそう!! ふふっ… すごく嬉しい!!>

「陛下ぁ… ふふふっ… ボルカン様ぁ…!」
 頬を綺麗なバラ色に染め、カナルはボルカンの首につかまり雄々しい顎にチュウ… チュウ… と小さな唇でキスを繰り返した。


「ふふふっ… そう急かさなくても、たっぷり可愛がってやる、慌てるなカナル~!」
 最愛の番に甘い声で期待に応えると、ボルカンは大喜びで請け合う。

 ご機嫌のボルカンは、補佐官のベンタナが上げた悲痛な叫びを振り切り、忙しい公務中に執務室から抜け出して来たことなど、綺麗さっぱりと忘れている。
 



 ボルカンの顎に吸い付いたまま、カナルはふかふかのベッドへそっと寝かされた。

「んんっ…?!」
 すぐにキスが返って来ると、濃紺の瞳を輝かせて待っていたカナルは… 
 暖かいボルカンの身体が離れて行き、期待を裏切られて寂しさを感じた。

「少し待て!」

 嬉しそうにニヤリと笑い、ボルカンはカナルから一瞬も視線を外さず、着ていた衣服をばさっばさっ… と全部脱ぎ捨て、ベッドの下に落とした。

「ああっ!」
<何だ、そうか…! ボルカン様はちょこっと抱くのではなく、しっかりと僕を抱く気なんだ?! ふふふっ…>

 寂し気だったカナルの顔に、ぽんっ…! とピンクの花が咲くように笑みが浮かぶ。

 あっという間に全裸になったボルカンが、覆い被さり…
 再び薄い唇に戻って来て、軽いキスから深く淫らなキスでカナルは可愛がられる。

「ふぅんん…っ」
<ボルカン様のキス大好き! もっといっぱいキスしてぇ!!>

 チュッ…チュク…ッ…チュチュ… とカナルも夢中でボルカンの唇に舌をはわせた。
 
 唇を合せたまま、かさついた掌でゆっくり胸を撫でられ、カナルの小さな乳首がヂクヂクと疼き出す。

「んんっ… んふっ… んんっ… んっ…」
 蜜月の間中、毎夜ボルカンに可愛がられたカナルの乳首は、服を着るだけで布に擦れ、淫らな心地良さを感じてしまうほど…
 敏感になっていた。

<ああっ…! 胸も触って… ボルカン様ぁ… もっと… もっとぉ… 強くっ… 欲しいぃ… 欲しいぃ…> 

 背中を反らしてボルカンの分厚い掌に、カナルはグイッ… と胸を押し付ける。


 カナルの唇を解放したボルカンに、キュッキュゥ… キュッキュゥ… と尖った乳首を硬い指先で摘ままれ…
 ちろちろと舌先でくすぐられた。


「ああっ!! んんんっ~…!! ボルカン様ぁ…ああっ 強くうっ…可愛がってぇ… ああっんん!」
<気持ち良い! 気持ち良いよぉ! もっと…もっとぉ…!!>

 カナルは願っていた場所を愛撫され、はしたないおねだりをしてしまう。


「良いぞカナル、その調子だ! 私がお前の望みを叶えてやる!」

 ヂュヂュ… チュ… ヂュチュクッ… ヂュチュチュッ…






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