18 / 27
17話 説教とプロポーズ
しおりを挟む
昔よりもシワが増えた両親の顔を黙って見つめ、ヒロキは顔をふせて笑った。
このままヒロキがセンリと結婚すれば、"神田家には逆らえなかった"と、近江の本家に言い訳が出来ると、思っているのだろう。
昔からヒロキの両親は、そういう人たちだった。
何もかもヒロキは嫌になった。
「近江さん、ソレと親父と兄貴たちも、席を外してくれませんか? オレたち2人ダケで話し合いたいから」
黙りこんだヒロキの顔色を見て…
ベッド脇で跪いていたセンリが立ち上がり、部屋に居た人たちを追い払った。
「・・・・・・」
センリ以外いなくなって、ヒロキはホッ… とため息をつく。
「ゴメン… 目が覚めたばかりで、みんなで押し掛けて」
父親が座っていた椅子に腰を下ろし、センリは心底、すまなそうに謝った。
「センリ、その原因を作ったのはお前だぞ? 忘れたか? もっと反省しろ!」
チクリッ… とヒロキは、センリに嫌味を言った。
「ゴメン! だけどオレ、本当にヒロキを幸せにする自信、結構あるんだよ」
2人っきりになるとセンリは、生意気なコトを言い始めた。
「センリ… お前、全然反省なんかしてないだろう?」
さすがにコレにはヒロキもあきれてしまう
「反省してるさ! オレ自身、自分が未熟だと知ってるし… いつもはそういうのをヒロキが補ってくれるだろう?」
甘え上手なセンリらしい、口説き方である。
「お前、ズルイ言い方するなよ!」
ジロリと睨んだが、ヒロキはこういうセンリに弱いのである。
「オレとしては面倒ゴトを、全部終わらせてからヒロキをモノにしようと思ってたから、報告するのを最後にしたのさ」
頭が重くて顔をふせ気味のヒロキの前に…
センリは屈んで下からヒロキの顔を見た。
「バカ!」
グイッ… とヒロキは、センリの顔を押しのけた。
「やっぱオレ、ヒロキが欲しい! 結婚はヒロキとが良い、年上オメガ妻、エロくて最高!」
押しのけられたセンリは、図々しくヒロキの膝を枕にして、チャラいコトを言って笑い細い腰に腕を回す。
「バカ! アホ! 傲慢野郎!」
いつもの調子のセンリに戻り、思わずヒロキは笑ってしまい、耳を引っ張り罵った。
「オレ、ヒロキみたいな綺麗で可愛い嫁をもらったら、毎日真っ直ぐ家に帰るし、浮気もしない! 大事にするし… ソレと真面目に生きるから、ヒロキ結婚して! 本気で愛してる!!」
「・・・・・・」
センリは自分を上手く扱えるのはヒロキダケだと言うが…
逆にヒロキ自身も、時々ひねくれて、酷く扱いづらくなる。
そんな時センリは、ヒロキの面倒見の良さに甘えて機嫌を取り、上手に扱うのだ。
「オレが結婚して上手くやってイケるのは、ヒロキ以外いないし!」
甘えるのが下手なヒロキは、基本的に甘やかす側が合っているのだ。
「お前の悪いクセだよセンリ、コレから何かする時は、ひと言で良いから僕にも教えてくれ… 何も知らないのはスゴク寂しくて辛いから… ソレに怖かった…」
何も知らずにヒロキは選りに選って、会社のトイレで"番"にされ気絶するほどの衝撃を受けたのだから、辛くないワケがない。
辛そうなヒロキの顔を、センリは膝から見上げて…
ガバッ… と慌てて身体を起こし、センリは靴を脱ぎ捨てベッドに乗ってヒロキを抱き上げ自分の膝に乗せて抱きしめた。
「ヒロキはいつもオレの身勝手を許してくれるから、傷ついているとは思わなかった、本当にヒロキの言う通りだ、悪かった!」
「分かっているよ… センリは普段と同じく、自分の計画を実行に移した、ソコに僕の心の弱さは計算されていなかったダケだよな」
チクチクと言葉のトゲで刺されまくり、センリはうめき声を上げた。
「うううっ…いつも迷惑かけてゴメンなさい、ヒロキさん!」
この日ヒロキはセンリに長々と説教をした後…
プロポーズを受け入れた。
このままヒロキがセンリと結婚すれば、"神田家には逆らえなかった"と、近江の本家に言い訳が出来ると、思っているのだろう。
昔からヒロキの両親は、そういう人たちだった。
何もかもヒロキは嫌になった。
「近江さん、ソレと親父と兄貴たちも、席を外してくれませんか? オレたち2人ダケで話し合いたいから」
黙りこんだヒロキの顔色を見て…
ベッド脇で跪いていたセンリが立ち上がり、部屋に居た人たちを追い払った。
「・・・・・・」
センリ以外いなくなって、ヒロキはホッ… とため息をつく。
「ゴメン… 目が覚めたばかりで、みんなで押し掛けて」
父親が座っていた椅子に腰を下ろし、センリは心底、すまなそうに謝った。
「センリ、その原因を作ったのはお前だぞ? 忘れたか? もっと反省しろ!」
チクリッ… とヒロキは、センリに嫌味を言った。
「ゴメン! だけどオレ、本当にヒロキを幸せにする自信、結構あるんだよ」
2人っきりになるとセンリは、生意気なコトを言い始めた。
「センリ… お前、全然反省なんかしてないだろう?」
さすがにコレにはヒロキもあきれてしまう
「反省してるさ! オレ自身、自分が未熟だと知ってるし… いつもはそういうのをヒロキが補ってくれるだろう?」
甘え上手なセンリらしい、口説き方である。
「お前、ズルイ言い方するなよ!」
ジロリと睨んだが、ヒロキはこういうセンリに弱いのである。
「オレとしては面倒ゴトを、全部終わらせてからヒロキをモノにしようと思ってたから、報告するのを最後にしたのさ」
頭が重くて顔をふせ気味のヒロキの前に…
センリは屈んで下からヒロキの顔を見た。
「バカ!」
グイッ… とヒロキは、センリの顔を押しのけた。
「やっぱオレ、ヒロキが欲しい! 結婚はヒロキとが良い、年上オメガ妻、エロくて最高!」
押しのけられたセンリは、図々しくヒロキの膝を枕にして、チャラいコトを言って笑い細い腰に腕を回す。
「バカ! アホ! 傲慢野郎!」
いつもの調子のセンリに戻り、思わずヒロキは笑ってしまい、耳を引っ張り罵った。
「オレ、ヒロキみたいな綺麗で可愛い嫁をもらったら、毎日真っ直ぐ家に帰るし、浮気もしない! 大事にするし… ソレと真面目に生きるから、ヒロキ結婚して! 本気で愛してる!!」
「・・・・・・」
センリは自分を上手く扱えるのはヒロキダケだと言うが…
逆にヒロキ自身も、時々ひねくれて、酷く扱いづらくなる。
そんな時センリは、ヒロキの面倒見の良さに甘えて機嫌を取り、上手に扱うのだ。
「オレが結婚して上手くやってイケるのは、ヒロキ以外いないし!」
甘えるのが下手なヒロキは、基本的に甘やかす側が合っているのだ。
「お前の悪いクセだよセンリ、コレから何かする時は、ひと言で良いから僕にも教えてくれ… 何も知らないのはスゴク寂しくて辛いから… ソレに怖かった…」
何も知らずにヒロキは選りに選って、会社のトイレで"番"にされ気絶するほどの衝撃を受けたのだから、辛くないワケがない。
辛そうなヒロキの顔を、センリは膝から見上げて…
ガバッ… と慌てて身体を起こし、センリは靴を脱ぎ捨てベッドに乗ってヒロキを抱き上げ自分の膝に乗せて抱きしめた。
「ヒロキはいつもオレの身勝手を許してくれるから、傷ついているとは思わなかった、本当にヒロキの言う通りだ、悪かった!」
「分かっているよ… センリは普段と同じく、自分の計画を実行に移した、ソコに僕の心の弱さは計算されていなかったダケだよな」
チクチクと言葉のトゲで刺されまくり、センリはうめき声を上げた。
「うううっ…いつも迷惑かけてゴメンなさい、ヒロキさん!」
この日ヒロキはセンリに長々と説教をした後…
プロポーズを受け入れた。
11
お気に入りに追加
183
あなたにおすすめの小説
黒の執愛~黒い弁護士に気を付けろ~
ひなた翠
BL
小野寺真弥31歳。
転職して三か月。恋人と同じ職場で中途採用の新人枠で働くことに……。
朝から晩まで必死に働く自分と、真逆に事務所のトップ2として悠々自適に仕事をこなす恋人の小林豊28歳。
生活のリズムも合わず……年下ワンコ攻め小林に毎晩のように求められてーー。
どうしたらいいのかと迷走する真弥をよそに、熱すぎる想いをぶつけてくる小林を拒めなくて……。
忙しい大人の甘いオフィスラブ。
フジョッシーさんの、オフィスラブのコンテスト参加作品です。
噛痕に思う
阿沙🌷
BL
αのイオに執着されているβのキバは最近、思うことがある。じゃれ合っているとイオが噛み付いてくるのだ。痛む傷跡にどことなく関係もギクシャクしてくる。そんななか、彼の悪癖の理由を知って――。
✿オメガバースもの掌編二本作。
(『ride』は2021年3月28日に追加します)


【完結】何一つ僕のお願いを聞いてくれない彼に、別れてほしいとお願いした結果。
N2O
BL
好きすぎて一部倫理観に反することをしたα × 好きすぎて馬鹿なことしちゃったΩ
※オメガバース設定をお借りしています。
※素人作品です。温かな目でご覧ください。

君はアルファじゃなくて《高校生、バスケ部の二人》
市川パナ
BL
高校の入学式。いつも要領のいいα性のナオキは、整った容姿の男子生徒に意識を奪われた。恐らく彼もα性なのだろう。
男子も女子も熱い眼差しを彼に注いだり、自分たちにファンクラブができたりするけれど、彼の一番になりたい。
(旧タイトル『アルファのはずの彼は、オメガみたいな匂いがする』です。)全4話です。
消えない思い
樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。
高校3年生 矢野浩二 α
高校3年生 佐々木裕也 α
高校1年生 赤城要 Ω
赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。
自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。
そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。
でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。
彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。
そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。
【完結】もう一度恋に落ちる運命
grotta
BL
大学生の山岸隆之介はかつて親戚のお兄さんに淡い恋心を抱いていた。その後会えなくなり、自分の中で彼のことは過去の思い出となる。
そんなある日、偶然自宅を訪れたお兄さんに再会し…?
【大学生(α)×親戚のお兄さん(Ω)】
※攻め視点で1話完結の短い話です。
※続きのリクエストを頂いたので受け視点での続編を連載開始します。出来たところから順次アップしていく予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる