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14話 センリの思惑 神田side
しおりを挟む一般的に、オメガはその体質のせいで、アルファはモチロン、ベータにも能力が劣ると言われている。
だが、ヒロキの場合、その有能さからアルファのセンリでさえ、フェロモンを感じるまでは、オメガだとは見抜けなかったほど、能力が高い。
ソレどころかセンリが就職したての頃、指導係だったヒロキと一緒に働き出してみて…
ヒロキの細やかな気配りと粘り強さは素晴らしく、親よりも褒め上手で"センリを本気にさせる"天才だった。
何に対しても飽きっぽく、真面目さが足りないセンリを、仕事は面白いと教えてくれた、尊敬に値する人物で、職場にヒロキがいなければとっくに退職していただろう。
オメガに持っていたセンリの偏見を、ヒロキはガラリと変えた。
要はオメガも努力次第で、大きな可能性を秘めていると言うコトだ。
逆にアルファでも努力をしなければ、プライドが高いダケの無能な傲慢クソ●野郎になる。(ヒロキに会う前のセンリのコトだ)
それほどヒロキはオメガの難点である、発情期に伴う体調不良を補うために努力に努力を重ねて来たのだろう。
出張先でヒロキがオメガだと知り始めて抱いた時は…
『オメガのクセに生意気だ』 と、喧嘩でヒロキに言い負かされ気味になり、センリは腹を立てて上から目線で見る部分もあった。
だが…
『センリはもう少し短気を直せ、だけどお前の発想力は誰も勝てないからな! お前は本当にスゴイ奴だよ』
などとアメと鞭を上手に使い分け、自分のヤル気を出させたヒロキこそ、センリはスゴイ奴だと思っている。
そうやってヒロキに褒められると、センリは世界征服だって夢では無い気がして…
(ちょっと盛り過ぎか?)
だから、本気出してガンガン頑張って、センリは自分のカッコいい姿をヒロキに見せて、スゴイ男だってもっと褒めて欲しいのだ。
『センリ、僕は今月いっぱいで会社を辞めるコトになっているから』
少し前まで激しいセックスをして、センリにガツガツ突かれて、可愛く鳴いていたヒロキが…
サラリと信じられないコトを言い出した。
『まぁ、そんな感じだから… 僕らの関係もコレで終わりにしよう』
<ウソだろう? ヒロキはオレをすてるのか?>
いつもセンリが、恋人をすてる側だった。
それまで付き合って来た恋人(ベータ女子)たちは、始めはクールなのに最後にはセンリに執着し別れたくないと泣かれるから…
なるべく遊び上手な奴を見つけて、相手が本気になる前に、別れるようにしていた。
『僕はたぶん結婚するから…』
ヒロキに告げられた言葉が、センリの頭の中を真っ白にした。
<ヒロキが結婚だって? オイオイ、本気かよ? だって3日と置かず、オレに抱かれているのに… ヒロキはオレ以外のアルファを選ぶと言うのか? 冗談じゃないぞ!! お前はオレのオメガだぞ?! どっかのクソ●野郎に渡すワケ無いだろう?!>
<だが、オレはヒロキと結婚出来ない>
結婚なんてしたくないが、子どもの頃に決められた婚約者がいる。
相手側と神田家は共同で事業を運営していて、センリと婚約者の結婚は必要だった。
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