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67話 執務室で…3 エスパーダside ※R18

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 フワリ… フワリ… と立ちのぼったアルセの誘惑フェロモンにつつまれ、エスパーダの頭は、強い酒を飲んで酔っぱらった時のように、クラクラとめまいに襲われた。 
 発情期を終えて間もないアルセに、軽いたわむれ以上のことはしないようにと、エスパーダはわざわざ寝室ではなく、執務室を選んで来たというのに… 結局、たわむれ程度ではおさまらなくなっていた。

「・・・っく!」
 おぼれそうだ! 誰よりも甘いオメガのフェロモンが… 私の思考を狂わせて… 獣のように発情し、夢中でアルセをむさぼりたくてたまらない!! これが“つがい”の力なのか?!
 ……いや、アルセは初めて会った時から違っていた!! 何と言っても、ティエーラの竜に導かれて出会ったオメガだ!!

「エスパーダ様ぁ…?!」

「アルセ、ダメだ……っ!」
 アルセは10日間の発情期を終えたばかりだ! 私の激烈げきれつな欲望を毎日受け入れ続け、身体もヘトヘトに消耗している…! これ以上、続けて抱けば… アルセはまた、ベッドから起き上がれなくなってしまう!!
 元々体力があって、身体が丈夫なアルセだから、健康を維持できているが… 昼間葬儀で見た、アルセの従弟のように、普通の貧弱ひんじゃくなオメガなら… きっと、身体を壊していただろう……?!
 無理をさせてはいけない!

 ハァッ… ハァッ… ハァッ… ハァッ… と熱い息をはきながら、獣のような制御不能な欲望をおさえて、理性をたもつのに… エスパーダは苦労する。 

「エスパーダ様ぁ… エスパーダ様ぁ…?!」
 恥ずかしがって言葉には出さないが… もっと、もっと、可愛がって、甘やかして欲しいと、エスパーダを見あげ、アルセは潤んだ紅玉色ルビーレッドの瞳で、愛撫あいぶをねだる。

 エスパーダのひざの上で… 黒い服と合わせて着ていた、チャコールグレーのシャツの上から、アルセは無意識なのか? …自分の胸のツンッ… ととがった2つの乳首を指先でなでている。

「・・・っく」
 すでに熱くなっているエスパーダの下腹で… 痛みを感じるほど、男性器がガチッ… と硬く張り詰めた。

「アルセ… 誘っているのか?」

「…っ…!」
 アルセは恥ずかしそうに、エスパーダから視線をそらした。

「もう、ダメだ… 耐えられないっ…!!」
 要はアルセが気持ちの良いことだけ、してやれば良いだけだ! そうだろう?! それならたぶん… アルセの身体を壊さないはずだ!!

「エスパーダ様ぁ?」

「腰を上げて… アルセ!」

「え…?」

 戸惑とまどいながらエスパーダの指示通り、アルセは腰をあげ… ソファーに座るエスパーダの太ももをまたぎ、膝立ひざだちになる。 

 アルセの下衣かいのボタンを外し下着ごと下ろすと、エスパーダは指でオメガの性器の入り口をなでた。
「もうれているな? ぬるぬるになっている…」
 
「ふぅっ……! エスパーダ様ぁ… んっ! んんっ…! あっ…」 

「アルセ… たくさん淫密いんみつがあふれて来たよ…?」

 エスパーダの言葉に反応して、アルセの身体がブルッ… と震えた。
「んんんっ…! やだ… ああっ…!」
  
 アルセの中に、そっと指を一本入れると… ビクビクッ…と内壁が震え、エスパーダの指をギュッ… と締め付ける。


「くぅ……!」
 指に感じた刺激で、エスパーダの下腹が爆発しそうになったが、ギリギリで耐えた。



 

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