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54話 番の契り2 ※R18

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 エスパーダの手の中で精を放ち、ハァッ… ハァッ… ハァッ… と乱れた息づかいで、白いシーツにぐったりと脱力するアルセの中から、ズルリッ… とエスパーダは指を引き抜いた。

 射精の余韻よいんでぼんやりとするアルセの耳に、エスパーダはささやく。

「少しきついがアルセ… でアルセの中を奥まで開くよ…… このまま… 身体の力を抜いていて…」
 アルセの射精を手伝って興奮したらしく、ハァッ… ハァッ… とエスパーダも息を乱している。

 うつ伏せになったアルセの背中に、おおいかぶさるようにして、オメガの性器の入り口に、エスパーダは引き抜いた指の代わりに、硬く張り詰めた自分の男性器を当てた。

「えっ……?!」
 うわあぁぁ… この熱いのが…… って… エスパーダ様の性器…?! ああ… 今から本当に、エスパーダ様と“つがいちぎり”を結ぶんだ?! なんか信じられないよぉ…! 僕のお尻にエスパーダ様の性器が触れているなんてぇ!!
 
 ずっと恥ずかしくて、視線をそらし見ないようにしていた、エスパーダの性器を、自分のオメガの性器に当てられ、アルセは奇妙きみょうな興奮をおぼえた。

「くっ…」

「んんっ…?! あああっ……」
 脱力したアルセの中にズブリと先っぽが挿入され…

「すまない、アルセ…! すまない……!」

「うう… エスパーダ様…?!」
 苦痛のうめき声をあげるアルセの耳を甘噛あまがみし… オメガの性器の入口をいっぱいまで広げて、奥へ… 奥へと… エスパーダの硬い性器が、ズブズブと体内へともぐり込んでくる。

「耐えてくれ… アルセ… アルセ…!」
 エスパーダはいっきに根元まで、長大な性器を押し込んだ。

「うっ… くうぅぅ…っ…」
 苦しい… 痛いっ… なんて大きさなの?! お腹の中のものが押しつぶされそう…… んんんっ… ダメぇ…こんななの…死んじゃいそうぉ…… でも、を越えないと… 僕はエスパーダ様の“つがい” になれない… ああどうしよう? こんなの無理だよぉ……

 アルセが初めての挿入で、苦痛に負けそうになっていると… 何の予告も無く、エスパーダがうなじを噛んだ。

「ああ―――っ?!!!」
 敏感びんかんなうなじを、いきなり噛まれて刺激され、驚いたアルセはかん高いさけび声をあげる。

「くうっ…」
 ビクンッ… と背中をねさせたアルセの中で、動きを止めたままエスパーダも苦痛のうめき声をあげた。

「はあっ… ああああ―――っ!!!」 
 アルセが痛みを感じるほど、エスパーダはうなじを噛む力をギュッ… と強めると… アルセのうなじから背骨を通って、体中にビリビリとしびれが走る。

 うなじを噛まれたまま、すっかりやわらかくなっていた、アルセの男性器が… ふたたびエスパーダの大きな手のひらに包まれ、クチュクチュと指先でもまれる。
 ビリビリと背骨から広がる激しい刺激の中で、エスパーダの温かい手にあたえられる、甘い刺激にたまらず、アルセも甘い声でく。

「ああっ… んんっ… んんっ… ふっあっ…! あっ…」
 アルセの甘い鳴き声に合わせるように、エスパーダが腰をゆすり、オメガの性器の中からズリュッ… ズリュッ… ズリュッ… と刺激をあたえられた。

 苦痛しか感じられなかった、内側からの刺激が、じょじょにアルセを快楽へみちびく刺激へと変わり…
「エスパーダ様ぁ… ああぅ… エスパーダ様ぁ… んっ! エスパーダ様ぁ…っ…いぃ… もっとぉ…! ああっ…んっいぃ… もっとぉ…んっ… いぃ……」

「ぐぅぅぅ…っ!!」
 アルセの唇からおねだりの声がれ… それを聞いたエスパーダは、一瞬で理性が吹っ飛び、うなじを噛みながらえたけもののようにうなり、夢中で快楽をむさぼろうと、アルセの最奥をガツガツと突き上げた。
  
「ああっ! エスパーダ様ぁああっん…! あああああ―――ッ!!!」
 アルセは2度目の射精をすると… ギュウギュウと内壁でエスパーダを締め付け…

「ううっくぅぅぅ………!!!!」
 ガッチリと離さず、うなじを噛んだまま… エスパーダはアルセのギュッ… と締まった、オメガの性器の中に精を放った。 


 寝室の窓から差し込む、早朝の清らかな朝日を浴びて…
 2人は“番” となった。 




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