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53話 番の契り ※R18
しおりを挟む明るい寝室に置かれた、大柄な体格のグラーシア公爵にふさわしい、特別大きなベッドに、エスパーダの腕に抱かれて連れて来られたアルセは、そっとおろされた。
白いシーツの上で、恥ずかしさからアルセはエスパーダから性器を隠そうとコロリ… と身体を丸める。
エスパーダはモモ色にそまったアルセの肩を噛み… 耳を噛み… 優雅な手を取ると、指を一本ずつ噛む……。
愛撫というよりは、アルセに今から何をするかを伝える、エスパーダからのサインだ。
初めての経験で戸惑ってばかりのアルセだが、エスパーダの『うなじを噛むつもりだ』…というサインを正確に読み取る。
「・・・っん」
ああ… エスパーダ様…!
僕は今からエスパーダ様と“番の契り”を結ぶんだ?!
夢みたいだ… 僕はエスパーダ様の本物の妻になる… 本物の家族に… エスパーダ様は、僕の最愛の人になるんだ……!
じわりと発情の熱以外の、熱い何かがアルセの胸の奥でふくらんであふれだした。
朝日を浴びて、キラキラと煌めく華やかな赤と金が混じる髪を、震える手で1つにまとめて片側に寄せると、アルセはエスパーダの前に、おずおずと白いうなじをさらし… うつぶせで転がった。
「ありがとう、アルセ…」
緊張で強張るアルセのうなじを、エスパーダは味見をするよにペロリとなめて甘噛みした。
「はぁっ… んんんん…っ!!」
うなじへの刺激で、ビクンッ…! とアルセの背中が、弾かれたようにはねる。
かたくて太い、ゴツゴツとした指が… アルセのお尻の奥に隠れるオメガの性器の入り口をなでた。
「あっ……!」
「アルセの… ここを開くよ?」
「うん… はい…」
ゆっくりとエスパーダの指は、アルセの反応をみるように、慎重に体内へと潜り込む。
アルセもお尻のそこに、エスパーダの性器を奥まで受け入れることは知っていたが… 覚悟を決めているとは言っても、やはり恥ずかしくて、ギュッ… と紅玉色の瞳を閉じた。
「…う… んんんっ…」
愛する人の指だとわかっていても、自分でも触れたことのない、大切なオメガの性器に触れられて… 痛くはなかったが、体内に異物が侵入した不快感で、アルセの赤い唇からうめき声がもれた。
指が2本… 3本… と増やされて、オメガの性器の入り口から中をやわらかく開くために、エスパーダの指が複雑な動きを始めると…
唇と唇でキスをしている時は、あまり気にならなかったのに、クチュ… クチュチュ… クチュッ… チュッ… クチュッ…
「ふぅ… うっ… うっ…」
すごくやらしい音が、僕のアソコからする…?! ああ、やだよぉ…! エ… エスパーダ様にも、聞こえているよね?! 恥ずかしくて 泣きたくなって来た……!
エスパーダが指を動かすたびに響く、粘膜がこすれる音が、やたらと淫らに聞こえて… 恥ずかしさが倍増し、アルセは耳を塞いでしまいたかった。
だが、エスパーダの指の動きが中を強くこすり、奥を突くようになると… お尻の奥ににぶい疼きがうまれ…
「エスパーダ様ぁ… あっ…?! あっ… あ…?!」
「上手だよ… アルセ…! いっぱいアルセの蜜があふれてきた… もっといっぱい蜜を出して!」
グチュグチュ… グチュッ… グチュチュッ… グチュ…
「あぁっんんっ… エスパーダ様ぁ…! はぁっ…んんっ…! エスパーダ様ぁ…! あぁっ…! んっ…! うんんっ…!」
エスパーダに煽られ、自分中からトロトロと淫密がこぼれ、アルセは太ももまで濡らしているのがわかった。
お尻の奥の疼きがどんどん強くなってゆき、いつの間にかアルセの口から甘い鳴き声がもれだすと… エスパーダは細い腰を持ち上げて、アルセの男性器に指をからめ、プチュ… プチュ… クチュウ… と扱いた。
「あっ! やっ…ああぅ… ダメ! エスパーダ様 ああぅ…っ… だダメぇ……出ちゃ… ダメぇっ…… あああああ――っ!!!!!!」
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