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50話 発情 ※R18

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 先代グラーシア公爵の最期さいごを聞き、アルセはエスパーダの気持ちを考えると、涙がこぼれて… たまらずエスパーダを抱きしめた。  
 広い背中に腕をまわし、アルセは力いっぱいエスパーダを抱きしめた。


「エスパーダ様が… 辛くなったら、僕の力をあげます! 僕はエスパーダ様と一緒に、生きていきたいです! あなたが我慢できなくなったら… 僕があなたを助けます! さっきのように力を… をあげます!」

「アルセのその気持ちだけで、私はじゅうぶんだから…」
  
 隣に座るアルセの身体を持ち上げて、エスパーダは自分のひざの上にのせる。

「でも僕は… さっきも言ったように、本気ですから!」
 どうしよう? 夢の中でティエーラの竜と話したと言えば、信じてくれるかなぁ? 僕の魔リョク…? という力がエスパーダ様よりも、たくさんあるらしいと…… うう~んん…??

 身体を離し、アルセはたくましい肩につかまって、ジッ… とエスパーダを見下ろし考え込む。
 そんなアルセの真剣な瞳を、エスパーダもしばらくの間、ジッ… と見つめてから… 嬉しそうにふわりと微笑む。


「ありがとう、アルセ…! 君のようにじょうが深いオメガと出会えた私は、誰よりも幸運なアルファだ!」

「あの、ですからエスパーダ様… あのですね…? 魔リョクが…… ええっとぉ… うう~んん…」
 どう伝えたら、エスパーダ様は納得してくれるかなぁ? エスパーダ様自身は、白銀のトカゲが見えないみたいだし… 目に見えない魔モノの存在を、見ることが出来ない人に説明するのは、本当に難しいから…! 僕の亡くなったお父様や弟も、僕やお母様の話を、仲良しオメガの母子で作った、創作だと思っていたみたいだし…?
 でも、エスパーダ様はティエーラの竜の声が、聞こえると言っていたから、くわしく話せば………? 

 エスパーダの膝の上でアレコレと、アルセは頭の中でグルグルと考えをめぐらせていたが………  


「アルセ… 君が受け入れてくれるなら、私も君が欲しい…!」

「えっ… エスパーダ様…?!」
 それって僕を本当の妻にしたいと言う意味?!

 心臓がドクンッ… とアルセの胸の中で飛びはね… エスパーダの言葉で、頭の中をグルグルと回っていた考えが、どこかに吹っ飛んだ。

「アルセ今すぐ… 君を奪いたい!」

「あっ…っ! んんっ……?!」

 アルセの唇にエスパーダの唇が重なり… あたたかい舌が口内に潜り込み、チュクッ…チュクッ… とアルセの舌にからみつく。 

 エスパーダから放たれた、アルファのフェロモンに襲われ… 話をしていた間はおさまっていた、発情の熱がふたたびアルセの中で勢いを持つ。
  アルセは夢中でエスパーダの唇に吸い付いた。

 大きな手のひらが、薄いシャツの上から、アルセの背中をなであげる。
 剣の鍛錬たんれんでザラザラとれた、エスパーダのかたい指が… アルセのうなじをやわらかくむ。 
 オメガがびんかんに感じる、性感帯せいかんたいのうなじをかたい指で刺激され… アルセの唇は、エスパーダの唇から離れ… 甘いさけび声をあげた。

「ああっ…! んんっ… エスパーダ様ぁ… ああっ……!」
 大きな手がすごく気持ち良い! もっと… もっと… 触ってエスパーダ様ぁ… もっと僕を奪ってぇ…!!

 恥じらいなど忘れ… アルセはこれまでとは比にならないほどの、濃厚なオメガのフェロモンを放ち… 目の前のアルファを誘惑し、狂わせる。

「アルセ… アルセ…!」
 普段の紳士的な態度からは、想像できないほどの荒々しさで、アルセをソファーへ押し倒して、エスパーダは乱暴に服をはぎ取った。

「エスパーダ様ぁ… エスパーダ様ぁ…!」

 キスでれた赤い唇で、アルセは甘い声で名前を呼び、もっと… もっと… とエスパーダをあおる。






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