夢見るオメガは運命を探して~出会った瞬間、溺愛確定⁈

金剛@キット

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13話 カイリの事情2

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「私と別れた妻とは、中学生の時に家同士の繋がりを強化するために婚約しました」

「中… 中学生っ…?! そんなに早く婚約するの?!!」

「そこそこ名前が通った家だと、アルファの扱いはどこもそんな感じかな… いわゆる早い者勝ち的な部分があるから」

「そこそこ…? 早い者勝ち…?!」
<カイリさんの実家の神田家は、そこそこで片付けられるような、軽い家柄ではない気がするけど?>

 衝撃的なカイリの話に、あごの力が抜けてしまい、ぽかりとフユメは口を開いてしまう。


「だから… 確か相手は当時、まだ小学生だったかな?」

「小学生?!! そんな幼い時に? まだランドセル背負ってる時に… もう婚約?! 同じ日本人の話だよね?! えええ―――ッ?!!」

「フユメ、うるさいわよ?! 神田さんだってお忙しい身なのだから、少しは気づかって黙りなさい!」

「ううっ… はい」
 母に幼い子供のように叱られ、カイリの前だと思うと恥ずかしくて、フユメは縮こまった。

 そんな親子のやり取りを、カイリはニコニコと機嫌良く見ていた。


「すみません神田さん、お話を続けて下さい」

「ふふふっ… はい、それで… そんな年齢で婚約したから、私たちは恋人というよりも兄妹のような関係でした… 実際、結婚するまで彼女に、"カイリお兄様"と呼ばれていたしね」

「…お兄様―――っ?!!」
 いちいち驚いて目を見張るフユメが、よほど面白く見えたらしく、カイリはぷはっ… と吹き出した。

「フユメ…!!」
 
「ご… ごめんなさい、カイリさん… えっと僕に構わず、話を続けて下さい」
 ジロリと母ににらまれ、再び縮こまるフユメ。

「いや… つまり私が言いたかったのは、離婚の理由は私と彼女の性格の不一致だとか、どちらかの浮気が原因とかでは無かった」
 ジッ… とカイリは微笑みながら、フユメを見つめた。

 フユメもカイリの話に、うんっ… うんッ… とうなずき、相づちを打つ。

「端的に言うと、私たちは身体の相性が悪かった」

「ええ?!!」
 ギョッ… とフユメは目をいた。

「神田さん、あまりフユメをからかわないで下さい」
 ムッ… としたフユメの母に、注意され…

「失礼しました! フユメの反応が可愛くてつい…」
 ゴホンッ… とカイリは咳ばらいをして、けろりと言った。

「ええ?! 何? カイリさん、今のって冗談なの?!」
 本気で驚く素直なフユメに… 今度こそ我慢できず、カイリは頬を優しくするりと撫でた。 

 何の抵抗も無く、フユメ自身もカイリの愛撫を受け入れる。

「いや… 冗談ではなくて、本当のことだよ… 私たちは遺伝子の相性が最悪で、そのことに気付いたのが運悪く、結婚の初夜を迎えてからだった」


「遺伝子?」






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