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8話 朝のひととき

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「フユメ… フユメ…! そろそろ起きた方が良くないか?」

「んん…?」
 心地良く響く、なめらかな低音の声がフユメの耳をくすぐり、唇に笑みが浮かぶ。

「今日はどうする?」

「うううぅ~?」

 パチッと目を開くと…
 至近距離ですんごいイケメンが、フユメを熱烈に見つめていた。

<ひいぃぃぃ―――~っ…?!!!>


「おはよう、フユメ!」

 爽やかにイケメンは、ニカッ… と笑い…

 チュッ…! 最初にほっぺにチュウ。
 チュッ…! 次はおでこにチュウ。
 チュウウウゥゥゥ―――ッ…! そして唇に長いチュウ。
 チュッ…! 最期にもう一度、名残惜し気におでこへチュウ。

「///カ…///カイ…リしゃん…っ//////?!」
<朝からイケメンの破壊力が強過ぎて、頭がくらくらする!!> 

 真赤になってフユメがイケメンの名前を呼ぶと…


「フユメは寝起き姿も可愛いなぁ… 私は嬉しいよ!」
 カイリがニヤリとつやっぽく笑う。

「う゛う゛う゛っ…」
<イケメンに可愛いとか言われても… 何となく社交辞令…っぽくて、素直に喜べないよ…? そんな僕はひねくれてるかな?>

 たまらず真っ赤になった顔を、フユメは両てのひらで隠した。


「ところで、フユメ? 今日は月曜日だけど、大学はどうする?」

「…はい?」
 質問の意味がが分からず、フユメは顔を隠すのを止めて、カイリを見つめた。

「大学は…? 身体が… その、私を受け入れたから… 痛むのではないかと思って… 君は昨日が初めてだったようだし?」

 どことなく、カイリは気まずそうにたずねた。


「ああ… はい…」

 昨日フユメは、カイリとホテルの玄関ロビーで待ち合わせをして、初めて会ってすぐに発情して…
 セックスをした。

 4回ぐらい続けてした後で、フユメの体力が限界になり、慌てて2人とも抑制剤を飲み…
 お腹が減っていたから、ルームサービスで夕食をとった。

 その後でまた、2回セックスして…
 抑制剤をまた飲んだら、薬の副作用でメチャクチャ眠くなって、熟睡したら朝になってて、今に至るというわけだ。

「//////…っ!」

<単純に計算しても6回セックスしたんだ… それ以外に、セックスの後で2人でお風呂に入って(食事の前と、眠る前に1回ずつ)、洗うという名目で、カイリさんにエッチなお触りとかされちゃったし… うわぁぁぁ~!! うわぁぁぁ~!! 僕ってば、初体験でやらかしたぁ―――っ!! …ていうかヤリまくったぁ~っ…!>

 ゆっくりベッドから起きると、カイリの言う通り… カイリを受け入れた秘部が痛み、フユメはまた赤く染まった。


「辛そうだな… すまない、昨夜はまるで手加減出来ずに抱いたから…」

「うう~んん… ちょっとだけ、だるいかな…?」

「発情は?」

「うん… たぶん、カイリさんにこれ以上強い刺激を貰わなければ大丈夫そう」
<だからカイリさんにされた、エッチなことをなるべく思いださないようにしないと… また、発情しちゃうよぉ…?!>

 定期的に訪れる発情期と違い、昨日のは強いアルファの濃厚なフェロモンで引き起こされた突発的な発情だったために、抑制剤が上手く効き… 今は発情は抑えられている。


「キスもダメなのか?」
 すごく残念そうな顔で、カイリにたずねられて…

「・・・・っ」
 キュンッ…!

「フユメ… キスは?」

「・・・・・」
 キュキュ~ンッ…!

 フユメは目を閉じて、胸を押さえると… フゥ―――ッ… と深呼吸をした。


<やばっ… キュン死しそう! このイケメンめ!!>






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