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41話 初夜4 ※R18
しおりを挟む視線が交わり、サリダの唇が自分の唇に重なるまで… デシルはサリダを見つめ続けた。
朝にする日課のキスは、デシルの唇をやわらかくサリダの唇で撫でられるだけの、軽いものだが……。
今夜のキスは、チュクチュッ… と音を立て、デシルの唇をじっくりと味わうようにサリダに吸われた。
「んん…?」
ゆるく開いた唇の隙間から、サリダの舌がするりとのびて、デシルの舌に絡みつき… 驚いたデシルはうめき声をあげる。
デシルがキスから逃げられないように… うなじを大きな手でつかまれ、絡み合ったデシルの小さな舌を、サリダは強く吸う…
「んふっ… んんっ…!」
サリダ様… 僕が嫌がることは、しないと言ったのに…! 確かにキスは嫌ではないけど… でも… うまく息が出来なくて、少し苦しいよ?!
同時にお腹の奥がジワリと熱くなり… 息苦しさを強く感じ、サリダの胸を押すと、チュパッ… と音を立てて、デシルの唇は解放された。
「ハァッ… ハァッ… 息がうまく吸えない… ハァッ… ハァッ… サ… サリダ様…」
「ああ! そうか、すまない… デシル… つい夢中で貪ってしまって…!」
サリダもハァッ… ハァッ… と息を乱しながら、謝罪の言葉を口にすると、唇には戻らずデシルの細い鎖骨にチュチュッ… と吸い付く。
「ん……っ?」
「デシル… 触れるよ…?」
「あ…っ! サリダ様…?」
ううっ… 恥ずかしいよぉ! 部屋が暗くて良かった! 僕の薄くて貧弱な身体を、サリダ様に見られなくて済む… でも、触れればわかっちゃうよねぇ? きっと、がっかりされちゃうよねぇ?
うう~~~ん… 恥かしいなぁ… 嫌だなぁ…
初夜用の真っ赤なローブの下に、サリダは大きな手を差し入れて、薄い寝衣の上から、デシルは胸をゆっくりと撫でられた。
胸の先の乳首がこすれ、ヂクリッ… と奇妙に疼きだす。
「あっ…!」
胸の先っぽが…! ああ… どうしよう?! ダメだよ、ダメ! 発情期の時に、いつもヂクヂクするところが… サリダ様に乳首が尖っているのを、知られちゃう… やだよ恥かしいよぉ! まだ、発情期じゃないのに… ヂクヂクするぅ… 何でぇ?!
寝衣の上からサリダに、ヂュッ… ヂュッ… と強く吸われ… デシルは甘いさけび声をあげた。
「ああっ! ああっ…! ああっ… んんっ! サリダ様ぁ…ああっ!」
「可愛い… 可愛い… デシル、ああたまらない! もう我慢できない! すまないデシル! 本当にすまない!」
なぜかサリダは謝りながら、デシルが着ていたローブと寝衣をすそを捲り上げて、いっきに全部脱がしてしまう。
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このお話の登場人物たちの命名は、スペイン語にお世話になりました。 デシル→言う。 騎士サリダ→出口。 婚約者フリオ→寒い。 サリダの婚約者アオラ→今。 デシルの友人ミラドル→展望台。 ミラドルの兄パルケ→公園。 今回も面白い響きの名前ばかりになりました(*´ω`)。覚えにくかったら、すみません! ◯命名センスが最悪なので、異世界モノのお話の時はいつも外国の単語からもらうことにしています☆彡
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