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1章~俺はダンジョンバイトがしたい
21 エロトラップダンジョンで正解でしたー。
しおりを挟む「エロトラップダンジョンっていう男の浪漫が詰まったジャンルを知ってるか? 知らない? まあ涼宮は漫画やアニメに興味なさそうだもんなあ。
お前の方は知ってるな? いや、知らなくてもエロトラップダンジョンって名前で何となく察しが付くだろ。
引っかかったらエロい目にあうトラップがいっぱい仕掛けられてるダンジョンに何も知らない冒険者がやってきて、エロエロのグチャグチャにされるんだ。
……おいおい引くな引くな! グロはないから!
あるのは可愛い子のエロエロな姿だけだから!
ちょっと人間同士には出来ない過激なプレイはあるけど、危なくないしそれが売りなんだよ!
とにかくだな、その素晴らしいエロトラップダンジョンが異世界トワイヤには実在してるんだ。
そしてそのダンジョンの映像がこちらってわけだ!
世界で唯一無二のリアルなエロトラップダンジョンの映像。配信を主流にしてるからディスクはプレミアものだぞ。手に入れるのにどれほど苦労があったか……特にこの魔道師マリンちゃんは大人気でだな、初っぱなからスライムとのプレイがすさまじくて……
っておい聞いてるか涼宮。あ? 後ろ?」
AV片手に熱く語る大学生の声に、眠っていた真面目大学生が起きてしまい、もちろんAV鑑賞会はおじゃんとなった。
内容は見ていない。でも周りにバレる恐怖から本当にトワイヤにエロトラップダンジョンがあるかを調べることが出来なかった。だからあの人が言っていたことは冗談で、きっと日本で作られたそういうシチュエーションAVなんだろうと結論づけて忘れることにしたんだ。
だけど……この状況……誰も死なない「娯楽」ダンジョン。そしてそこに現れた巨大なスライム。人の服を脱がすのが神がかり的に上手で、ちんこへの刺激は的確……あと思い出したから言えるけど、このスライム、大学生が掲げたAVパッケージにいた、魔道師マリンちゃんに絡みついてた奴だろ! がっつり写ってたじゃん!
「こ、ここ……エロトラップダンジョンかよ!」
「おや?ご存じでしたか」
俺の絶叫に、返事が返ってきた。
はっとして顔を上げると、さっきまで閉ざされていた扉が開かれており、シラウラが扉に寄りかかりながらこちらを見下ろしている。
「先ほど映像配信のお話に全く興味が無い様子でしたから、ご存じないとばかり思っていましたよ」
ニコリ、と今までで一番胡散臭い笑顔を貼り付けてシラウラは笑う。
「そうです。ここは俗に言うエロトラップダンジョン。触手に快楽拷問椅子に淫魔にと様々なトラップを取りそろえていますが、特に1階のスライムは冒険者達に大人気なんですよ。それをバイトで体験できちゃうなんて、貴方はとってもラッキーボーイですね」
「どこがラッキーなんだよ! てかバイトって……これ!?」
「ええ、正常に作動したようで安心しました」
「はあ!? こんな事になるなんて聞いてないし、それに魔方陣なんて出現しなかったぞ!」
たしかに言われてみればチビスライムに飛びつかれた時、足下が少し沈み込んだ感覚があった。今思うとトラップのスイッチか何かを踏み抜いたのだろう。だけど光り輝く魔方陣なんて出現せず、たまたま後ろを振り返るまでスライムの存在に気づけなかった。
俺の言葉にシラウラは美しい笑顔のまま首をかしげた。
「……ということはトラップは直っていない、ということですね……はあ、やはり業者の休みが終わるまでダンジョンは休業するしかありませんかねえ……ああでも、転移魔法が正常に作動しているなら問題は無いか……」
「ため息ついてないでこのスライムどうにかしてくれよ!」
「おやおや、そんなつれないことを言わないで。まだバイト終了まで1時間以上ありますし、ぜひエロトラップを体験していってください……そのまま解放しては、貴方も辛いでしょう?」
シラウラの含みのある言葉と視線に、俺は下半身丸出しでしかも勃起したままだと言うことを思い出す。ぶわっと顔が熱くなる。恥ずかしい、隠したい。
しかし俺の手足は拘束されたままで、ただ身をよじることぐらいしか出来ない。
シラウラが来てからスライムのちんこへの愛撫が止まったことは幸いだったが、丸出し状態で間抜けな姿をさらしていることには変わらない。
ただシラウラは俺の様子なんてお構いなしに「ゲンさん目当てでここに通う人も多いんですよ」なんて世間話をする。
……ん? ゲンさん?
「ああ……ゲンさんというのは彼、スライムの名前です。ふふ、スライムは最弱の魔物として有名なのは貴方も知っていますね。しかし実は大器晩成型だと言うことは知らない者がとても多い。まあまず長生きするスライム自体珍しいですから。長く生きたスライムは生気を吸収して肥大化し、知能をつけ、様々な能力に目覚める。ちなみにゲンさんは、魔王が誕生する前、ざっと700年前から生きているそうですよ」
「な、700年……」
「すごいですよねえ。しかし長く生きて様々な能力を覚えても、スライムの身体が脆いことには変わらない。だからゲンさんは己の技を磨きに磨いたそうです。人間も動物も、魔物だって……エッチなことにはとびきり弱いですからね♡」
「うひゃ、あっ!?」
シラウラの言葉に応えるように、スライムが再び俺のちんこを包み込む。ヌルヌルと這われるだけで、背筋が痺れるような快感が駆け抜け、腰が勝手に揺れてしまう。
「は、はあ……ぁ……?」
だけどそれ以上の刺激を与えてくることはなく、ただ包み込んだだけで動きは止まってしまった。
直感的に、シラウラのGOの合図を待っているんだと気づき、顔が引きつる。
ちんこをスライムに包み込まれている俺をニコニコ見つめながら、シラウラは近づいてくる。
「や、やめろ……くるな!」
「どうしてです? あなたのソコはこんなにも触れて欲しそうにしているのに」
「んあ、あっ!」
シラウラのほっそりした指が、スライムの上から無遠慮に亀頭を撫でる。
くにゅくにゅ、ぐちゅぐちゅと敏感な場所を擦られてがくがくピクピクと腰が跳ねる。
「だ、だめ、それ、ぇ……♡」
口では必死に否定の言葉を吐くけれど、もう誰に何されてるとかどうでもいいほど、気持ちよくてたまらない。シラウラが亀頭を撫でるたび、つられるようにチンコ全体を包み込んでいるスライムもぐちゅぐちゅと動いて扱いてくるのだ。
たまらない、はやく射精したい……しかしそんな気持ちを見透かしたように、シラウラの手が離れてしまい、スライムも再び動きを止めてしまった。
「あ、あ……な、んでぇ……?」
「ふふ、良いお顔ですね。しかし時間はたっぷりあるんですから、急いてはいけません。この時間を楽しみましょう?」
俺を見下ろす羊瞳が完全に愉悦をふくんでいた。無様な姿を見て楽しんでやがる。
そのシラウラの表情に、羞恥心やら惨めさやら怒りやら、様々な感情が勢いよく吹き上がり、頭の中でブチっと何かが切れる音がした。
「ふっざけんなよお前! マジで許さねえ。絶対ぶん殴る!」
「ふふふ、そんなに怒らないでくださいよ。おっと」
もう後先なんて考えず俺はもがき暴れる。スライムの中に沈んでいる左足を強引に引き抜く。チリっと小さな痛みを感じたが知るもんか! その勢いのままシラウラに向かって蹴りを入れるがあっさり躱されてしまった。
「本当にやんちゃな人間ですねえ。ああほら怪我しちゃってるじゃないですか」
「知るか! つか離せ! 俺はオモチャじゃねえんだからな、あっ、いってえ!?」
突如、胸にツキンと痛みが走る。シャツの下でスライムが俺の乳首を抓っているのだ。さっきまで撫で回されていた乳首は刺激に弱くなっていて、なんかすごい痛い!
「ああ、くそっ、いででで乳首抓るな馬鹿スライム!」
「では私がペニスの方を抓って差し上げましょうか?」
「え、ああっ!?」
ぎゅっ♡
乳首の痛みに身もだえている間に、シラウラは俺の脚の間に入り込み、チンコの根元を握っていた。少し強めに握られて、抵抗力が落ちる。ちんこはだめだろ!
「そ、こはだめだろ、卑怯者!」
「おや知らなかったのですか? 私が卑怯者で、生意気な人間をいたぶるのが大好きな魔物だと言うことを」
「え……」
いたぶる、という言葉に、背筋がひやっとする。
「といっても、快楽の方でいたぶるのが大好きなんですが♡」
「うあん♡」
根元から先端まで一気に擦り上げられる。
「ほらほら、卑怯者の私の手でいかされてしまっていいのですか? ふふ、玉もパンパンじゃないですか」
「うああ♡あ、ああ、それえ、や、いやだあ♡♡」
たぷたぷと玉を手のひらで転がしながら、もう片方の手は乱暴に、まるで家畜の乳搾りでもするような容赦のなさでスライム越しに扱かれる。普通なら痛いぐらいの激しさだ。しかし俺のチンコはヌルヌルとした粘液まみれのスライムに扱かれてる状態で、あまりの気持ちよさに腰がビクビクと痙攣し、せっかく拘束が解けた左足も力なく空を切るだけだ。
「はあ、あ、ああっ! んんっ~~~♡♡♡」
我慢できずにシラウラの乱雑な手コキで、ヌルヌルのスライムの中に射精してしまった。
勢いよく飛び出た白濁色が半透明なスライムの内側に溜まっていく。俺はその光景を呆然と眺めた。
腹立つ魔物の手で、しかもちょっと扱かれて秒でイかされてしまった。
射精後の気だるさと、射精できてスッキリした気持ちになってしまってる情けなさに、ただゼエゼエと息を吐いていると、シラウラは立ち上がると俺の顔をしげしげと見つめ「ふふ」っと笑いやがった。
「どんなに凶悪な見目をしていても、射精してしまえば無防備で可愛いくなるものですねえ。凶悪な狼が子猫になってしまったように愛らしいですよ」
「……マジで、後で覚えてろよ……」
「んふふ、元気な子は好きです。やはりうちで働きませんか?」
「誰がこんな所で働くかよ」
気づけば抜け出したはずの左足は再びスライムに拘束されていて、先ほど以上に動けなくなっていた。蹴れない代わりに、スライムの中で中指を立ててべっと舌を出す。
俺の挑発にシラウラは初め羊瞳をパチパチと瞬かせて不思議そうにしたが、すぐに意図に気づいたのだろう、美しい眉間に皺を寄せた。
異世界ではあるが、中指を立てるジェスチャーが挑発行為としてちゃんと伝わったのだ。……ただ、意味合いがだいぶ違ったけれど。
「ほう……性的に物足りない、もっと欲しい、ですか」
「はあ!?ちがっ……」
「こんな挑発的なジェスチャーを向けられたのは初めてですよ。安い挑発と分かっていても、腹立たしい気持ちになるものですね。ねえ、ゲンさん」
「え」
スライムの中で立てていた中指が圧をかけらえるようにして折りたたまれ、グーのポーズにされてしまう。こいつらを不快な気持ちにさせるのは成功した。しかし、雲行きが怪しい。
嘘くさいシラウラの笑顔に凄みが増し、スライムの拘束力がより強くなっている。
「初めてのご様子でしたし、この辺で止めるつもりでしたが、ご満足いただけていないなら話は別です。エロトラップダンジョンの名にかけて、残り時間、貴方にご満足いただけるようにタップリご奉仕いたしましょう」
不快、どころか地雷を踏み抜いた、そう表現するほど怒らせてしまったのだった。
続く
ハンドジェスチャー調べてたら、国によってはピースサインとか、いいね!って感じで親指立てるのも侮辱と捉えちゃう国があるって言うのだから国それぞれで面白いよね。なので異世界で中指を立てると、性的に物足りないんですけど~?こっちはまだ満足できてないんですけど(怒)というブーイングサインということになりました。
あと、タイトルの番号がおかしいですが、1章終わったら直すのでこのまま突っ走ります。
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