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番外編 重ねる日々
Twitter小話6
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連休明け
「休暇が終わる……」
「ワーカーホリックでも、そこは残念がるんだな」
「お前はようやくインターンってところだから、まだ休暇のありがたみを知らないんだろう」
「は? 生まれたときから『王子』って仕事に永久就職してんだぞ。敬え」
「そう言われればそうか。でも、いいのか?」
「なにが?」
「お前が三百六十五日、二十四時間仕事中なら、おれは常にお前を『殿下』って呼ばなきゃならないぞ」
「…………」
「仕事に私情は持ち込めないからな。当然、ハグもキスもなしだ」
「休暇だいじ!」
(チョロ……)
◇◇◇
スタバでなに頼む?
バ「トールのドリップコーヒー」
イ「ソイラテをショートで」
エ「トールのバニラクリームフラペチーノ。アーモンドトフィシロップに変更。エクストラホイップ、キャラメルソース追加、2ポンプハニーブレンド」
バ「おいそれどこで覚えて来た?」
イ「胸やけしそうですね」
─間─
エ「甘……。それひと口ちょーだい」
バ「そら見たことか」
イ「ティーラテを頼んできましょうか?」
エ「んーん、これでいい」
バ「さも自分のものかのように言うんじゃない。ジャイアンかお前は。──あぁ、全部飲むなよ。寝られなくなるぞ」
イ(……旦那さまはドラえもんでしょうか)
◇◇◇
グルメなのかどうなのか
「お前、あのゼリーって飽きないのか?」
ふと気になって、バッシュは尋ねた。
別にゼリーがダメだとか、ほかのちゃんとした食事をしろというわけじゃない──もちろん、それに越したことはない──が、こちらを見たエリオットに「これだから素人は」みたいな顔をされたのは解せない。
「これから素人は」
しかも言いやがった。
手にしていた端末を操作したエリオットが、画面をこちらに向ける。
フラットで生活していた彼が、常に冷蔵庫にストックしていた栄養補助食のメーカーのホームページだ。
商品ラインナップの紹介ページらしく、見覚えのあるパッケージが並んでいる。
「いいか? 右からグレープフルーツ、レモン、マスカット、グリーンアップル、マンゴー、オレンジ、メロン、パイナップル……」
「待て待て待て、何種類あるんだ」
延々とスクロールされていく画面に、バッシュは頭を抱えた。
「計三十種。ドリアン以外は全部おいしい」
「むしろドリアンを試した度胸がすげぇ」
そして売り出したメーカーも。
「休暇が終わる……」
「ワーカーホリックでも、そこは残念がるんだな」
「お前はようやくインターンってところだから、まだ休暇のありがたみを知らないんだろう」
「は? 生まれたときから『王子』って仕事に永久就職してんだぞ。敬え」
「そう言われればそうか。でも、いいのか?」
「なにが?」
「お前が三百六十五日、二十四時間仕事中なら、おれは常にお前を『殿下』って呼ばなきゃならないぞ」
「…………」
「仕事に私情は持ち込めないからな。当然、ハグもキスもなしだ」
「休暇だいじ!」
(チョロ……)
◇◇◇
スタバでなに頼む?
バ「トールのドリップコーヒー」
イ「ソイラテをショートで」
エ「トールのバニラクリームフラペチーノ。アーモンドトフィシロップに変更。エクストラホイップ、キャラメルソース追加、2ポンプハニーブレンド」
バ「おいそれどこで覚えて来た?」
イ「胸やけしそうですね」
─間─
エ「甘……。それひと口ちょーだい」
バ「そら見たことか」
イ「ティーラテを頼んできましょうか?」
エ「んーん、これでいい」
バ「さも自分のものかのように言うんじゃない。ジャイアンかお前は。──あぁ、全部飲むなよ。寝られなくなるぞ」
イ(……旦那さまはドラえもんでしょうか)
◇◇◇
グルメなのかどうなのか
「お前、あのゼリーって飽きないのか?」
ふと気になって、バッシュは尋ねた。
別にゼリーがダメだとか、ほかのちゃんとした食事をしろというわけじゃない──もちろん、それに越したことはない──が、こちらを見たエリオットに「これだから素人は」みたいな顔をされたのは解せない。
「これから素人は」
しかも言いやがった。
手にしていた端末を操作したエリオットが、画面をこちらに向ける。
フラットで生活していた彼が、常に冷蔵庫にストックしていた栄養補助食のメーカーのホームページだ。
商品ラインナップの紹介ページらしく、見覚えのあるパッケージが並んでいる。
「いいか? 右からグレープフルーツ、レモン、マスカット、グリーンアップル、マンゴー、オレンジ、メロン、パイナップル……」
「待て待て待て、何種類あるんだ」
延々とスクロールされていく画面に、バッシュは頭を抱えた。
「計三十種。ドリアン以外は全部おいしい」
「むしろドリアンを試した度胸がすげぇ」
そして売り出したメーカーも。
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