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第四十八話 奴隷商館へ②
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入室してきた男性を見て、リティシアはボウっとなってしまった。
現在八歳であるが、前世の年齢もプラスすると、心の成熟年齢とすれば、もう成人年齢などとっくに過ぎている。
つまり、好みだけでいうなら、成人を迎えた男性の方にときめくのだ。
そう、目の前で柔和な表情で微笑みつつ目線だけで色気垂れ流すような相手に、目が釘付けになってしまうのも致し方ない。
入室してきた青年は、深い紫色の髪に、黒曜石のような黒い瞳、端正な顔立ちの口元に小さな黒子を持つ美男子だったのだから。
アーモンド型にくっきりとした瞳は、少し目尻が下がっていて、美しく整った美貌に柔らかさを添えている。
それらが口元の黒子とあわさって、何ともいえぬ色香を放っているのだ。
八歳の女の子では気付かない色香だろうが、リティシアは真実の姿は八歳ではない。この青年の持つ色香にバッチリ魅了されいてた。
「これはこれは可愛いお客様だ」
見目麗しい男には美声になる骨格や喉骨が標準装備されているのであろうか、いつまでも訊いていたい程に耳に心地の良い低音の主は、リティシアを見つめている。
「はは、どの年齢の女子も君には魅了されるらしい。
紹介するよ、幼い頃からの腐れ縁が今の今まで続いている幼馴染のレイフェだ。
レイフェ、私の大切な恩人の三人だよ。
左からユキくん、リティシアちゃん、スノウくんだ。
今回奴隷を買いたいという事で、私を信頼して任せてくれたんだ。
私はレイフェなら、リティシアちゃん達が気に入ってくれるだろう奴隷を用意してくれるだろうと思って、ここに来たんだ。」
「……懐かしいな、ルスのそういう所。私に物を頼む時に求めるレベルを高く設定するの変わらないな。」
レイフェさんは苦笑しながら、レグルスさんの肩を叩いた。
日頃おっとりしているレグルスさんは、口の端を引き上げた笑顔をレイフェさんに向けている。
幼馴染という事からいっても、レグルスさんにとって気兼ねなく接する事が出来る相手なんだろうな。
「リティシアといいます、本日は奴隷を購入しにきました。初めての高額な取引になるので、少し…いや大分緊張していますが、宜しくお願いします。」
「ご丁寧な挨拶有り難う、小さなレディ。こちらこそ宜しくね。
……本日は、奴隷商館ハイリヒトゥームへようこそお越し下さいました。
どのような奴隷をお望みでしょうか?
我がハイリヒトゥームはお客様と奴隷の御縁を繋ぐお手伝いをさせて頂いております。今日は素敵な縁が結ばれるお手伝いをさせて下さいね。」
何だかとっても丁寧だ。
奴隷商館を経営する人ってもっと怖い人だと思っていた。
奴隷の売り買いをすること、今の世界では違法ではないけれど…
どうも前世の価値観が混ざっているせいか、奴隷の売買に犯罪だと思ってしまう気持ちが全く消えたわけではなかったから。
「まずはどのような奴隷を探しているか、教えて頂けますか?」
私は説明した。
商売経営の経験がある方か、商売経営の補佐をしていた方、もしくは…商売経営を勉強していた人など、何処か商売に携わっていた人が欲しいと。
後、商売するに当たって、商会をまずは立ち上げる予定だから商会の店や事務所を護衛する人も欲しい。
後はそこで働く従業員数名……と、考えられる限りは説明した。
レイフェさんは口元に手を当てしばらく考えていた。
脳内にある奴隷リストを、今言われた条件を元に高速で照合しているかのようだ。
「…まずは四名ほど、こちらへ連れて参りますので、少々お待ち頂けますか?」
照合を終えたようで、眩い微笑みを浮かべたレイフェさんはそう話すと、颯爽と退室していった。
現在八歳であるが、前世の年齢もプラスすると、心の成熟年齢とすれば、もう成人年齢などとっくに過ぎている。
つまり、好みだけでいうなら、成人を迎えた男性の方にときめくのだ。
そう、目の前で柔和な表情で微笑みつつ目線だけで色気垂れ流すような相手に、目が釘付けになってしまうのも致し方ない。
入室してきた青年は、深い紫色の髪に、黒曜石のような黒い瞳、端正な顔立ちの口元に小さな黒子を持つ美男子だったのだから。
アーモンド型にくっきりとした瞳は、少し目尻が下がっていて、美しく整った美貌に柔らかさを添えている。
それらが口元の黒子とあわさって、何ともいえぬ色香を放っているのだ。
八歳の女の子では気付かない色香だろうが、リティシアは真実の姿は八歳ではない。この青年の持つ色香にバッチリ魅了されいてた。
「これはこれは可愛いお客様だ」
見目麗しい男には美声になる骨格や喉骨が標準装備されているのであろうか、いつまでも訊いていたい程に耳に心地の良い低音の主は、リティシアを見つめている。
「はは、どの年齢の女子も君には魅了されるらしい。
紹介するよ、幼い頃からの腐れ縁が今の今まで続いている幼馴染のレイフェだ。
レイフェ、私の大切な恩人の三人だよ。
左からユキくん、リティシアちゃん、スノウくんだ。
今回奴隷を買いたいという事で、私を信頼して任せてくれたんだ。
私はレイフェなら、リティシアちゃん達が気に入ってくれるだろう奴隷を用意してくれるだろうと思って、ここに来たんだ。」
「……懐かしいな、ルスのそういう所。私に物を頼む時に求めるレベルを高く設定するの変わらないな。」
レイフェさんは苦笑しながら、レグルスさんの肩を叩いた。
日頃おっとりしているレグルスさんは、口の端を引き上げた笑顔をレイフェさんに向けている。
幼馴染という事からいっても、レグルスさんにとって気兼ねなく接する事が出来る相手なんだろうな。
「リティシアといいます、本日は奴隷を購入しにきました。初めての高額な取引になるので、少し…いや大分緊張していますが、宜しくお願いします。」
「ご丁寧な挨拶有り難う、小さなレディ。こちらこそ宜しくね。
……本日は、奴隷商館ハイリヒトゥームへようこそお越し下さいました。
どのような奴隷をお望みでしょうか?
我がハイリヒトゥームはお客様と奴隷の御縁を繋ぐお手伝いをさせて頂いております。今日は素敵な縁が結ばれるお手伝いをさせて下さいね。」
何だかとっても丁寧だ。
奴隷商館を経営する人ってもっと怖い人だと思っていた。
奴隷の売り買いをすること、今の世界では違法ではないけれど…
どうも前世の価値観が混ざっているせいか、奴隷の売買に犯罪だと思ってしまう気持ちが全く消えたわけではなかったから。
「まずはどのような奴隷を探しているか、教えて頂けますか?」
私は説明した。
商売経営の経験がある方か、商売経営の補佐をしていた方、もしくは…商売経営を勉強していた人など、何処か商売に携わっていた人が欲しいと。
後、商売するに当たって、商会をまずは立ち上げる予定だから商会の店や事務所を護衛する人も欲しい。
後はそこで働く従業員数名……と、考えられる限りは説明した。
レイフェさんは口元に手を当てしばらく考えていた。
脳内にある奴隷リストを、今言われた条件を元に高速で照合しているかのようだ。
「…まずは四名ほど、こちらへ連れて参りますので、少々お待ち頂けますか?」
照合を終えたようで、眩い微笑みを浮かべたレイフェさんはそう話すと、颯爽と退室していった。
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