4 / 8
第一章 王女に婚約者が出来るまで。
第四話 それは私が欲しいものですか?
しおりを挟む
王女宮に訪れた王女の兄王子エミリオは、自分が一番好きな茶葉を使用して淹れてくれたお茶を飲みながら安堵していた。
ここは、宮の中においても妹のプライベートな私室。
今までもここに通された来たけれど、今回、もしかしたら応接室へと通されるのではないのか不安だったのだ。
王女宮に招待されるような貴族夫人はそれほど多くはないが、それでも付き合いというものがあり、王妃の繋がりで定期的に高位貴族夫人が令嬢を伴って宮へ来る事があるのだ。
それに王家御用達の外商をする商人たち等も応接室に通されている。
というわけで、大して親しくない者でも通される応接室ではなく、妹ティアローザの私室に通された事で自分が妹の怒りの対象内で無いことが分かってホッとしたのだった。
「それでリオ兄様、政務が山のように積み上げられ毎日逃げたいと嘆かれる程にお忙しいお兄様が、わざわざ私の所へ来られる程の大変な御用がお有りなのですか?」
ティアローザの言葉の棘がチクチクと刺さる。
(これは、僕に対しても少し怒ってそうだなぁ…)
それもそうか、父と母があの詐欺祈祷師を呼ぶことを止められなかったし、暴走してるなぁと思ったけれど(ちょっとだけ面白い)と思って本気で止めようとはしていなかったから。
娘が醜い婚約者でいいと言ったくらいで大騒ぎし過ぎなんだよ、親ばかどもめ。
王と王妃の暴走を諌めようとする真っ当な臣下たちに「まぁちょっと様子見したら?」と進言したのもバレてるのかもしれない。
あれ? 僕なんで許されたんだ? 結構やらかしてない?
「用があったら、来てはいけないのかい?」
令嬢達の甲高い悲鳴を独占する微笑みを浮かべてみせる。
「フッ、妹のわたくしに、リオ兄様のその笑みが通用すると思ってますの?」
ティアローザに鼻で笑われてしまった。
「ははっ、手厳しいな。用が無くてもティアローザに会いに来たいし来るつもりだけれど、今日はティアが喜ぶものを持ってきたよ。」
「喜ぶもの…?」
疑り深い眼差しを僕に向けると「私の欲しいものですか?」と訊いてくる。
「今、一番欲しそうなものだとは思うけれど。違ったかな?」
そう言いながら釣書を掲げ軽く振ってみせた。
ティアローザの瞳がカッと見開かれる。
「そのような事を仰って、お父様たちが持って来たような令息たちなら、わたくしはリオ兄様としばらく口をきかないつもりですけれど。よろしいの?」
「口をきかないのは堪えるからやめてほしいが、きっと気に入ってくれると信じて持って来たから、ティアに喜んで貰えると嬉しい。」
ティアローザに釣書を差し出し、それを受け取り開くのを見守る。
「まぁ…この方は!」
ティアローザはハッとしたように驚き、顔を上げた。
「この方ってこのような容姿の方でした? お兄様と昔から懇意にしておられてお付き合いの長い公爵令息様じゃないですか?」
絵姿の下に情報が細かく書いてあるので、それに目を落とし読み進めるティアローザ。
「ええ、間違いないわ。お名前もルカリオン・コルベール公爵令息様ですし。
嫡男という所も同じですわ…。
何がおありになったのかしら、ご病気だと訊いた事はない気がいたしますのに。
こんなに痩せて…。」
酷く心配するティアローザにエミリオはおや? と思う。
「ティアは挨拶程度しかルカとの接点は無かった気がするけれど、どこかで接点があった?」
「いえ、ご挨拶だけですわ。その時に仰ってくれた言葉が印象的で、ステキな方だなとは思っていましたの。」
「へぇ…あのルカがねぇ」
詩的な事でも言われたか? いやでも、あの令嬢にブリザード吹かせていたルカだぞ? 僕の妹だからといってもやりそうにないが。
「あの頃、わたくし天使になりたくて。」
ティアローザが何て? エミリオはきょとんして目を丸くする。
天使といったか? 確かに昔は白くてフリフリしたドレスばかりを着ていた気がするが。
「天使…」
「ええ、天使様が出てくる本を読んで、どうにかして自分も天使になれないかと頑張っていた時期があるんですの。」
幼い自分の夢を今更に兄に語っているのが気恥ずかしく、少し頬を染めふふっと可憐に笑うティアローザ。
( うん、確かに今からでも天使になれそうな可愛さではある。)
「庭園で、お花に囲まれて空を見上げて、私を天使にさせて下さいって祈っていた時、たまたまお兄様とコルベール公爵令息様が庭を散策されていて、お会いした時に――――」
急に口を噤むと、更に頬を染め上げ、もじもじとするティアローザ。
「時に?」
「…言わなきゃダメかしら。今、話しながら思い返したら恥ずかしくなってきましたわ。」
「僕にその記憶が無いのだけれど、そこに僕はいたの?」
「リオ兄様も居ましたわよ? え、居なかったかしら…?」
混乱したように視線を俯かせ「いや…あれは…でも…」と呟くティアローザ。
「ティア、それで何て言われたの?」
続きが気になるエミリオはティアローザを促す。
「…王女殿下でしたか、天使様だと思いました。お初にお目に掛かります。コルベール公爵家のルカリオンと申します。以後お見知りおき下さい。と仰ったの。」
あれ、普通だな? 天使様という単語はあるけど。
ティアローザが恥ずかしがるので、どんなことを言われたんだと心配したじゃないか。
それなら僕も覚えてなくて納得した。普通の挨拶の場面だもの。
「まだ続きがありますの。綺麗な花に誘われてここへ来てみれば花の妖精に見え、近付けば何と愛らしい天使様かと。その白いドレスがとてもお似合いですね。って! ああ恥ずかしいわ!」
ティアローザは最後まで一息に言い切ると、両手で顔を覆い悶えるように左右に体を揺らした。
有り得ない。あのルカが…? 特にあの頃はまだ十にも満たない幼い自分らに、年上の令嬢達までがしつこくて、よく庭園に逃げ出していた。
ルカは追いかけチヤホヤと纏わりつく令嬢達を心底嫌がっていたし、凄い冷たい対応をしていたと記憶している。
「あ、思い出しましたわ。お兄様は少し距離があったのか追いついて来て、私に白いドレスを汚すと落とすのが大変だってメイドが嘆いてたぞって言ったのよ。」
「じゃあ記憶にない訳だ。訊いてないんだもの。」
まだ頬に赤みを残したティアローザ。
あの頃のルカに苦笑しつつ、納得するエミリオ。
「それで、ティアはどうかな? ルカリオンは。
実は、もう父と母の許可は得ていてね。ティアの婚約者としてほぼ決定なんだけど。
ティアが嫌なら、また別の人間を探してくる。
僕の昔からの友人で最も信頼する側近だから一番最初に選ばれたし、婚約の許可に誰も異を唱えなかったからね。」
「ルカリオン・コルベール公爵令息様と、婚約いたしますわ! コルベール公爵令息様がお嫌でないのでしたら…ですけれど。」
「嫌なものか。大喜びしていたよ。」
長い付き合いの僕だけが知る反応を見て判断しただけだけど。
「……それなら、安心いたしました。周りが騒ぎ立てたので頭がおかしくなった王女
と思われて嫌がられていたらと…不安でしたの。」
「…早めにその噂は消しておく。王と王妃のご乱心に差し替えとくよ。親ばかの暴走ってね。王と王妃のイメージなんてしるか。」
ニヤリと笑うエミリオに、ティアローザも同意するようにニヤリと笑った。
似た者兄妹かもしれない。
「じゃ、ティアが同意したと伝えてくるよ。そのまま婚約式の日程まで決めてしまうけどいいかい?」
「っ…! ええ、お願いします。」
また頬を赤く染めた妹を見遣り、兄王子エミリオは嬉しそうな笑い声をあげた。
ここは、宮の中においても妹のプライベートな私室。
今までもここに通された来たけれど、今回、もしかしたら応接室へと通されるのではないのか不安だったのだ。
王女宮に招待されるような貴族夫人はそれほど多くはないが、それでも付き合いというものがあり、王妃の繋がりで定期的に高位貴族夫人が令嬢を伴って宮へ来る事があるのだ。
それに王家御用達の外商をする商人たち等も応接室に通されている。
というわけで、大して親しくない者でも通される応接室ではなく、妹ティアローザの私室に通された事で自分が妹の怒りの対象内で無いことが分かってホッとしたのだった。
「それでリオ兄様、政務が山のように積み上げられ毎日逃げたいと嘆かれる程にお忙しいお兄様が、わざわざ私の所へ来られる程の大変な御用がお有りなのですか?」
ティアローザの言葉の棘がチクチクと刺さる。
(これは、僕に対しても少し怒ってそうだなぁ…)
それもそうか、父と母があの詐欺祈祷師を呼ぶことを止められなかったし、暴走してるなぁと思ったけれど(ちょっとだけ面白い)と思って本気で止めようとはしていなかったから。
娘が醜い婚約者でいいと言ったくらいで大騒ぎし過ぎなんだよ、親ばかどもめ。
王と王妃の暴走を諌めようとする真っ当な臣下たちに「まぁちょっと様子見したら?」と進言したのもバレてるのかもしれない。
あれ? 僕なんで許されたんだ? 結構やらかしてない?
「用があったら、来てはいけないのかい?」
令嬢達の甲高い悲鳴を独占する微笑みを浮かべてみせる。
「フッ、妹のわたくしに、リオ兄様のその笑みが通用すると思ってますの?」
ティアローザに鼻で笑われてしまった。
「ははっ、手厳しいな。用が無くてもティアローザに会いに来たいし来るつもりだけれど、今日はティアが喜ぶものを持ってきたよ。」
「喜ぶもの…?」
疑り深い眼差しを僕に向けると「私の欲しいものですか?」と訊いてくる。
「今、一番欲しそうなものだとは思うけれど。違ったかな?」
そう言いながら釣書を掲げ軽く振ってみせた。
ティアローザの瞳がカッと見開かれる。
「そのような事を仰って、お父様たちが持って来たような令息たちなら、わたくしはリオ兄様としばらく口をきかないつもりですけれど。よろしいの?」
「口をきかないのは堪えるからやめてほしいが、きっと気に入ってくれると信じて持って来たから、ティアに喜んで貰えると嬉しい。」
ティアローザに釣書を差し出し、それを受け取り開くのを見守る。
「まぁ…この方は!」
ティアローザはハッとしたように驚き、顔を上げた。
「この方ってこのような容姿の方でした? お兄様と昔から懇意にしておられてお付き合いの長い公爵令息様じゃないですか?」
絵姿の下に情報が細かく書いてあるので、それに目を落とし読み進めるティアローザ。
「ええ、間違いないわ。お名前もルカリオン・コルベール公爵令息様ですし。
嫡男という所も同じですわ…。
何がおありになったのかしら、ご病気だと訊いた事はない気がいたしますのに。
こんなに痩せて…。」
酷く心配するティアローザにエミリオはおや? と思う。
「ティアは挨拶程度しかルカとの接点は無かった気がするけれど、どこかで接点があった?」
「いえ、ご挨拶だけですわ。その時に仰ってくれた言葉が印象的で、ステキな方だなとは思っていましたの。」
「へぇ…あのルカがねぇ」
詩的な事でも言われたか? いやでも、あの令嬢にブリザード吹かせていたルカだぞ? 僕の妹だからといってもやりそうにないが。
「あの頃、わたくし天使になりたくて。」
ティアローザが何て? エミリオはきょとんして目を丸くする。
天使といったか? 確かに昔は白くてフリフリしたドレスばかりを着ていた気がするが。
「天使…」
「ええ、天使様が出てくる本を読んで、どうにかして自分も天使になれないかと頑張っていた時期があるんですの。」
幼い自分の夢を今更に兄に語っているのが気恥ずかしく、少し頬を染めふふっと可憐に笑うティアローザ。
( うん、確かに今からでも天使になれそうな可愛さではある。)
「庭園で、お花に囲まれて空を見上げて、私を天使にさせて下さいって祈っていた時、たまたまお兄様とコルベール公爵令息様が庭を散策されていて、お会いした時に――――」
急に口を噤むと、更に頬を染め上げ、もじもじとするティアローザ。
「時に?」
「…言わなきゃダメかしら。今、話しながら思い返したら恥ずかしくなってきましたわ。」
「僕にその記憶が無いのだけれど、そこに僕はいたの?」
「リオ兄様も居ましたわよ? え、居なかったかしら…?」
混乱したように視線を俯かせ「いや…あれは…でも…」と呟くティアローザ。
「ティア、それで何て言われたの?」
続きが気になるエミリオはティアローザを促す。
「…王女殿下でしたか、天使様だと思いました。お初にお目に掛かります。コルベール公爵家のルカリオンと申します。以後お見知りおき下さい。と仰ったの。」
あれ、普通だな? 天使様という単語はあるけど。
ティアローザが恥ずかしがるので、どんなことを言われたんだと心配したじゃないか。
それなら僕も覚えてなくて納得した。普通の挨拶の場面だもの。
「まだ続きがありますの。綺麗な花に誘われてここへ来てみれば花の妖精に見え、近付けば何と愛らしい天使様かと。その白いドレスがとてもお似合いですね。って! ああ恥ずかしいわ!」
ティアローザは最後まで一息に言い切ると、両手で顔を覆い悶えるように左右に体を揺らした。
有り得ない。あのルカが…? 特にあの頃はまだ十にも満たない幼い自分らに、年上の令嬢達までがしつこくて、よく庭園に逃げ出していた。
ルカは追いかけチヤホヤと纏わりつく令嬢達を心底嫌がっていたし、凄い冷たい対応をしていたと記憶している。
「あ、思い出しましたわ。お兄様は少し距離があったのか追いついて来て、私に白いドレスを汚すと落とすのが大変だってメイドが嘆いてたぞって言ったのよ。」
「じゃあ記憶にない訳だ。訊いてないんだもの。」
まだ頬に赤みを残したティアローザ。
あの頃のルカに苦笑しつつ、納得するエミリオ。
「それで、ティアはどうかな? ルカリオンは。
実は、もう父と母の許可は得ていてね。ティアの婚約者としてほぼ決定なんだけど。
ティアが嫌なら、また別の人間を探してくる。
僕の昔からの友人で最も信頼する側近だから一番最初に選ばれたし、婚約の許可に誰も異を唱えなかったからね。」
「ルカリオン・コルベール公爵令息様と、婚約いたしますわ! コルベール公爵令息様がお嫌でないのでしたら…ですけれど。」
「嫌なものか。大喜びしていたよ。」
長い付き合いの僕だけが知る反応を見て判断しただけだけど。
「……それなら、安心いたしました。周りが騒ぎ立てたので頭がおかしくなった王女
と思われて嫌がられていたらと…不安でしたの。」
「…早めにその噂は消しておく。王と王妃のご乱心に差し替えとくよ。親ばかの暴走ってね。王と王妃のイメージなんてしるか。」
ニヤリと笑うエミリオに、ティアローザも同意するようにニヤリと笑った。
似た者兄妹かもしれない。
「じゃ、ティアが同意したと伝えてくるよ。そのまま婚約式の日程まで決めてしまうけどいいかい?」
「っ…! ええ、お願いします。」
また頬を赤く染めた妹を見遣り、兄王子エミリオは嬉しそうな笑い声をあげた。
10
お気に入りに追加
668
あなたにおすすめの小説
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
キスの練習台
菅井群青
恋愛
「──ちょっとクチ貸せや」
「……ツラ貸せやじゃないの?」
幼馴染の腐れ縁から酒の席で突然の提案を受け、なぜかいい大人がキスの練習台になってしまうことになった。
どうやら歴代彼女にキスが下手という理由でフラれまくるというなんとも不憫な男と……キスは手を繋ぐのと一緒のようなモンだといい恋心をかくしている女の話。
※本編完結しました
※番外編完結しました(2019/06/19)
婚姻初日、「好きになることはない」と宣言された公爵家の姫は、英雄騎士の夫を翻弄する~夫は家庭内で私を見つめていますが~
扇 レンナ
恋愛
公爵令嬢のローゼリーンは1年前の戦にて、英雄となった騎士バーグフリートの元に嫁ぐこととなる。それは、彼が褒賞としてローゼリーンを望んだからだ。
公爵令嬢である以上に国王の姪っ子という立場を持つローゼリーンは、母譲りの美貌から『宝石姫』と呼ばれている。
はっきりと言って、全く釣り合わない結婚だ。それでも、王家の血を引く者として、ローゼリーンはバーグフリートの元に嫁ぐことに。
しかし、婚姻初日。晩餐の際に彼が告げたのは、予想もしていない言葉だった。
拗らせストーカータイプの英雄騎士(26)×『宝石姫』と名高い公爵令嬢(21)のすれ違いラブコメ。
▼掲載先→アルファポリス、小説家になろう、エブリスタ
拝啓、大切なあなたへ
茂栖 もす
恋愛
それはある日のこと、絶望の底にいたトゥラウム宛てに一通の手紙が届いた。
差出人はエリア。突然、別れを告げた恋人だった。
そこには、衝撃的な事実が書かれていて───
手紙を受け取った瞬間から、トゥラウムとエリアの終わってしまったはずの恋が再び動き始めた。
これは、一通の手紙から始まる物語。【再会】をテーマにした短編で、5話で完結です。
※以前、別PNで、小説家になろう様に投稿したものですが、今回、アルファポリス様用に加筆修正して投稿しています。
突っ走った後に道はできる!「改稿版」
大鳥 俊
恋愛
今日は待ちに待ったお見合いの日!
元気な笑顔がチャームポイントの彼とやっとの思いでこぎつけた縁談話に、心を躍らせるビアンカ。
しかし、彼女の前に現れたのは……?
髭? 眼鏡の似合う男性? お呼びじゃありません!!
猪突猛進、おせっかいな男爵令嬢のお見合いの行く末は!?
*勢いを大事にしてます。設定の甘さはご容赦ください。全13話。
*こちらのお話は「アルファポリス」さんと「なろう」さんのみに掲載です。
ボロボロに傷ついた令嬢は初恋の彼の心に刻まれた
ミカン♬
恋愛
10歳の時に初恋のセルリアン王子を暗殺者から庇って傷ついたアリシアは、王家が責任を持ってセルリアンの婚約者とする約束であったが、幼馴染を溺愛するセルリアンは承知しなかった。
やがて婚約の話は消えてアリシアに残ったのは傷物令嬢という不名誉な二つ名だけだった。
ボロボロに傷ついていくアリシアを同情しつつ何も出来ないセルリアンは冷酷王子とよばれ、幼馴染のナターシャと婚約を果たすが互いに憂いを隠せないのであった。
一方、王家の陰謀に気づいたアリシアは密かに復讐を決心したのだった。
2024.01.05 あけおめです!後日談を追加しました。ヒマつぶしに読んで頂けると嬉しいです。
フワっと設定です。他サイトにも投稿中です。
女官になるはずだった妃
夜空 筒
恋愛
女官になる。
そう聞いていたはずなのに。
あれよあれよという間に、着飾られた私は自国の皇帝の妃の一人になっていた。
しかし、皇帝のお迎えもなく
「忙しいから、もう後宮に入っていいよ」
そんなノリの言葉を彼の側近から賜って後宮入りした私。
秘書省監のならびに本の虫である父を持つ、そんな私も無類の読書好き。
朝議が始まる早朝に、私は父が働く文徳楼に通っている。
そこで好きな著者の本を借りては、殿舎に籠る毎日。
皇帝のお渡りもないし、既に皇后に一番近い妃もいる。
縁付くには程遠い私が、ある日を境に平穏だった日常を壊される羽目になる。
誰とも褥を共にしない皇帝と、女官になるつもりで入ってきた本の虫妃の話。
更新はまばらですが、完結させたいとは思っています。
多分…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる