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25話
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~あいside~
「ルーナ!!」
テレポートをしてすぐに名前を呼ぶ。
「あっ、あいお姉ちゃん!」
そして気づいたルーナが走って抱きついてきた。
「大丈夫?」
「うん、でも…」
ルーナの視線をたどると懐かしいクラスメイトの姿があった。
「みんな、どうして…」
「あいちゃん!無事だったんだね!」
クラスの女子達が周りに集まってくる。
そしてその後ろには男子の集団。
さらに後ろからは魔法を使っているようなドンッ、という重い音が響いてくる。
「どういう状況なの?」
と質問すると戸惑いながらもルーナが説明してくれた。
「このお姉さん達がお腹を空かせていたから分けてあげようとしてたんだけど、急に角の生えた生き物が現れてお兄ちゃんが戦い始めたの。
1回倒したと思ったら叫びながらまた立ち上がって…」
そしてクラスメイトが補足してくれる。
「実は、恵太の言葉が相手を侮辱したと勘違いされて」
するとまだ話している途中なのに音のする方から木が飛んできた。
「キャーッ!!」
女子たちが悲鳴をあげる中、あいが魔法を発動して木をはじき飛ばした。
「大丈夫?」
「あっ…ありがとう」
「このままだと村が危ないよね」
そう言って村全体を囲むような結界をはった。
「みんな危ないから結界の中にいて!」
様子を見に来た村の人達にも伝わるように、大きな声で呼びかける。
(さて、どうするか…)
「あい!」
この後どうやって戦闘を止めようかと考えているとアリーシアさんやあやか達がテレポートしてきた。
「みんな、アリーシアさんも」
「どういう状況?」
「えっと、あれを止めてくるんで説明は任せます」
決して説明がめんどくさくて逃げた訳では無い。
まだ考えはまとまっていなかったが、とりあえず説明をクラスメイト達に任せて恵太が戦っている付近にテレポートした。
近くで見るとすごい迫力である。
だが、そんなものは関係ない。
村の迷惑になっていることくらい気づけよと思いながら、2人のちょうどど真ん中に魔法をお見舞した。
1度戦闘が止まり、2人の視線があいに向く。
「村の迷惑になるからよそでやってくれない?」
「「なんだと?」」
えっ、なんでハモるの?
もしかして以外と息が合う奴らなのかな…
すると急に魔族の近くの空間が歪み、そこからまさに『魔王』という雰囲気を出す男が現れた。
「様子を見るだけなのにこんなに時間がかかるのか?」
「魔王様、申し訳ございません」
うん、やっぱり魔王だった。
なんかめんどくさいことになったなぁとぼんやりやり取りを眺めていると、魔王と目が合う。
「お前面白いな」
その言葉を最後に視界が暗くなった。
「ルーナ!!」
テレポートをしてすぐに名前を呼ぶ。
「あっ、あいお姉ちゃん!」
そして気づいたルーナが走って抱きついてきた。
「大丈夫?」
「うん、でも…」
ルーナの視線をたどると懐かしいクラスメイトの姿があった。
「みんな、どうして…」
「あいちゃん!無事だったんだね!」
クラスの女子達が周りに集まってくる。
そしてその後ろには男子の集団。
さらに後ろからは魔法を使っているようなドンッ、という重い音が響いてくる。
「どういう状況なの?」
と質問すると戸惑いながらもルーナが説明してくれた。
「このお姉さん達がお腹を空かせていたから分けてあげようとしてたんだけど、急に角の生えた生き物が現れてお兄ちゃんが戦い始めたの。
1回倒したと思ったら叫びながらまた立ち上がって…」
そしてクラスメイトが補足してくれる。
「実は、恵太の言葉が相手を侮辱したと勘違いされて」
するとまだ話している途中なのに音のする方から木が飛んできた。
「キャーッ!!」
女子たちが悲鳴をあげる中、あいが魔法を発動して木をはじき飛ばした。
「大丈夫?」
「あっ…ありがとう」
「このままだと村が危ないよね」
そう言って村全体を囲むような結界をはった。
「みんな危ないから結界の中にいて!」
様子を見に来た村の人達にも伝わるように、大きな声で呼びかける。
(さて、どうするか…)
「あい!」
この後どうやって戦闘を止めようかと考えているとアリーシアさんやあやか達がテレポートしてきた。
「みんな、アリーシアさんも」
「どういう状況?」
「えっと、あれを止めてくるんで説明は任せます」
決して説明がめんどくさくて逃げた訳では無い。
まだ考えはまとまっていなかったが、とりあえず説明をクラスメイト達に任せて恵太が戦っている付近にテレポートした。
近くで見るとすごい迫力である。
だが、そんなものは関係ない。
村の迷惑になっていることくらい気づけよと思いながら、2人のちょうどど真ん中に魔法をお見舞した。
1度戦闘が止まり、2人の視線があいに向く。
「村の迷惑になるからよそでやってくれない?」
「「なんだと?」」
えっ、なんでハモるの?
もしかして以外と息が合う奴らなのかな…
すると急に魔族の近くの空間が歪み、そこからまさに『魔王』という雰囲気を出す男が現れた。
「様子を見るだけなのにこんなに時間がかかるのか?」
「魔王様、申し訳ございません」
うん、やっぱり魔王だった。
なんかめんどくさいことになったなぁとぼんやりやり取りを眺めていると、魔王と目が合う。
「お前面白いな」
その言葉を最後に視界が暗くなった。
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