クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚

文字の大きさ
上 下
14 / 36

14話

しおりを挟む
「謁見、ですか」

 まぁそれがテンプレってやつだよねと心の中で納得する。

「あぁ、だが安心して欲しい。
決して国のために何かをして欲しいなどという気持ちはない。
ただ村を救ってくれたことに感謝するだけだ」

「それなら謁見なんて大掛かりなことしなくて良くないですか?」

 と、つい睨みを利かせて言ってしまった。

「……俺たちは到着するのが遅かった。
もしかしたら村の人達は全員犠牲になっていたかもしれない」

「まぁ確かにそうですけど「グゥ~」」

 なかなか納得しないあいの言葉を遮り、誰かのお腹の音が聞こえた。

「あはは、ごめんお腹すいちゃって」

 正体はあやかのお腹だった。
 ちなみにあい達は昨日の夜から何も食べていない。
 夜はあいが寝てしまったため、もう寝ようということになり食べることを忘れていた。
 そして朝は早い出発と、被害を受けた村のことを考え、ご飯は食べずに出てきた。
 
「…そういえばご飯食べてないね」

「この辺で止まってご飯にするか」

 そして騎士団一行はご飯のために止まる。

「具材とかあるんですか?」

「あぁ、あと2日分はあるがどちらもただのスープだな。
こういう時はだいたいスープだけのことが多いんだ」

「あい、なんか包丁みたいなやつ作れない?」

 急にあやかが物騒なことを言い出した。

「えっ、なんで?」

「いや、私のスキルって料理じゃん?
この世界に来てからなんの役にも立ててないし、ここが腕の見せどころだと思って…」

「あーそういうことなら」

 と、あいは変身して包丁を作ってあげる。

(毎回変身するのめんどくさいな。
でも変身とかないとずっとアリーシアの姿だし…
そうだ!アリーシアも自分でキャラを作ってたんだから自分もそうしよ!)

「私近くに食材ないか探してきますね」

 と、あいが考えている間にあやかが行ってしまった。
 すると気配察知をしていたまさとがあることに気づく。

「あっちに1キロくらい行ったところに動物の群れがある」

 すると少し離れていたあやかが急に方向転換。
 目をキラキラさせて戻ってきた。 

「まじで?!」

 そしてあいも魔法を発動する。

「サンポークっていう動物の群れだって」

「サンポーク……あった。
食べれるっぽい、てゆうか焼くとめっちゃ美味しいらしいよ」
 
 とこうすけもスキルを使って調べる。

「おー、食料発見!行ってくるー!」

 あやかは食べられると聞くと走り出してしまった。

「なんか、あやか人格変わってない?」

 普段大人しいはずのあやかがこんなにはしゃいでいるのは珍しい。

(鑑定)
山崎あやか
空腹状態
…空腹状態になると自動的にスキルが発動し、食料となるものを探し回る。


 あっ………そういうことか
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

7個のチート能力は貰いますが、6個は別に必要ありません

ひむよ
ファンタジー
「お詫びとしてどんな力でも与えてやろう」 目が覚めると目の前のおっさんにいきなりそんな言葉をかけられた藤城 皐月。 この言葉の意味を説明され、結果皐月は7個の能力を手に入れた。 だが、皐月にとってはこの内6個はおまけに過ぎない。皐月にとって最も必要なのは自分で考えたスキルだけだ。 だが、皐月は貰えるものはもらうという精神一応7個貰った。 そんな皐月が異世界を安全に楽しむ物語。 人気ランキング2位に載っていました。 hotランキング1位に載っていました。 ありがとうございます。

石しか生成出来ないと追放されましたが、それでOKです!

うどん五段
ファンタジー
夏祭り中に異世界召喚に巻き込まれた、ただの一般人の桜木ユリ。 皆がそれぞれ素晴らしいスキルを持っている中、桜木の持つスキルは【石を出す程度の力】しかなく、余りにも貧相なそれは皆に笑われて城から金だけ受け取り追い出される。 この国ではもう直ぐ戦争が始まるらしい……。 召喚された3人は戦うスキルを持っていて、桜木だけが【石を出す程度の能力】……。 確かに貧相だけれど――と思っていたが、意外と強いスキルだったようで!? 「こうなったらこの国を抜け出して平和な国で就職よ!」 気合いを入れ直した桜木は、商業ギルド相手に提案し、国を出て違う場所で新生活を送る事になるのだが、辿り着いた国にて、とある家族と出会う事となる――。 ★暫く書き溜めが結構あるので、一日三回更新していきます! 応援よろしくお願いします! ★カクヨム・小説家になろう・アルファポリスで連載中です。 中国でコピーされていたので自衛です。 「天安門事件」

きっと幸せな異世界生活

スノウ
ファンタジー
   神の手違いで日本人として15年間生きてきた倉本カノン。彼女は暴走トラックに轢かれて生死の境を彷徨い、魂の状態で女神のもとに喚ばれてしまう。女神の説明によれば、カノンは本来異世界レメイアで生まれるはずの魂であり、転生神の手違いで魂が入れ替わってしまっていたのだという。  そして、本来カノンとして日本で生まれるはずだった魂は異世界レメイアで生きており、カノンの事故とほぼ同時刻に真冬の川に転落して流され、仮死状態になっているという。  時を同じくして肉体から魂が離れようとしている2人の少女。2つの魂をあるべき器に戻せるたった一度のチャンスを神は見逃さず、実行に移すべく動き出すのだった。  女神の導きで新生活を送ることになったカノンの未来は…?  毎日12時頃に投稿します。   ─────────────────  いいね、お気に入りをくださった方、どうもありがとうございます。  とても励みになります。

【☆完結☆】転生箱庭師は引き籠り人生を送りたい

うどん五段
ファンタジー
昔やっていたゲームに、大型アップデートで追加されたソレは、小さな箱庭の様だった。 ビーチがあって、畑があって、釣り堀があって、伐採も出来れば採掘も出来る。 ビーチには人が軽く住めるくらいの広さがあって、畑は枯れず、釣りも伐採も発掘もレベルが上がれば上がる程、レアリティの高いものが取れる仕組みだった。 時折、海から流れつくアイテムは、ハズレだったり当たりだったり、クジを引いてる気分で楽しかった。 だから――。 「リディア・マルシャン様のスキルは――箱庭師です」 異世界転生したわたくし、リディアは――そんな箱庭を目指しますわ! ============ 小説家になろうにも上げています。 一気に更新させて頂きました。 中国でコピーされていたので自衛です。 「天安門事件」

【 完 結 】スキル無しで婚約破棄されたけれど、実は特殊スキル持ちですから!

しずもり
ファンタジー
この国オーガスタの国民は6歳になると女神様からスキルを授かる。 けれど、第一王子レオンハルト殿下の婚約者であるマリエッタ・ルーデンブルグ公爵令嬢は『スキル無し』判定を受けたと言われ、第一王子の婚約者という妬みや僻みもあり嘲笑されている。 そしてある理由で第一王子から蔑ろにされている事も令嬢たちから見下される原因にもなっていた。 そして王家主催の夜会で事は起こった。 第一王子が『スキル無し』を理由に婚約破棄を婚約者に言い渡したのだ。 そして彼は8歳の頃に出会い、学園で再会したという初恋の人ルナティアと婚約するのだと宣言した。 しかし『スキル無し』の筈のマリエッタは本当はスキル持ちであり、実は彼女のスキルは、、、、。 全12話 ご都合主義のゆるゆる設定です。 言葉遣いや言葉は現代風の部分もあります。 登場人物へのざまぁはほぼ無いです。 魔法、スキルの内容については独自設定になっています。 誤字脱字、言葉間違いなどあると思います。見つかり次第、修正していますがご容赦下さいませ。

余命半年のはずが?異世界生活始めます

ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明… 不運が重なり、途方に暮れていると… 確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。

異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

処理中です...