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6話
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あいはジャイアントベアーの攻撃を避けながらどうすればいいのか考えていた。
倒すのは簡単だが、生き物を殺すのはあいの信念に反することだったからである。
あいは日本にいる時、女子が悲鳴をあげながら殺してしまうような小さな虫でも逃がしてあげていた。
虫が好きという訳でもないが、嫌いな訳でもなく、ただ単に生きる物の命を奪うことが許せないのである。
たとえ人に害を与えるような生き物であっても。
そんなことを悩むこと数分、その間ずっと攻撃を避け続けていたが、ふと、あることを思い出した。
(ステータス)
加藤あい(16)☆
スキル 変身
魔力量 100000
HP 1000
体力 1000
詳細
スキルを1度使用すると魔力を50消費する。
変身後は魔力以外が適応される。
変身後に魔法を使う場合、魔力が消費される。
消費される魔力は魔法の難易度によって変わる。
動物に好かれやすい体質。
動物と対話できる。
...…の加護……ち。
(やっぱり動物と対話できるんだ)
転移した時の得点だろうか。
よく見ると色々と細かい説明が載っている。
未だに文字化けしているところもあるが、今は置いておこう。
「くまさーん、1回落ち着きましょー」
早速対話を心がけてみるも、全く反応がない。
声が聞こえていないのだろうか。
(どうしよう、殺すのはやっぱりダメだし。
鑑定で倒し方とか出てこないのかなぁ…)
そんなことを思っていると、ブォンという音とともに画面が出てきた。
ジャイアントベアー(闇)
闇の力を持っているため凶暴化。
倒すには首を切って燃やすか浄化する必要がある。
闇に支配されている生き物は対話ができない。
(うわぁー、すんごい便利じゃん!
ということはこのくまさんは闇に支配されてるってことね。
対話できないのもそれが原因なんだ)
するとあいの頭に声が響いてきた。
『たす、け、て……』
「えっ? 誰の声?」
『助けて、もう誰も傷つけたくない。
嫌だ。助けて』
それはジャイアントベアーの声だった。
闇に支配されていると言っても、まだ心の奥の方に自我が残っていたのだ。
その声はとても弱々しく、今にも消えてしまいそうな声だった。
「まってて、今楽にしてあげる」
あいは攻撃をかわすのと同時に、遠くへと下がった。
そして魔法を発動する。
「浄化」
あいの一言でジャイアントベアーの周りが光り輝いた。
とても暖かく、安心する光。
その光は森全体に広がり、ジャイアントベアーが暴れて倒してしまった木々も元通りになった。
光が収まると、そこには体の小さいくまが倒れていた。
━━━━━━━━━━━━━━━
こんばんは!
お読み下さりありがとうございます!
この話の後不定期更新となります。
週2、3くらいであげれるよう頑張ります。
土日に一気にあげるかも…
ちなみにあいが変身しているアリーシア・カルター二は前作の主人公です。
ぜひ前の作品も読んでくださると嬉しいです!
(完結済み)
よろしくお願いします!
倒すのは簡単だが、生き物を殺すのはあいの信念に反することだったからである。
あいは日本にいる時、女子が悲鳴をあげながら殺してしまうような小さな虫でも逃がしてあげていた。
虫が好きという訳でもないが、嫌いな訳でもなく、ただ単に生きる物の命を奪うことが許せないのである。
たとえ人に害を与えるような生き物であっても。
そんなことを悩むこと数分、その間ずっと攻撃を避け続けていたが、ふと、あることを思い出した。
(ステータス)
加藤あい(16)☆
スキル 変身
魔力量 100000
HP 1000
体力 1000
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スキルを1度使用すると魔力を50消費する。
変身後は魔力以外が適応される。
変身後に魔法を使う場合、魔力が消費される。
消費される魔力は魔法の難易度によって変わる。
動物に好かれやすい体質。
動物と対話できる。
...…の加護……ち。
(やっぱり動物と対話できるんだ)
転移した時の得点だろうか。
よく見ると色々と細かい説明が載っている。
未だに文字化けしているところもあるが、今は置いておこう。
「くまさーん、1回落ち着きましょー」
早速対話を心がけてみるも、全く反応がない。
声が聞こえていないのだろうか。
(どうしよう、殺すのはやっぱりダメだし。
鑑定で倒し方とか出てこないのかなぁ…)
そんなことを思っていると、ブォンという音とともに画面が出てきた。
ジャイアントベアー(闇)
闇の力を持っているため凶暴化。
倒すには首を切って燃やすか浄化する必要がある。
闇に支配されている生き物は対話ができない。
(うわぁー、すんごい便利じゃん!
ということはこのくまさんは闇に支配されてるってことね。
対話できないのもそれが原因なんだ)
するとあいの頭に声が響いてきた。
『たす、け、て……』
「えっ? 誰の声?」
『助けて、もう誰も傷つけたくない。
嫌だ。助けて』
それはジャイアントベアーの声だった。
闇に支配されていると言っても、まだ心の奥の方に自我が残っていたのだ。
その声はとても弱々しく、今にも消えてしまいそうな声だった。
「まってて、今楽にしてあげる」
あいは攻撃をかわすのと同時に、遠くへと下がった。
そして魔法を発動する。
「浄化」
あいの一言でジャイアントベアーの周りが光り輝いた。
とても暖かく、安心する光。
その光は森全体に広がり、ジャイアントベアーが暴れて倒してしまった木々も元通りになった。
光が収まると、そこには体の小さいくまが倒れていた。
━━━━━━━━━━━━━━━
こんばんは!
お読み下さりありがとうございます!
この話の後不定期更新となります。
週2、3くらいであげれるよう頑張ります。
土日に一気にあげるかも…
ちなみにあいが変身しているアリーシア・カルター二は前作の主人公です。
ぜひ前の作品も読んでくださると嬉しいです!
(完結済み)
よろしくお願いします!
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