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第一章〜はじまりの森〜
声の正体
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『怖がらなくていいよ。さぁ、隠れてないで出ておいで』
バレてる。
聞こえてきたのは動物の声。
さっき聞こえていた人の声は全く聞こえなくなり、その気配は動物の後ろに集まっていた。
(どうしよう怖い、でも動物には悪い子なんていないし……)
覚悟を決めてゆっくりと立ち上がり、声の聞こえた方を向く。
茂みから出ると、そこには綺麗な毛並みの白馬が立っていた。
『こんばんは。可愛いお嬢さん』
白馬は一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに穏やかな笑顔で話しかけてくれる。
「こ、こんばんは」
「うわ、子供だ」
「なぜこんなところに」
「とりあえず保護した方がいいんじゃないか?」
白馬で隠れて見えないが、後ろには人間がたくさんいるようだった。
私が白馬に挨拶を返すとザワザワする。
怖くて咄嗟に白馬に隠れるように立った。
するとその様子を見ていた白馬が鼻を擦り寄せて来た。
『あの人達は僕の仲間なんだ。とっても強いし優しい人達だから安心していいよ』
「ほんとに?」
『うん』
馬さんがこう言ってるんだからちょっとは安心してもいいのかもしれない。
するとザワザワしていた人達の中から1人だけこちらに近づいて来て、私の前に少し距離をとってしゃがむ。
近くで見ると騎士のような服装をしているとてもかっこいい人だった。
「こんばんは。私はオリバー。この騎士団の団長をしている。君は?」
「カナ……です」
「カナか、いい名前だな。その馬かっこいいだろう? 俺の相棒なんだよ」
オリバーと名乗った団長さんは馬を撫でながらこう言った。
私と団長さんの間に馬が、そして団長さんの後ろには騎士団の人達がこちらの様子を伺うように立っている。
『カナはどうして森にいるの?』
オリバーさんに撫でられながら馬が聞いてきた。
「……」
なんて答えればいいのか全然考えてなかった。
まさか転生して森で生活していたなんて答えられるわけない。
『とりあえず森は危険だ。僕たちと一緒に行動しよう』
返答に困っていると気を使ってくれたのか話を逸らしてくれた。
「でも……」
動物と人間は普通話せない。
馬がいいよと行っても騎士団の人達は状況が分からないだろう。
すると馬はオリバーさんを見つめた。
「あぁそうだな」
なぜかオリバーさんは相槌をうつ。
もしかしてちゃんと意思疎通できてるのかな。
「森は危ないから俺たちと一緒に行動しよう。大丈夫、何があっても俺たちが守る」
その言葉を聞くと、さっきまで堪えていた涙がまた溢れてきた。
怖かった、寂しかった。
前世では1人でも余裕で生活できたのに、なぜか今は1人が怖い。
オリバーさんは私が泣き止むまでそっと抱きしめてくれた。
バレてる。
聞こえてきたのは動物の声。
さっき聞こえていた人の声は全く聞こえなくなり、その気配は動物の後ろに集まっていた。
(どうしよう怖い、でも動物には悪い子なんていないし……)
覚悟を決めてゆっくりと立ち上がり、声の聞こえた方を向く。
茂みから出ると、そこには綺麗な毛並みの白馬が立っていた。
『こんばんは。可愛いお嬢さん』
白馬は一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに穏やかな笑顔で話しかけてくれる。
「こ、こんばんは」
「うわ、子供だ」
「なぜこんなところに」
「とりあえず保護した方がいいんじゃないか?」
白馬で隠れて見えないが、後ろには人間がたくさんいるようだった。
私が白馬に挨拶を返すとザワザワする。
怖くて咄嗟に白馬に隠れるように立った。
するとその様子を見ていた白馬が鼻を擦り寄せて来た。
『あの人達は僕の仲間なんだ。とっても強いし優しい人達だから安心していいよ』
「ほんとに?」
『うん』
馬さんがこう言ってるんだからちょっとは安心してもいいのかもしれない。
するとザワザワしていた人達の中から1人だけこちらに近づいて来て、私の前に少し距離をとってしゃがむ。
近くで見ると騎士のような服装をしているとてもかっこいい人だった。
「こんばんは。私はオリバー。この騎士団の団長をしている。君は?」
「カナ……です」
「カナか、いい名前だな。その馬かっこいいだろう? 俺の相棒なんだよ」
オリバーと名乗った団長さんは馬を撫でながらこう言った。
私と団長さんの間に馬が、そして団長さんの後ろには騎士団の人達がこちらの様子を伺うように立っている。
『カナはどうして森にいるの?』
オリバーさんに撫でられながら馬が聞いてきた。
「……」
なんて答えればいいのか全然考えてなかった。
まさか転生して森で生活していたなんて答えられるわけない。
『とりあえず森は危険だ。僕たちと一緒に行動しよう』
返答に困っていると気を使ってくれたのか話を逸らしてくれた。
「でも……」
動物と人間は普通話せない。
馬がいいよと行っても騎士団の人達は状況が分からないだろう。
すると馬はオリバーさんを見つめた。
「あぁそうだな」
なぜかオリバーさんは相槌をうつ。
もしかしてちゃんと意思疎通できてるのかな。
「森は危ないから俺たちと一緒に行動しよう。大丈夫、何があっても俺たちが守る」
その言葉を聞くと、さっきまで堪えていた涙がまた溢れてきた。
怖かった、寂しかった。
前世では1人でも余裕で生活できたのに、なぜか今は1人が怖い。
オリバーさんは私が泣き止むまでそっと抱きしめてくれた。
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