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第一章〜はじまりの森〜

さっそく飛んでみよう!

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 人間として生きてきたことに誇りを持っているけど、動物たちの思いを聞いてしまうと申し訳なさでいっぱいになった。
 それが顔に出ていたのだろう。
 
 そしてフェンリルは撫でながら話した。

『人間だって頑張って生きようとしていることはわかっている。我ら動物たちもそれを理解している。しょうがないことなのだ。お主がそんなに暗い顔をする必要はない』
『そうだよ~』

 めっちゃ気を使ってくれている。
 そうだよね、せっかくの新しい生活が暗いスタートなんて嫌だし、自分なりに考えて生きていこう!

『ありがとう。みんな優しいね』
『まあね~』
『それで、飛べるようになるまで面倒を見てほしいとあったが、飛び方はわかるのか?』
『うーん……どうだろう』

 と言いながら何となくで腕を動かしてみた。
 少しだけ体が浮く。

『なんだ、すぐコツを掴めそうではないか』

 フェンリルの言葉を聞きながら腕に力を込めてもう一度飛ぶ。
 すると足がしっかりと地面から離れ、飛んだと言える高さまで上昇することができた。 

『うわぁー! 飛べたー!』

 そう言いながら本当の鳥のように飛び回る。
──いや鳥だけどね。

 しばらくしてみんながいる近くの木に止まった。
 調子に乗って飛びすぎてしまった。
 少しだけ目が回る。
 でも実際に飛んでみてわかった。
 風に乗ればもっと少ない動作で飛べるような気がするし、楽しく飛べそう。
 飛び方にも工夫が沢山あって、これから楽しみだ。

『鳥さん飛んだね~』
『うん! すっごい楽しい!』
『あんなに飛んでて疲れないのか?』

 そう言われて自分が全然疲れていないことに気づいた。

『あっ……確かに全然疲れてない』

 鳥って飛ぶ時疲れないのかな? なんて考えちゃったけどそんなはずはない。
 そういえばステータスがえぐい事になってた気が……

『ステータス』

 そういうと前に見たものと同じものが出てくる。
 相変わらず目に入るのは魔力と体力の横にある∞の文字。
 道理で疲れないはずだわ。
 
 するとフェンリルが近づいてきた。

『見せてみろ』
『どうやって?』
『ステータスオープンと言えば見せたい相手に見せることができる』

 そしてフェンリルに自分のステータスを見せると5秒くらい固まってしまった。

『アルテミア様、これはさすがにやりすぎだ』
『うん、それは私も思った。でもあって損は無いからいいかなぁ……って』

 …………。

 長い沈黙が訪れた。

 しばらくしてフェンリルが話す。

『とりあえず日も沈んできたから今日は休もう』

 その言葉でやっと暗くなってきていることに気づいた。
 その日は鳥の姿のままフェンリルのお腹におっかかって寝た。

 毛がめっちゃふわふわしてて気持ちがいい。 
 久しぶりにあったかい布団に潜ったような感覚になり、いつの間にか寝てしまっていた。




──────────
見守っていたアルテミア様は……
「えっ、そんなにやばかったですか? うわーどうしようどうしよう」
と1人で焦っていました( ̄▽ ̄;)
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