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遅ればせながらの新入生歓迎会
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「一年のみんなーー!ようこそ高等部へ!!今日は新入生歓迎会パーティ。この2ヵ月間、少しずつ慣れてきたと思う。憧れの先輩がいる子はお近付きになれちゃうかもよ?」
体育館に豪華にセッティングされた立食パーティ。
まずまずのできだと思う。
各々がタキシードを着込み、楽しげに会話しながらもちらほらと一年は上級生や気になる同級生を観察したり、話し掛けたりしていた。
盛り上げ役の司会、早瀬もこういう時は使えるから、今回は俺も文句はない。
しかし、全体を見回してみて、少し疑問があった。
この学園は男が男に憧れるという異常な環境であるが、それは三年や二年だけで、一年にはないはずなのに……なぜ、一年の一部までもが女物のドレスを着ているのだろうか?
彼らの将来がいささか不安だ。等と余計なお世話を考えつつも、俺は幕越しから眺めていた。
この立食パーティで、一年を楽しませるという、伝統行事だが、今回は何やら俺がいない時に上役四人が画策をしていて、眉をしかめていた。
内容が分からない分、目を光らせるしかない。
しかし、ずっとこの場にいるわけにもいかない上に、お腹が減ったので俺は料理の並ぶテーブルにむかった。
ステージではあいさつが終わった早瀬が幕へ引っ込み、クラシックを流すために、オーケストラが楽器を奏で始めた。
俺は皿を片手に、料理を思いつくままにのせていった。
その間に、何人かの後輩やら上級生に囲まれたりしたが、問題はなかった。
このまま何事もなく終わって欲しいなと思っていたが、そうは問屋が卸さないらしい。
「桜様!!」
聞き慣れた声に後ろを振り向くと、そこには小柴が小走りで駆け寄ってきていた。
気のせいか、俺を先程まで囲んでいた可愛い系の子達を蹴散らしている。
「小柴…」
「はい、桜様」
何でドレスを着ている?
こてんと首を傾げている姿は非常に愛らしく、そのドレスも異様に似合っているから恐い。
無償に恐い。
俺はあえてその事に触れずに、誤魔化すようにたわいもない会話をする。
「これは中々の味ですよ。一応有名なだけありますね」
カナッペを手にして口に放り込んだ。クリームチーズと生ハムの相性は抜群だ。
「あ、本当だおいし」
小柴も俺にならって、カナッペを口に含み、もぐもぐしている。
その様子はリスみたいだった。
「あ~みな、歓迎会を楽しんでいてくれていると思う。今回生徒会上役により、ゲームを行う。ルールは簡単。この会場に生徒会がいつもつけているアクセサリーを隠しているそれを見つけた奴にはその持ち主からキスを贈ってやる」
いきなり真司先輩がステージに立ち、信じられない事を言い出した。
俺は聞いてない。
断じてこの企画を聞いてない。
というか、聞いていたら、反対していた。
キス。
男とキスなんて正気か?
いやもう、節操のないあの四人なら考えられるかもしれないが、誰が好き好んで、この企画にのるだろうか……
きゃぁーーーー!!!!
喜んでる!!物凄く喜んでいる!!
俺はぽかんんと口をあけて真司先輩達を見つめていた。
それに気がついた真司先輩は、俺を見て、にやと笑っていったのだ。
「アクセサリーは俺たち上役四人と、今回特別に事務員である桜庭姫のもある。リミットは一時間。それじゃぁ、ゲームスタートだ。」
そういうなやいなや、全員があちこち体育館でアクセサリーを探し始めた。
俺は聞き間違いだと思いたい。
「桜様、僕一生懸命さがしますね!」
小柴は目を輝かせて俺から離れていった。
俺の口元は引きつっているだろう。
なぜなら、俺の顔を見た奴らはぎょっとしたり、目を見開いて驚いているからだ。
「ふふ、少しずつ、慣れていこうね?」
さわっと、愛鵡先輩がさりげなく俺のお尻を触ってきて、俺は現実に引き戻された。
愛鵡先輩の手を取り、ぎちぎちと力を込める。
「これはどういう事ですか?」
「まぁまぁ、落ち着こうよ。桜姫。皆楽しそうにしてんだし」
「そうですよ。たかだかキスでしょう?桜先輩のバージンは俺が貰いますから安心してください」
「俺が貰うんだよ」
早瀬が人を食った笑みを浮かべて、こちらを見ている。
藤村と真司先輩のくだらない言葉はいつもの事だが、さすがに今回は無視も出来ない。
「確かに下半身の生き物のあなた方にはたかだかキスですけど、俺にとっては大問題ですよ。好きでもない奴にキスをするなんて真っ平ごめんです。というか、真司先輩と藤村は気が合うようなんですから、お互いのバージンを奪ったらどうです?」
そういうと、二人は嫌そうに顔をゆがめたが、それは無視をして、俺はため息をついた。
とんだ歓迎会だ。
しかしよくよく見ると、皆。
一年も二年も、三年も、手を組んだりして仲良くアクセサリーを探していた。
存外これは成功といえるのかもしれないが、自分が巻き込まれているのはいただけない。
しかも、キスだなんて。
絶対に嫌だ。
今更純情ぶるつもりは毛頭ないが、誰だって好きな人としたいと思う。
「見つけたーーーー!!」
「俺もー発見!!」
「きゃぁ、やったぁ!!!」
「よーーーーし」
次々と時間が迫るにつれて、アクセサリーが見つかっていく。
ついでに言えば、小柴が執念という名の元に、俺が愛用している腕時計を見つけた。
本人いわく、匂いがしたらしい。
ちょっと小柴に恐怖というか、言い知れないものを感じながら、俺はもう諦めて、傍観している事にした。
小柴ならそんなに問題もないだろうとの結論に達したからだ。
今のうちに食えるだけ食っておこうと、料理を食べていると、ガチ、と歯に何かが当たった。
口から取り出してみると、それは指輪だった。
嫌な予感。
まだアクセサリーが見つかってない人を思い出す。
「桜姫、私のを見つけてくれたんだね」
嬉しそうに愛鵡先輩が微笑んできた。
周りは悲鳴の嵐。
小柴はうるうると目を潤ませている。
俺は顔が蒼冷めてくる。
悪夢に等しい。
「…………これ、やめにするか」
ぽつりと真司先輩がいうと、早瀬や藤村が頷いてくるが、愛鵡先輩がマイクを手にしてそれは出来なかった。
その表情は今までに見たことがないくらいに輝いていた。
「では、ゲームを終了するよ。アクセサリーを見つけたものはステージに上がってくるように!!!」
一回も司会をした事がない愛鵡先輩が、やけにはりきっていた。
アクセサリーを見つけた奴らが、ステージに上ってくる。
真司先輩のお気に入りのカフスを持った可愛い男の子が、彼にアクセサリーを渡して、口にキスを貰って腰砕けになっていた。
次は早瀬。
早瀬の腕輪を持ったかっこいい子が頬にキスしてもらい、藤村はネックレスを受け取ると、自分よりがたいのいい男に複雑な顔をしながらキスを贈っていた。
俺も小柴に腕時計を受け取りながら、頬に軽くキスを送ってやった。
小柴は顔を赤くして頬に両手を当てていた。
「さて、最後は私ですね」
俺は指輪を渡そうとしたが、それごと愛鵡先輩に手を包まれた。
「これは私の家に代々伝わるものです。私は桜に持っていて欲しい……」
真剣な目で俺を見つめてきて、手を口元に持ってきてキスをする。
こんな大勢の前で恥ずかしい。
そう頭で思いながらも何だか手を振り払う事ができなくて、俺は愛鵡先輩の綺麗な顔を見つめていた。
ゆっくりと彼の顔が近づいてきて、優しく唇を重ねてくる。
俺はそれと同時に目を閉じて、それを受け入れた。
盛大な絶叫が飛び交う中、唇が離れると、俺は夢から覚めたように愛鵡先輩から離れて、ステージから去っていった。
動機が激しく、胸が高鳴っている。
それと振動するように、手に握られた指輪が何かを訴えているように熱く感じた。
終幕
次回予告
とうとうあの方が高等部に登場!!
どうなる桜姫!?
2017.0417
体育館に豪華にセッティングされた立食パーティ。
まずまずのできだと思う。
各々がタキシードを着込み、楽しげに会話しながらもちらほらと一年は上級生や気になる同級生を観察したり、話し掛けたりしていた。
盛り上げ役の司会、早瀬もこういう時は使えるから、今回は俺も文句はない。
しかし、全体を見回してみて、少し疑問があった。
この学園は男が男に憧れるという異常な環境であるが、それは三年や二年だけで、一年にはないはずなのに……なぜ、一年の一部までもが女物のドレスを着ているのだろうか?
彼らの将来がいささか不安だ。等と余計なお世話を考えつつも、俺は幕越しから眺めていた。
この立食パーティで、一年を楽しませるという、伝統行事だが、今回は何やら俺がいない時に上役四人が画策をしていて、眉をしかめていた。
内容が分からない分、目を光らせるしかない。
しかし、ずっとこの場にいるわけにもいかない上に、お腹が減ったので俺は料理の並ぶテーブルにむかった。
ステージではあいさつが終わった早瀬が幕へ引っ込み、クラシックを流すために、オーケストラが楽器を奏で始めた。
俺は皿を片手に、料理を思いつくままにのせていった。
その間に、何人かの後輩やら上級生に囲まれたりしたが、問題はなかった。
このまま何事もなく終わって欲しいなと思っていたが、そうは問屋が卸さないらしい。
「桜様!!」
聞き慣れた声に後ろを振り向くと、そこには小柴が小走りで駆け寄ってきていた。
気のせいか、俺を先程まで囲んでいた可愛い系の子達を蹴散らしている。
「小柴…」
「はい、桜様」
何でドレスを着ている?
こてんと首を傾げている姿は非常に愛らしく、そのドレスも異様に似合っているから恐い。
無償に恐い。
俺はあえてその事に触れずに、誤魔化すようにたわいもない会話をする。
「これは中々の味ですよ。一応有名なだけありますね」
カナッペを手にして口に放り込んだ。クリームチーズと生ハムの相性は抜群だ。
「あ、本当だおいし」
小柴も俺にならって、カナッペを口に含み、もぐもぐしている。
その様子はリスみたいだった。
「あ~みな、歓迎会を楽しんでいてくれていると思う。今回生徒会上役により、ゲームを行う。ルールは簡単。この会場に生徒会がいつもつけているアクセサリーを隠しているそれを見つけた奴にはその持ち主からキスを贈ってやる」
いきなり真司先輩がステージに立ち、信じられない事を言い出した。
俺は聞いてない。
断じてこの企画を聞いてない。
というか、聞いていたら、反対していた。
キス。
男とキスなんて正気か?
いやもう、節操のないあの四人なら考えられるかもしれないが、誰が好き好んで、この企画にのるだろうか……
きゃぁーーーー!!!!
喜んでる!!物凄く喜んでいる!!
俺はぽかんんと口をあけて真司先輩達を見つめていた。
それに気がついた真司先輩は、俺を見て、にやと笑っていったのだ。
「アクセサリーは俺たち上役四人と、今回特別に事務員である桜庭姫のもある。リミットは一時間。それじゃぁ、ゲームスタートだ。」
そういうなやいなや、全員があちこち体育館でアクセサリーを探し始めた。
俺は聞き間違いだと思いたい。
「桜様、僕一生懸命さがしますね!」
小柴は目を輝かせて俺から離れていった。
俺の口元は引きつっているだろう。
なぜなら、俺の顔を見た奴らはぎょっとしたり、目を見開いて驚いているからだ。
「ふふ、少しずつ、慣れていこうね?」
さわっと、愛鵡先輩がさりげなく俺のお尻を触ってきて、俺は現実に引き戻された。
愛鵡先輩の手を取り、ぎちぎちと力を込める。
「これはどういう事ですか?」
「まぁまぁ、落ち着こうよ。桜姫。皆楽しそうにしてんだし」
「そうですよ。たかだかキスでしょう?桜先輩のバージンは俺が貰いますから安心してください」
「俺が貰うんだよ」
早瀬が人を食った笑みを浮かべて、こちらを見ている。
藤村と真司先輩のくだらない言葉はいつもの事だが、さすがに今回は無視も出来ない。
「確かに下半身の生き物のあなた方にはたかだかキスですけど、俺にとっては大問題ですよ。好きでもない奴にキスをするなんて真っ平ごめんです。というか、真司先輩と藤村は気が合うようなんですから、お互いのバージンを奪ったらどうです?」
そういうと、二人は嫌そうに顔をゆがめたが、それは無視をして、俺はため息をついた。
とんだ歓迎会だ。
しかしよくよく見ると、皆。
一年も二年も、三年も、手を組んだりして仲良くアクセサリーを探していた。
存外これは成功といえるのかもしれないが、自分が巻き込まれているのはいただけない。
しかも、キスだなんて。
絶対に嫌だ。
今更純情ぶるつもりは毛頭ないが、誰だって好きな人としたいと思う。
「見つけたーーーー!!」
「俺もー発見!!」
「きゃぁ、やったぁ!!!」
「よーーーーし」
次々と時間が迫るにつれて、アクセサリーが見つかっていく。
ついでに言えば、小柴が執念という名の元に、俺が愛用している腕時計を見つけた。
本人いわく、匂いがしたらしい。
ちょっと小柴に恐怖というか、言い知れないものを感じながら、俺はもう諦めて、傍観している事にした。
小柴ならそんなに問題もないだろうとの結論に達したからだ。
今のうちに食えるだけ食っておこうと、料理を食べていると、ガチ、と歯に何かが当たった。
口から取り出してみると、それは指輪だった。
嫌な予感。
まだアクセサリーが見つかってない人を思い出す。
「桜姫、私のを見つけてくれたんだね」
嬉しそうに愛鵡先輩が微笑んできた。
周りは悲鳴の嵐。
小柴はうるうると目を潤ませている。
俺は顔が蒼冷めてくる。
悪夢に等しい。
「…………これ、やめにするか」
ぽつりと真司先輩がいうと、早瀬や藤村が頷いてくるが、愛鵡先輩がマイクを手にしてそれは出来なかった。
その表情は今までに見たことがないくらいに輝いていた。
「では、ゲームを終了するよ。アクセサリーを見つけたものはステージに上がってくるように!!!」
一回も司会をした事がない愛鵡先輩が、やけにはりきっていた。
アクセサリーを見つけた奴らが、ステージに上ってくる。
真司先輩のお気に入りのカフスを持った可愛い男の子が、彼にアクセサリーを渡して、口にキスを貰って腰砕けになっていた。
次は早瀬。
早瀬の腕輪を持ったかっこいい子が頬にキスしてもらい、藤村はネックレスを受け取ると、自分よりがたいのいい男に複雑な顔をしながらキスを贈っていた。
俺も小柴に腕時計を受け取りながら、頬に軽くキスを送ってやった。
小柴は顔を赤くして頬に両手を当てていた。
「さて、最後は私ですね」
俺は指輪を渡そうとしたが、それごと愛鵡先輩に手を包まれた。
「これは私の家に代々伝わるものです。私は桜に持っていて欲しい……」
真剣な目で俺を見つめてきて、手を口元に持ってきてキスをする。
こんな大勢の前で恥ずかしい。
そう頭で思いながらも何だか手を振り払う事ができなくて、俺は愛鵡先輩の綺麗な顔を見つめていた。
ゆっくりと彼の顔が近づいてきて、優しく唇を重ねてくる。
俺はそれと同時に目を閉じて、それを受け入れた。
盛大な絶叫が飛び交う中、唇が離れると、俺は夢から覚めたように愛鵡先輩から離れて、ステージから去っていった。
動機が激しく、胸が高鳴っている。
それと振動するように、手に握られた指輪が何かを訴えているように熱く感じた。
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とうとうあの方が高等部に登場!!
どうなる桜姫!?
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