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第3章 勘違いと…
聖女に妃教育を3
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ー放課後、私はさつき様を連れて、
久々に碧人様の家に向かった。
先生はさつき様と私が仲が良くなったことを知らなかったので、びっくりしていたが、嬉しそうにしていた。
「柏原様と美姫様が仲良いなんて…この国の未来は明るいですわ」
ーおそらく王子の婚約者である私と聖女であるさつき様が仲良いことで、
政治的な意味でも良いってことなんだろうけど…
私はなんと答えれば良いか分からず、
愛想笑いをして、みんなでお茶をする準備を始めた。
さつき様はこの前授業で指摘したところをすべて修正していて、もうほぼ完璧になっていた。
先生が「ここは両手で持った方が上品ですよ」「もう少し温度をあげた方がいいですね」などアドバイスして、更にバージョンアップしていた。
ーもうお茶のマナーは完璧!
次は他の妃教育をしてもらえば…
お茶の時間が終わり、
先生にお礼の挨拶をした後、
さつき様は「美姫様、本当にありがとうございました」
と私にまでお礼をいってくれた。
「私はなにもしていません。
あの、もし良かったら先生に他のことも教えてもらいませんか?
妃教育は普段の生活にも使えますし…」
「いえ、美姫様がいらっしゃるのに、私が妃教育を受けるのはおかしいですわ。」
ーそれはそうなんだけど、
『私は気にしないので』と言いたがったが、
さつき様が
「それに、実は美姫様には翔様が…と思った時期もあったのですが、4人でご飯食べたときに、
碧人様の美姫様への強い愛情を感じまして…」と言い出した。
「なので、今はお二人の幸せを願ってますわ」
「ーさ、さつき様」
『勘違いです』と言おうとした瞬間、
背後から「美姫」という、
碧人様の低い声がした。
「話があると言ったよね。迎えに来たよ」
なんとなく不機嫌な気がする…
まずい、どこから聞かれていたんだろう。
「西園寺様、こんばんは。
では、私はこれでお邪魔します。」と言って、
さつき様が帰ってしまった。
久々に碧人様の家に向かった。
先生はさつき様と私が仲が良くなったことを知らなかったので、びっくりしていたが、嬉しそうにしていた。
「柏原様と美姫様が仲良いなんて…この国の未来は明るいですわ」
ーおそらく王子の婚約者である私と聖女であるさつき様が仲良いことで、
政治的な意味でも良いってことなんだろうけど…
私はなんと答えれば良いか分からず、
愛想笑いをして、みんなでお茶をする準備を始めた。
さつき様はこの前授業で指摘したところをすべて修正していて、もうほぼ完璧になっていた。
先生が「ここは両手で持った方が上品ですよ」「もう少し温度をあげた方がいいですね」などアドバイスして、更にバージョンアップしていた。
ーもうお茶のマナーは完璧!
次は他の妃教育をしてもらえば…
お茶の時間が終わり、
先生にお礼の挨拶をした後、
さつき様は「美姫様、本当にありがとうございました」
と私にまでお礼をいってくれた。
「私はなにもしていません。
あの、もし良かったら先生に他のことも教えてもらいませんか?
妃教育は普段の生活にも使えますし…」
「いえ、美姫様がいらっしゃるのに、私が妃教育を受けるのはおかしいですわ。」
ーそれはそうなんだけど、
『私は気にしないので』と言いたがったが、
さつき様が
「それに、実は美姫様には翔様が…と思った時期もあったのですが、4人でご飯食べたときに、
碧人様の美姫様への強い愛情を感じまして…」と言い出した。
「なので、今はお二人の幸せを願ってますわ」
「ーさ、さつき様」
『勘違いです』と言おうとした瞬間、
背後から「美姫」という、
碧人様の低い声がした。
「話があると言ったよね。迎えに来たよ」
なんとなく不機嫌な気がする…
まずい、どこから聞かれていたんだろう。
「西園寺様、こんばんは。
では、私はこれでお邪魔します。」と言って、
さつき様が帰ってしまった。
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