王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?

いりん

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第2章 悪役令嬢作戦

悪役令嬢計画失敗…?

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ー放課後、

頼みの綱だった翔の提案もダメで、

私はどうすればいいかわからず、

図書館に来て「悪役令嬢」系の本を片っ端から読んでいた。



自分が悪役令嬢になって、

評判を落とすのに何か参考になるかなと思ったのだ。



ーしかし、読んだ本はライバルに嫌がらせをしたり、物を盗んだり…、

どれも自分が真似できそうなものではなかった。



ー参考にならない…どうしよう…と悩んだいたら、

後ろから「美姫?珍しい本読んでいるね」と、

碧人様に声をかけられた。



図書館で会うと思わなかったため、

ビックリしたのと同時に、

悪役令嬢の本を真剣に読んでいるのを見られて恥ずかしくなった。



ーさすがに、

碧人様と婚約破棄するために参考にして読んでいるとは思っていないだろうけど。



「い、今こういう本が流行っていると聞いて、読んでみたんです」



「ああ。今流行っているみたいだよね。

うちの侍女たちも読んでいるって言っていたよ。」



ーよし、うまくごまかせたようだ。



「でも怖いよね。

悪役令嬢が断罪されるのは仕方ないけど、家族まで被害がいったり、

物語によっては一家で処刑されたりするみたいだもんね…」



碧人様に言われてハッとした。



本の悪役令嬢と同じようなことはできないとは思っていたが、

もし私が悪役令嬢みたいな行動をすれば、

家の印象自体も悪くなってしまう。



ーなんでこんなことにも気付かなかったんだろう。



もう悪役令嬢は無理だわーと、

どんどん自分の顔が青ざめていくのがわかった。



そんな私を見て、

碧人様はなぜだがいつもより機嫌がよく見えた。



「そういえば、妃教育の先生から美姫に伝えてって言われてたんだ。

『妃教育は一休みにされていますが、久々に美姫様とお会いしたいので、今度お茶でも飲みに来ませんか?』って。

今度うちに来たら?」と言われた。



私はそれを聞き、

「それだ!」と目をキラキラさせ、

「今度伺います!」と言ってその場をいきおいよく去った。
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