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1章 ~この世界の現状~

12 少女

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モガ!モモモガ!モガガガガ!!

目が覚めると、全身が包帯でミイラでした。(?)


®®®®®


ふう……。
死ぬかと思ったぜ……。

さて…
「なぜ俺を包帯でグルグル巻きにしたんだ?」

俺は犯人であろう少女に理由を聞いた。


「何で怒ってるんですか……? 治療ですよ、治療」
「こんな半殺しの治療があってたまるか!!」


俺が目を覚ますと包帯で体がグルグル巻きにされていた。
はい、息が出来ませんでした。 死ぬかと思いました。


「暴れるから悪いんですよ」


こいつ、あの状況で大人しく窒息してろって言うのか……?


「そもそも、何で全身骨折何ですか? 雑魚過ぎません?」

え?
全身骨折?

「どういうことだ?」

何?
俺全身骨折してたの?
死ぬやん。

「いや、頭から落ちたので大変でしたよ」

はえー、俺家の屋上ぐらいの高さから頭から落ちたのか……

「いや、死ぬやん」
「そこは魔法でパパっと」

やっぱり、魔法ってあるんだな……。
早速魔法に救われたな……。

「ところで、何で見ず知らずの俺を助けてくれたんだ?」

俺は、あの狼の上から落ちたんだろう。
……どうやって落ちたかは記憶がないが。

けどこの少女に助けてもらったことは覚えてる。
狼を倒してくれたんだ。

で、俺は何故か狼に登って、落ちて、勝手に死にかけた。
少女がここまで親切にしてくれる理由がよくわからない。

……もしかして、金かな?
通貨とかわかんないんだけど……。

「いやー、まあ、死なれたら… こう… 嫌なんです」
「へ、へえ、嫌なのか」

随分とお人好し少女だったみたいだ。
……なんかはぐらかされた気がするのは気のせいだろうか。

まあ、気のせいだろう。
……多分。


®®®®®
少女視点(日記)


今日は変なお兄さんと出会った。
村に行く途中の大岩のところで魔獣に襲われていた。

図体だけ大きい雑魚魔獣だったので、お兄さんは相当雑魚なんだろう。

狼を倒したあと、お兄さんが気持ち悪かったので殴り飛ばしてしまった。
手加減はしたつもりだったけど、お兄さんは瀕死の状態だった。

一応、回復魔法をかけ、包帯で巻いといた。

お兄さんは私の鞄を持っていた。
きっと、私の家から盗んで来たのだろう。

私の書いた地図も持っていた。
村にでも行くつもりだったのかな。

けど、案外早く……見つけることができた。
怪しまれないように、付いていこう。

それにしても、気持ち悪かったなぁ……。



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