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1章 ~この世界の現状~
10 初めての出会いは唐突に
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えー現在、俺は広野を延々と徘徊しております。
体感で四時間位ですかねー。
出発時は頭の上にあったお日様も、今ではお月さまと入れ替わりそうです。
……ふざけやがって
地平線何処まであるんだよ!
あの地図合ってるのか!?
……はあ。
……疲れたなあ。
あれから一度も飲み食いしていない。当然だ、いつ何が起こるか分からない。
食料は有限だ。 あまり食べたくない。
それにしても……。
四時間も歩いてさすがに足が痛い。 今にもへし折れそうだ……。
遅い足取りで歩いていると、大きな影が見えた。
それは大きな岩の影だった。
……この大岩の上で休憩するか。
見晴らし良さそうだし。
俺は、大岩の上で遅めの昼食をとることにした。夕食か?
……まあ、どっちでもいいや。
®®®®®
ふう、食った食った……。
さほど綺麗でもない景色をおかずに、
俺はボッチ飯を満喫していた。
……お腹は満たされたけど、心はスカスカなんだが。
虚しいなあ
なんで異世界にきてまでボッチ満喫しないといけないんだよ……。
……寝床探すか。
俺は虚しさを紛らわせるために寝床を探すことにした。
……見渡す限り広野なので地べたで寝る他無さそうだが。
はあ…… 異世界生活初日が地べた野宿かよ……。
どこのラノベ主人公だよ… ここまで不運なの歴代俺だけなんじゃないか……?
ブツブツ文句を心の中で言ってる俺は気付かなかった。
足を滑らせて大岩の上から落ちていることに。
……はぁ?
バキッ!!!!
とても清々しい音がした。痛い
一体なにがおこったのだろう。痛い
ほんの一瞬の出来事で何がなんだか……。痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。
はい。 足が折れてますね。
……は?
ま じ で ?
®®®®®
異世界生活初日の夜を、俺は、広野をさ迷い、足を折り、地べたで過ごしている。
やっぱり、俺ってメチャクチャ不運なんじゃ……?
いや、普通に不運だわ。
動けないし、痛いし。
神様… どうか私にご加護を…
「garururururururu」
俺の御祈りに、返事があった。
声の主を探そうと、ゆっくり後ろを向くと――
――そこには、家一軒分くらいの狼さんが立っていた。
涎を垂らして、唸りながら。
口から滴る涎も並みの量ではなく、一滴落ちるだけで水溜まりができていた。
……きっと、神様の使いだ!
大丈夫、大丈夫だ、俺はまだ壊れてない。
けどヤバい、ヤバいぞ!
これ、喰われるやつだ!!!!
狼さんのギラッギラに光る牙が近づいてくる。
そんなとき、ふと、俺はこんな台詞を思い出した。
『 じゃあ、魔物は?
«イマス» 』
こいつ、魔物か!?
やべえ、かっけえ!
けど死にそう!
走馬灯のように、今までの***記憶が蘇ってくる。
……一瞬、自分の周りの温度が氷点下まで下がった気がした。
刹那、狼さんの首が飛んだ。
とても呆気なく、無様に。
カッコいい狼さんをあんな風にしたのは血まみれの拳のこの少女。
吹き飛んだ首から大量の血がこぼれ落ちる。
とても一瞬の出来事だったので、俺はぼーっとしてしまった。
しかし、ドスンと隣に首が落ちてきた瞬間、時間が動き出した。
今日は満月、晴れのち血の雨。
血で反射した月光に照らされ、バックには満月。
そこにたつ白髪の少女。
それはとても幻想的な光景だった。
だから、俺が口を滑らせても何ら不思議はない。そうだろ?
俺が最初に放った言葉は感謝でも怯えでもなく……
「女神様……?」
その一言だった。
体感で四時間位ですかねー。
出発時は頭の上にあったお日様も、今ではお月さまと入れ替わりそうです。
……ふざけやがって
地平線何処まであるんだよ!
あの地図合ってるのか!?
……はあ。
……疲れたなあ。
あれから一度も飲み食いしていない。当然だ、いつ何が起こるか分からない。
食料は有限だ。 あまり食べたくない。
それにしても……。
四時間も歩いてさすがに足が痛い。 今にもへし折れそうだ……。
遅い足取りで歩いていると、大きな影が見えた。
それは大きな岩の影だった。
……この大岩の上で休憩するか。
見晴らし良さそうだし。
俺は、大岩の上で遅めの昼食をとることにした。夕食か?
……まあ、どっちでもいいや。
®®®®®
ふう、食った食った……。
さほど綺麗でもない景色をおかずに、
俺はボッチ飯を満喫していた。
……お腹は満たされたけど、心はスカスカなんだが。
虚しいなあ
なんで異世界にきてまでボッチ満喫しないといけないんだよ……。
……寝床探すか。
俺は虚しさを紛らわせるために寝床を探すことにした。
……見渡す限り広野なので地べたで寝る他無さそうだが。
はあ…… 異世界生活初日が地べた野宿かよ……。
どこのラノベ主人公だよ… ここまで不運なの歴代俺だけなんじゃないか……?
ブツブツ文句を心の中で言ってる俺は気付かなかった。
足を滑らせて大岩の上から落ちていることに。
……はぁ?
バキッ!!!!
とても清々しい音がした。痛い
一体なにがおこったのだろう。痛い
ほんの一瞬の出来事で何がなんだか……。痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。
はい。 足が折れてますね。
……は?
ま じ で ?
®®®®®
異世界生活初日の夜を、俺は、広野をさ迷い、足を折り、地べたで過ごしている。
やっぱり、俺ってメチャクチャ不運なんじゃ……?
いや、普通に不運だわ。
動けないし、痛いし。
神様… どうか私にご加護を…
「garururururururu」
俺の御祈りに、返事があった。
声の主を探そうと、ゆっくり後ろを向くと――
――そこには、家一軒分くらいの狼さんが立っていた。
涎を垂らして、唸りながら。
口から滴る涎も並みの量ではなく、一滴落ちるだけで水溜まりができていた。
……きっと、神様の使いだ!
大丈夫、大丈夫だ、俺はまだ壊れてない。
けどヤバい、ヤバいぞ!
これ、喰われるやつだ!!!!
狼さんのギラッギラに光る牙が近づいてくる。
そんなとき、ふと、俺はこんな台詞を思い出した。
『 じゃあ、魔物は?
«イマス» 』
こいつ、魔物か!?
やべえ、かっけえ!
けど死にそう!
走馬灯のように、今までの***記憶が蘇ってくる。
……一瞬、自分の周りの温度が氷点下まで下がった気がした。
刹那、狼さんの首が飛んだ。
とても呆気なく、無様に。
カッコいい狼さんをあんな風にしたのは血まみれの拳のこの少女。
吹き飛んだ首から大量の血がこぼれ落ちる。
とても一瞬の出来事だったので、俺はぼーっとしてしまった。
しかし、ドスンと隣に首が落ちてきた瞬間、時間が動き出した。
今日は満月、晴れのち血の雨。
血で反射した月光に照らされ、バックには満月。
そこにたつ白髪の少女。
それはとても幻想的な光景だった。
だから、俺が口を滑らせても何ら不思議はない。そうだろ?
俺が最初に放った言葉は感謝でも怯えでもなく……
「女神様……?」
その一言だった。
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