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僕の名前は‥
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「僕の名前は‥」
そいつはさもいいことを思い付いたように笑ってこう言った。
「君がつけてよ!」
「は?」
反射的に声が出てしまった。訳がわかんないので、無視して作戦「②会ったことがあるか聞く」を実行しよう。大丈夫、まだ作戦は失敗していないはずだ‥多分。
「ごめん、今まで会ったことあるっけ?その、悪いんだけど、会った記憶がないんだけど‥」
「あ、そっか。この姿じゃ初めてだね。うーんとね、そのさ‥」
おい待て待て。まさかこいつはルパンだったみたいな落ちじゃないよな。
「あーとね、簡単に言えばね、君にとりついてた幽霊でした。」
「はひょ?」
おっといけない。驚きのあまり意味わからない声が出てしまった。
「ごめん、もう一度ゆっくり言ってもらえる?」
「だからさ、僕は君にとりついてた幽霊が実体化したものなんだ。」
………
「ごめんなさい!!殺さないで!悪いことした記憶はないけど、悪いことしてごめんなさい!!お願いだから、何でもするから!」
幽霊にとりつかれた男にまつわる怪談は、たいていラストは男が殺されるものと決まっている。こういう話を聞くたびに、どーせ作り話でしょなんて笑ってたけどまさか自分がとりつかれるなんて。神様!!私は悪いことをしましたか?助けて下さい!
「え?なんかよくわかんないけど‥じゃあ、一年間一緒にすんでね♪」
「はいいー」
「あ、あと君を殺そうなんて思ってないよ?ていうか、僕幽霊だけど、怨霊じゃないし。なんていうんだろう。僕も何で生まれたのかわかんないけど、生まれた時に近くにいた人が君だったてだけだし。」
「わだしはころされ゛ねえんですか?」
「なんで、そんな心配するのかなー、まぁ一年間よろしくね!」
とここで、我に返った俺は見事に作戦失敗したことに気づいた。頭の中ではモン○ンのクエスト失敗時に流れる音楽が大音量で流れている。
「ま、負けた‥」
「ん?何か言った?」
「あ、いや、なんでとないよ。そんなことより、何で急に実体化したの?」
「君にとりついてから一年間くらい。ずっと力を蓄えてたんだ。それで、今日ちょうど実体化できるだけの力が貯まって、しかも見知らぬ町に君が引っ越したからさ、実体化したい気持ちを抑えられなくて後先考えずに実体化しちゃったんだ。」
まだ、少し信じられない俺は、頬つねってみた。うん、痛い。夢じゃないよな。
「それでさ、僕の名前考えてくれた?」
キラキラした子犬のような瞳を見ると、驚きすぎて忘れてたわ!なんて言えるわけもなく‥
「ポチ!」
「却下!」
「タマ!」
「却下!」
「ルシアン」
「決定!」
ル・シアンってフランス語で犬のことなんだよなーと思いつつ当面のことを考える。
「そういえばさ、お前って風邪とか引くの?」
「引かないよー。人間じゃないし。というか病気にもならないよー。」
「それはよかった。お前絶対保険証ないでしょ。病院いくなら、全額払わなきゃいけないでしょ。」
「ふーん。よくわかんないけど、まあいいことなんでしょ。」
「ああ。むしろ、うらやましいくらいだわ。ああ、一緒に住むんだったらさ、ご飯とかどれくらい食べる?」
「わかんない。だって今日生まれたみたいなもんだよ。」
ルシアンの見た目は俺と同じくらいの年齢に見えるのですっかりそのことを忘れていた。こいつのことは、おいおい知っていくことにしよう。そんなんわけで、今すべきことは‥
そいつはさもいいことを思い付いたように笑ってこう言った。
「君がつけてよ!」
「は?」
反射的に声が出てしまった。訳がわかんないので、無視して作戦「②会ったことがあるか聞く」を実行しよう。大丈夫、まだ作戦は失敗していないはずだ‥多分。
「ごめん、今まで会ったことあるっけ?その、悪いんだけど、会った記憶がないんだけど‥」
「あ、そっか。この姿じゃ初めてだね。うーんとね、そのさ‥」
おい待て待て。まさかこいつはルパンだったみたいな落ちじゃないよな。
「あーとね、簡単に言えばね、君にとりついてた幽霊でした。」
「はひょ?」
おっといけない。驚きのあまり意味わからない声が出てしまった。
「ごめん、もう一度ゆっくり言ってもらえる?」
「だからさ、僕は君にとりついてた幽霊が実体化したものなんだ。」
………
「ごめんなさい!!殺さないで!悪いことした記憶はないけど、悪いことしてごめんなさい!!お願いだから、何でもするから!」
幽霊にとりつかれた男にまつわる怪談は、たいていラストは男が殺されるものと決まっている。こういう話を聞くたびに、どーせ作り話でしょなんて笑ってたけどまさか自分がとりつかれるなんて。神様!!私は悪いことをしましたか?助けて下さい!
「え?なんかよくわかんないけど‥じゃあ、一年間一緒にすんでね♪」
「はいいー」
「あ、あと君を殺そうなんて思ってないよ?ていうか、僕幽霊だけど、怨霊じゃないし。なんていうんだろう。僕も何で生まれたのかわかんないけど、生まれた時に近くにいた人が君だったてだけだし。」
「わだしはころされ゛ねえんですか?」
「なんで、そんな心配するのかなー、まぁ一年間よろしくね!」
とここで、我に返った俺は見事に作戦失敗したことに気づいた。頭の中ではモン○ンのクエスト失敗時に流れる音楽が大音量で流れている。
「ま、負けた‥」
「ん?何か言った?」
「あ、いや、なんでとないよ。そんなことより、何で急に実体化したの?」
「君にとりついてから一年間くらい。ずっと力を蓄えてたんだ。それで、今日ちょうど実体化できるだけの力が貯まって、しかも見知らぬ町に君が引っ越したからさ、実体化したい気持ちを抑えられなくて後先考えずに実体化しちゃったんだ。」
まだ、少し信じられない俺は、頬つねってみた。うん、痛い。夢じゃないよな。
「それでさ、僕の名前考えてくれた?」
キラキラした子犬のような瞳を見ると、驚きすぎて忘れてたわ!なんて言えるわけもなく‥
「ポチ!」
「却下!」
「タマ!」
「却下!」
「ルシアン」
「決定!」
ル・シアンってフランス語で犬のことなんだよなーと思いつつ当面のことを考える。
「そういえばさ、お前って風邪とか引くの?」
「引かないよー。人間じゃないし。というか病気にもならないよー。」
「それはよかった。お前絶対保険証ないでしょ。病院いくなら、全額払わなきゃいけないでしょ。」
「ふーん。よくわかんないけど、まあいいことなんでしょ。」
「ああ。むしろ、うらやましいくらいだわ。ああ、一緒に住むんだったらさ、ご飯とかどれくらい食べる?」
「わかんない。だって今日生まれたみたいなもんだよ。」
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