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クエスト完了!

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 「二人ともお疲れ様だな。サインを貰えば後はマスターに報告だ。」


 俺たちは、クエスト完了後再び寮の前に戻ってきていた。
 何とも微妙な距離だったが、現在辺りは薄暗くなってきていた。


 「ところでクリム、もしクエストクリアしてもサインを貰えなかったらどうなるんだ?」

 「そのような場合は申告すれば調査が入る。基本的にそのような事をしても意味がないので、起きたことはないが」


 嫌味な人間なら報酬出したくないとかで、渋るかなと思ったが。
 俺の心が汚れているのだろうか、クリムの表情からはあり得ないと、読み取れる。


 「そうか、なら安心したよ。この国で何かすれば、強烈な魔法使いが出てきそうだしな。考えてみれば、そうそう悪いことはできんな」

 「そうだぞ大樹!そういったことが起こらないよう、この国では学園を設け育成している。気をつけることだな」


 そもそも監視対象の俺が、何か問題を起こすワケないだろ。

 そんな俺たちのやりとりを黙って聞いていたフローラが。


 「あの、そろそろマスターさんに報告しませんか?遅くなっても心配させてしまうし」

 「そうだな、私達の仕事は残り僅かだ。しっかり終わらすぞ」

 「はいよ」



 「三人とも、ご苦労だったね。特に新人二人はどうだったかな?」


 寮の集会所に戻ると、マスターが渋い声で優しく聞いてくる。

 「クリムさんのおかげで無事に依頼を完了できました」

 「そうかそうか。クリムは既に上級の魔法使いと言えるほどだ。今回のクエストは簡単すぎたかな?」

 「いや、今回のような体験も貴重だと考えている。時には基本を学ぶのも大事だしな」


 クリムどんだけ優等生なんだ!?
 俺たちと同じ一年らしいが、すでに上級者だと言っていた。

 考えてみれば、学園でも注目されているらしいし。
 いつか魔法教えてもらえるかな。


 「む、私の顔をじっと見てどうしたんだ?」

 「ああ、クリムのこと考えてたんだよ」



 無事にクエスト完了を報告し、今日の予定を全て終わらせ自室へ。
 今日はクリムがいたからいいが、これからはどうなるかなぁ。

 これ以上考えるとマイナス思考になってしまうし、寝るか。
 
 部屋の明かりを全て消す。
 そういえば、マスターへの報告の後クリムがソワソワしていたような。
 何かあったっけ?
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