19 / 90
いざ初クエストへ!
しおりを挟む
「二人はそこで見ているといい。今回は手本として私が追い払ってやる!」
頼もしいセリフとともに、クリムはゆっくりと前へ進んでいく。
何故ゆっくりなのか。
目の前に巨大イノシシがいるからだ。
このような状況になったのには理由がある。
「いきなりクエストに挑んでも大変だろうし、手本としてクリムが教えてあげればいいじゃないか」
クエストについて説明後、俺たちにマスターが言った。
「それもそうだな。私がいるうちに、クエストの受け方やなんかも知ってもらうとしよう。実際に行動した方が理解しやすいはずだ」
「確かにありがたいな。そもそも俺たちに出来るクエストなんかあるのか?」
「あまり難しく考えないでくれ。それぞれのレベルに合わせて、マスターがクエストを選んでくれるさ」
「そうだねー、今きているクエストで良さそうなのはヴォルフ追放かな。林近くの村にまで出て来ていて、困っているようだ」
「了解した! では、このクエストを一緒にこなそうではないか」
そうして、現在に至る。
ヴォルフというのは、俺たちが初日の林で見た巨大イノシシの事らしい。
元々は、縄張りを作り生活するそうだが、一部は人間の生活拠点まで来るらしい。
「大樹よ、しっかり見ておくんだぞ。油断しては一瞬でやられてしまうからな」
そう言いながら、少しづつ間合いを詰める。
今回のクエストは退治ではなく、追放ということで無駄な殺生はいけないということらしい。
ヴォフ! ヴォフ!
少し離れている俺にも、ヴォルフが興奮しているのがわかる。
いつ襲ってきても、おかしくない状況だ。
そんな中、それでもクリムは間合いを詰める。
それに少し驚いたのか、ヴォルフの方が引き始めたように見える。
そしてクリムが立ち止まり。
「・・・シャイン!」
何かを唱えると、クリムから強烈な光が放たれる。
一瞬のことだったが、ヴォルフを驚かせることには成功したようだ。
情けない鳴き声とともに、ヴォルフは林の方へ逃げていった。
「なぁ、クリム。本当に退治でなくて、追放でいいのか? また襲ってくるんじゃ」
「奴らもバカではない。一度嫌な目にあえば、そうそう襲っては来なくなる」
そんなもんなんだな。
むやみに退治しないというのが、この世界でのルールらしい。
俺も気をつけないと。
「あんたたち、ありがとうよ。おかげで助かりましたわ」
「ああ、依頼人でしたか。また何かあれば頼ってください」
そういうと、クリムは依頼の書かれた紙を取り出し。
「ここにサインよろしいか。大樹、フローラ、依頼完了後は依頼主からのサインが必要だ。報酬もそれを確認できなければ受け取れないぞ」
「了解」
依頼主のおばちゃんからサインをしっかりもらい、俺たちの最初のクエストは完了した。
頼もしいセリフとともに、クリムはゆっくりと前へ進んでいく。
何故ゆっくりなのか。
目の前に巨大イノシシがいるからだ。
このような状況になったのには理由がある。
「いきなりクエストに挑んでも大変だろうし、手本としてクリムが教えてあげればいいじゃないか」
クエストについて説明後、俺たちにマスターが言った。
「それもそうだな。私がいるうちに、クエストの受け方やなんかも知ってもらうとしよう。実際に行動した方が理解しやすいはずだ」
「確かにありがたいな。そもそも俺たちに出来るクエストなんかあるのか?」
「あまり難しく考えないでくれ。それぞれのレベルに合わせて、マスターがクエストを選んでくれるさ」
「そうだねー、今きているクエストで良さそうなのはヴォルフ追放かな。林近くの村にまで出て来ていて、困っているようだ」
「了解した! では、このクエストを一緒にこなそうではないか」
そうして、現在に至る。
ヴォルフというのは、俺たちが初日の林で見た巨大イノシシの事らしい。
元々は、縄張りを作り生活するそうだが、一部は人間の生活拠点まで来るらしい。
「大樹よ、しっかり見ておくんだぞ。油断しては一瞬でやられてしまうからな」
そう言いながら、少しづつ間合いを詰める。
今回のクエストは退治ではなく、追放ということで無駄な殺生はいけないということらしい。
ヴォフ! ヴォフ!
少し離れている俺にも、ヴォルフが興奮しているのがわかる。
いつ襲ってきても、おかしくない状況だ。
そんな中、それでもクリムは間合いを詰める。
それに少し驚いたのか、ヴォルフの方が引き始めたように見える。
そしてクリムが立ち止まり。
「・・・シャイン!」
何かを唱えると、クリムから強烈な光が放たれる。
一瞬のことだったが、ヴォルフを驚かせることには成功したようだ。
情けない鳴き声とともに、ヴォルフは林の方へ逃げていった。
「なぁ、クリム。本当に退治でなくて、追放でいいのか? また襲ってくるんじゃ」
「奴らもバカではない。一度嫌な目にあえば、そうそう襲っては来なくなる」
そんなもんなんだな。
むやみに退治しないというのが、この世界でのルールらしい。
俺も気をつけないと。
「あんたたち、ありがとうよ。おかげで助かりましたわ」
「ああ、依頼人でしたか。また何かあれば頼ってください」
そういうと、クリムは依頼の書かれた紙を取り出し。
「ここにサインよろしいか。大樹、フローラ、依頼完了後は依頼主からのサインが必要だ。報酬もそれを確認できなければ受け取れないぞ」
「了解」
依頼主のおばちゃんからサインをしっかりもらい、俺たちの最初のクエストは完了した。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
(完)私の家を乗っ取る従兄弟と従姉妹に罰を与えましょう!
青空一夏
ファンタジー
婚約者(レミントン侯爵家嫡男レオン)は何者かに襲われ亡くなった。さらに両親(ランス伯爵夫妻)を病で次々に亡くした葬式の翌日、叔母エイナ・リック前男爵未亡人(母の妹)がいきなり荷物をランス伯爵家に持ち込み、従兄弟ラモント・リック男爵(叔母の息子)と住みだした。
私はその夜、ラモントに乱暴され身ごもり娘(ララ)を産んだが・・・・・・この夫となったラモントはさらに暴走しだすのだった。
ラモントがある日、私の従姉妹マーガレット(母の3番目の妹の娘)を連れてきて、
「お前は娘しか産めなかっただろう? この伯爵家の跡継ぎをマーガレットに産ませてあげるから一緒に住むぞ!」
と、言い出した。
さらには、マーガレットの両親(モーセ準男爵夫妻)もやってきて離れに住みだした。
怒りが頂点に到達した時に私は魔法の力に目覚めた。さて、こいつらはどうやって料理しましょうか?
さらには別の事実も判明して、いよいよ怒った私は・・・・・・壮絶な復讐(コメディ路線の復讐あり)をしようとするが・・・・・・(途中で路線変更するかもしれません。あくまで予定)
※ゆるふわ設定ご都合主義の素人作品。※魔法世界ですが、使える人は希でほとんどいない。(昔はそこそこいたが、どんどん廃れていったという設定です)
※残酷な意味でR15・途中R18になるかもです。
※具体的な性描写は含まれておりません。エッチ系R15ではないです。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる