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伝説を知る者!
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シャワーを浴び終え、嫌な沈黙が続く中、俺と相川は同じベッドで寝転がる。
正直、心臓は壊れそうなほど動いてる。
隣の相川に伝わっていないだろうかと不安になるが、ありがたいことに既に寝ているよう。
わずかに聞こえてくる寝息が、俺の心を少しだが落ち着かせてくれる。
そう、俺は緊張してただけだ!
決してこの状況にワクワクドキドキしてたわけではない。
俺は改めて自分の心と向き合い、自然と眠れるようになった。
心臓も落ち着いたし、明日から頑張るぞ。
「いつまで寝てる? 起きなさーい!」
「う~ん、乱暴に起こすなよ」
朝から相川に大声で起こされ、目覚まし時計の優しさを初めて知った。
眠い目をこすりながら相川を見ると、既に出発の用意ができているよう。
「相川準備早いな。確かに今日からが本番だけど、気合い入りすぎじゃ」
「いいのいいの楽しみなんだから! それより、大樹も早く準備しちゃってよ」
「はいはい」
気の抜けた返事だけをし、早速俺は準備を開始。
その途中、俺の後ろから何度か欠伸をする相川の声が聞こえた。
「それじゃあ、早速聞き込みしていきましょー。地元の伝説なんだから、すぐに情報も見つかるだろうしね」
確かに相川の言う通りだろう。
流石に地元民ならば、全く知らないと言うことはないはず。
これは楽にいきそうかも。
……しかし実際はそう簡単ではなかった。
全く知らないと言う人はいなかったが、肝心の情報についてはほとんどナシ。
伝説が残っていると言う事実だけが、皆の知るところだそうだ。
「まさかこんなに苦戦するとは。これなら、ここにくる前の俺たちの情報と変わらないな。流石に昔の話だし、当然と言えば当然かもしれないけど」
「確かに新しい話はないね。……こうなったら情報収集やめて、島を歩いてみる? 何か見つかったらラッキーだし」
相川が笑顔で俺を見ながら提案してきた。
このまま聞き込みしても同じだろうし、それならいいか。
こうして俺たちは島を歩き回ることにした。
歩き始めてしばらくし、村から少し離れた場所に小屋を見つけた。
「村の人たちはこんな場所教えてくれなかったよな。まぁ、離れてるし仕方ないのかもしれないけど」
「そうだね~、最後の望みにかけてみる? 村から離れた小屋には何かあるかもしれないよ」
「事件じゃないからな」
相川の興味津々さが伝わり、俺も何だかその気になってきた。
人間これが最後だと思うと、不思議と元気になれるもんだ。
俺たちはその小屋に近づき、ドアの前に立って。
「あのーすみません。どなたかいますか? もしよかったら聞きたいことがあるんですが」
軽くドアを2回叩き、人がいないか聞いてみた。
すると、中から人が歩く音が聞こえてきた。
こりゃ、誰かいるな。
俺がもう一度ドアを叩こうとすると同時に、それは開かれた。
「おやおや珍しいお客さん達だ。みたところ島の人間ではなさそうだけど、どうかしたのかい?」
「えー、実はそうなんですよ。この島の伝説について、少し興味がありまして」
「そうかいそうかい、それでここを見つけるとは運がいいですよ」
白髪の少し腰の曲がった、優しそうなお婆さんだった。
「その言い方だと、何か知ってるんですね? もしよかったら教えて欲しいんですけど」
「ええ、ええ、知ってますとも。お嬢さんも一緒にいらっしゃい」
「ありがとうございます」
こうして、俺たちはお婆さんの家に入っていった。
正直、心臓は壊れそうなほど動いてる。
隣の相川に伝わっていないだろうかと不安になるが、ありがたいことに既に寝ているよう。
わずかに聞こえてくる寝息が、俺の心を少しだが落ち着かせてくれる。
そう、俺は緊張してただけだ!
決してこの状況にワクワクドキドキしてたわけではない。
俺は改めて自分の心と向き合い、自然と眠れるようになった。
心臓も落ち着いたし、明日から頑張るぞ。
「いつまで寝てる? 起きなさーい!」
「う~ん、乱暴に起こすなよ」
朝から相川に大声で起こされ、目覚まし時計の優しさを初めて知った。
眠い目をこすりながら相川を見ると、既に出発の用意ができているよう。
「相川準備早いな。確かに今日からが本番だけど、気合い入りすぎじゃ」
「いいのいいの楽しみなんだから! それより、大樹も早く準備しちゃってよ」
「はいはい」
気の抜けた返事だけをし、早速俺は準備を開始。
その途中、俺の後ろから何度か欠伸をする相川の声が聞こえた。
「それじゃあ、早速聞き込みしていきましょー。地元の伝説なんだから、すぐに情報も見つかるだろうしね」
確かに相川の言う通りだろう。
流石に地元民ならば、全く知らないと言うことはないはず。
これは楽にいきそうかも。
……しかし実際はそう簡単ではなかった。
全く知らないと言う人はいなかったが、肝心の情報についてはほとんどナシ。
伝説が残っていると言う事実だけが、皆の知るところだそうだ。
「まさかこんなに苦戦するとは。これなら、ここにくる前の俺たちの情報と変わらないな。流石に昔の話だし、当然と言えば当然かもしれないけど」
「確かに新しい話はないね。……こうなったら情報収集やめて、島を歩いてみる? 何か見つかったらラッキーだし」
相川が笑顔で俺を見ながら提案してきた。
このまま聞き込みしても同じだろうし、それならいいか。
こうして俺たちは島を歩き回ることにした。
歩き始めてしばらくし、村から少し離れた場所に小屋を見つけた。
「村の人たちはこんな場所教えてくれなかったよな。まぁ、離れてるし仕方ないのかもしれないけど」
「そうだね~、最後の望みにかけてみる? 村から離れた小屋には何かあるかもしれないよ」
「事件じゃないからな」
相川の興味津々さが伝わり、俺も何だかその気になってきた。
人間これが最後だと思うと、不思議と元気になれるもんだ。
俺たちはその小屋に近づき、ドアの前に立って。
「あのーすみません。どなたかいますか? もしよかったら聞きたいことがあるんですが」
軽くドアを2回叩き、人がいないか聞いてみた。
すると、中から人が歩く音が聞こえてきた。
こりゃ、誰かいるな。
俺がもう一度ドアを叩こうとすると同時に、それは開かれた。
「おやおや珍しいお客さん達だ。みたところ島の人間ではなさそうだけど、どうかしたのかい?」
「えー、実はそうなんですよ。この島の伝説について、少し興味がありまして」
「そうかいそうかい、それでここを見つけるとは運がいいですよ」
白髪の少し腰の曲がった、優しそうなお婆さんだった。
「その言い方だと、何か知ってるんですね? もしよかったら教えて欲しいんですけど」
「ええ、ええ、知ってますとも。お嬢さんも一緒にいらっしゃい」
「ありがとうございます」
こうして、俺たちはお婆さんの家に入っていった。
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