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第二十七話

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「うああぁっ」
 あまりの衝撃に、桃太郎の両目がぐるんと上を向きました。黄鬼の大きく張り出した傘が、桃太郎の菊座にすっかり埋まっています。それはまるで、熱塊で尻の中をぼこんと殴られたかのような感覚でした。
 ――!!!
 桃太郎の頭の中は真っ赤に染まり、何も考えられません。ぱっくりと口を開け、陸に上がった魚のようにはくはくと動かすばかりです。
 しかし、その様子を側で見ていた青鬼は、あっけらかんと笑いました。
「ダイジョーブ、ダイジョーブ。スグ 気持ちよくナル。摩羅 喉の奥 アゲルカラ」
 言うが早いか、桃太郎の顔を跨ぎ、摩羅を喉まで一気に押し込みました。常人より随分大きな青鬼の摩羅の先端が、桃太郎の喉彦をぐっと押し潰します。
「がぼぉっ!」
 強烈な吐き気に、桃太郎はくぐもった悲鳴を上げるしかありません。
「モー フタリトモ 摩羅気持ちいい ズルイネ」
 呆れたように言ったのは赤鬼です。黄鬼が菊座に、青鬼が口に摩羅を嵌めておりましたので、赤鬼は己の摩羅を収める場所がありません。仕方がないので、初めての鶏姦に苦しんでいるだろう桃太郎を慰めるべく、その摩羅を革紐ごと根元までぱくりと咥え、両の乳首をぐりぐりと強く捩じりました。
「ほぉうぅぅんん゛ん゛!」
 摩羅で悲鳴を塞がれながら弱い部分を一度に責められている間に、黄鬼がぐぐっと腰に力を籠め、摩羅を桃太郎の腹の中へと押し進めます。足を開かされ縛られている桃太郎は、あまりにも無力でした。一つの抵抗もできないまま、黄鬼の摩羅は根本までずっぷしと桃太郎の中に納まってしまいました。
 こうして桃太郎は、手足と摩羅を縛られたままならない姿のまま、これまでに知った全ての性感を同時に責められることになったのです。

 巨大な黄鬼の摩羅に拓かれた尻も腹も苦しく、とてもではありませんが桃太郎はそこで快感など得られずにおりました。ややもすると、白目を剥いて失神しそうです。しかし、口には入り切らなかった巨大な黄鬼の摩羅が自分の体の中に納まっていると思えば、なにやら不思議な充足感があります。
 黄鬼自身も初物の狭さに苦しさがあるのか、脂汗を流しながらじっと耐えておりましたので、桃太郎の菊座と腹の中は、どくっどくっという黄鬼の幾分早い脈を直接感じ取ります。それは、拙い言葉よりも遥かに雄弁な、黄鬼の欲情の発露でした。これほどに大きく力強い異形の者を発情させているのだと実感すると、桃太郎の心臓も恐怖とは異なった早鐘を打ち始めます。
 また、己の菊座がどれほど広げられているかが見えないことも、桃太郎にとって幸いでした。見えていれば、その異様に衝撃を受け、貧血の一つも起こしたかもしれません。しかし、桃太郎の目前には、青鬼の少し茶色がかった繁みがあるだけでした。青鬼のゆっくりとした腰使いによって、唾液に塗れた立派な摩羅が目の前で己の口から出入りし、繁みが鼻に近づいたり離れたりいたします。
 その繁みは近づく程に反り返った摩羅の先端が喉を掘り進み、鼻に触れるほどになると喉彦が押しつぶされて「ごぉっ」と醜い声が漏れてしまいます。桃太郎が想像した通り、青鬼の摩羅は桃太郎の喉の奥までに納められる限界の太さ長さであり、頭を両手で掴んで喉奥に押し当てられれば息をつくことができず、吐き気がこみ上げても吐き出すこともできません。
 青鬼はゆるゆると腰を使いながら、苦しさに流れ始めた桃太郎の涙を時々拭います。そして子供のように無邪気に笑みながら、「喉の奥 ココデショ?」「気持ちいい? 気持ちいい?」と狙いを定めて喉彦を押し潰しにかかってきました。
 繁みに鼻を押し潰されるほど奥まで咥え込まされますと、本能的な恐怖からか体が震え、吐き気に喉が痙攣します。しかし、それを無視して喉の奥をぐぅと圧迫され続ければ、諦めたように喉の震えが収まったことが桃太郎自身にもわかりました。そうなると後はもう、甘露を吐き出すまで喉の奥を突いてほしいという欲望しかございません。
 摩羅を受け入れた喉の感触を味わいながら「気持ちいい?」と再度尋ねた青鬼に、桃太郎は涙を流しながら茫洋とした目線だけで頷きました。

 尻も喉も摩羅で限界まで押し広げられ、高まった性感を解放できない状態はあまりにも苦しいものでした。しかし、平素では意識しない体の空隙を立派な摩羅でぴたりと塞がれている感覚には、これまで桃太郎が経験した全てを超える幸福感もありました。息をつけず意識が朦朧としているせいか、このまま立派な摩羅と混じり合って溶けてしまいたいとすら思います。
 しかし、その苦しい充足感はいつまでも続いてはくれません。青鬼の股間に遮られて見えないところで、赤鬼がちゅぷちゅぷと音を立てて桃太郎のいましめられた摩羅を吸い、乳首をぎゅうぎゅうと捻ってくるのです。甘苦しい快感にいてもたってもおられず、桃太郎は唯一自由になる腰をかくかくと小刻みに動かしてしまいます。
 その動きで桃太郎が痛みを感じていないとわかったのか、黄鬼は腰を慎重にゆっくり引きました。ずずずと尻から抜け出ていく黄鬼の巨大な傘に、腹の中身を持っていかれてしまうような恐怖を感じて、桃太郎は目を見開きます。
 喉まですっかり塞がれて悲鳴の一つも出ませんが、そうでなければ腹がなくなってしまうと泣きわめいていたでしょう。それほど大きな摩羅を引き抜かれる感覚は異様で、先端が抜け落ちる直前になると、腹の中にぽっかりとした空洞が空いてしまったような恐ろしさがありました。
 ――もっていかれる! もっていかれる!
 恐怖に見開かれた目は、青鬼の尻に阻まれて黄鬼からは見えません。抜け出る直前まで引いた摩羅の先端に、ゆっくりと閉じようとする桃太郎の肉筒の動きが感じられましたので、黄鬼は再び隘路あいろを開こうと摩羅を奥へと押し込みました。
「ほおおおっ」
 青鬼の体越しに聞こえてくる桃太郎のくぐもった声は悲鳴といってよいものでしたが、痛みを訴えるというよりは肉体の衝撃が飲み込み切れずに口から溢れたといった響きです。黄鬼は閉じようと懸命な肉の蠢きに反発するように、摩羅をゆっくりと前後させました。

 元より筋力も体力もない桃太郎でしたので、そんなことを何度も続けられれば、あっさりと白旗を上げてしまいます。強張っていた菊座は徐々に解け、黄鬼の摩羅が行き来するのを許すようになってきました。
 桃太郎は「おごっ、おごっ」とくぐもった悲鳴を上げていましたが、それはどうやら青鬼の腰の動きに連動しているようです。ゆっくりと菊座を掘られるよりも、喉を摩羅で突かれる方が刺激が強いのでしょう。
 どうやらもう存分に動けそうだと、仕切り直すつもりで黄鬼は一旦摩羅を引き抜こうとしました。しかし、抜け出ようとしたその動きを感じたのか、それまで弛緩していた桃太郎の肉筒が途端にぎゅうぅと絡みついてきます。簡単に抜けると思っていた黄鬼は、思わぬ抵抗に敏感な摩羅の先端を締め付けられ、「オオオッ」と咆哮を上げます。うっかり子種を出しそうになってしまって焦り、黄鬼は桃太郎への気遣いを忘れて、しゃにむに摩羅をずぽんと引っこ抜きました。
「あああっ!」
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