桃太郎異聞(加筆修正版)

馬 並子

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第十話

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 さて、「腰が痛いのぅ」とお代も払っていないくせにぶつくさ言う桃太郎を乗せた駕籠は、田舎道を走り通し、磯の香りが漂う小さな漁港の町に着きました。あまり豊かとは見えず、寂れた雰囲気が漂っており、人影もまばらです。
 桃太郎は弥助の摩羅を吸いながら甘露を吐き出した折、眠りに落ちる寸前に、鬼ヶ島に行きたいのだと伝えておりました。ですから、この町から舟に乗れば、鬼ヶ島にたどり着くということなのでしょう。
 当初は、賑わう大きな町で気が済むまで色々な摩羅をしゃぶり、その後にゆっくり鬼ヶ島に行こうと思っていた桃太郎でした。しかし、眠る寸前で朦朧としておったため、鬼の摩羅を早く拝みたいという気持ちがついついぽろりと出てしまったのです。その結果、真っ直ぐ目的地に向かうことになってしまったのでした。
 ――まぁよいわ。その分、鬼をとっくりとしゃぶり尽くしてやろう。
 疲労困憊の駕籠かき二人と後をつけてきた犬をよそに、駕籠から降りた桃太郎はうぅんと元気よく伸びをしました。

「あっしは鬼ヶ島に遣れそうな船頭を探してきやす。おい平次、若様にしっかりついてろよ」
 平次に下卑た目配せをし、弥助は路地に消えました。恐らく、今のうちに桃太郎に尺八を吹いてもらえという意図なのでしょう。
 普通の人間なら身の危険を感じるところかもしれませんが、桃太郎にとっては願ったり叶ったりです。まだ見ぬ漁師達の摩羅が気になるところではございましたが、腹もすいてきておりましたので、ひとまず平次の摩羅を味見することにいたしました。

「平次さん、走り通しでさぞお疲れでしょう。ここいらの物陰で少し休みませんか」
 にこりと笑って声をかければ、平次は途端に気力が湧いた様子で、物陰をさがしてきょろきょろとし出します。そして、舟で運ぶのだろう積荷の山を目に留め、桃太郎の手を引いて足早にその裏手へと誘いました。
 積荷は桃太郎の肩の高さほどしかなく、人目をはばかることができるとは思えませんでしたが、平次は待ちきれぬ様子で褌を解こうとしております。
 桃太郎も、生まれてから二本目となる働き盛りの男の摩羅を早く拝みたかったので、文句はありません。

「弁当や、人が近づかんよう、こっちでしばらく見張りをおし」
 桃太郎が手招くと、駕籠について走ってきた犬と、駕籠の上に乗っていた猿が、喜色満面で駆け寄って来ました。言葉が通じるとも思っておりませんでしたが、存外聞き分けがいいようです。
 積荷の上に猿が、横に犬が陣取り、周囲を見張る様子を見せましたので、桃太郎は黍団子きびだんごを取り出して二匹に褒美として与えました。
 人の食べ物を口にしない桃太郎でしたが、何かの役に立つだろうと婆が持たせてくれていたのです。桃太郎にとっては物足りない摩羅の二匹ですが、おとなしく黍団子を食べる様子を見れば、かわいらしいといえないこともありません。

「若様、もう待ちきれねぇ。あっしにも早く尺八を吹いておくんなせぇ」
 切羽詰った声で促されて見れば、平次はとうに褌を放り出し、股間を丸出しにして立っておりました。濃い茂みから生えた摩羅は既に天を突いておりましたが、桃太郎はその姿かたちを見て驚きます。
 平次の摩羅は子供の腕ほどの太さがありながら、桃太郎の中指ほどの長さしかなかったのです。
 こんなに太短い摩羅など見たことのない桃太郎です。短いことを残念に思うよりも、太さへの好奇心のほうが勝ります。物は試しと跪いて口を寄せ、鈴口をちろちろと舌でなぞってから、えいやと大口を開けて飲み込んでみました。赤子の頃から摩羅をしゃぶり続けてきた桃太郎の口は、見た目からは想像もつかないほど大きく開きます。それでも、平次の摩羅のあまりの大きさに、顎が外れそうになりました。
 これまでに経験がないほど押し広げられた口の中いっぱいに摩羅が広がり、舌がぐぐぅと押し潰されます。桃太郎が大好きな喉の奥には届きませんが、これはこれで苦しく、悪くありません。桃太郎の摩羅も褌の中で固くなってきます。

 ――よし、いまこそ!
 心を定めた桃太郎は、一旦摩羅から口を離すと、もっともっとと促すように頭を掴んでくる平次に向けて、目を潤ませて言いました。
「なんと立派なお摩羅なのでしょう。こんなに太いお摩羅は見たことがございません。あまりにも太くて、尺八の途中で音を上げてしまいそうです。でも私は、ここまで駕籠を運んで下さった平次さんに、なんとしてもお礼をしたいと思っております。どうぞ平次さんの褌で私の腕を縛って、私が音を上げても構わずに、お気の済むまで私の口をお使いください」
 大胆な誘いをかけた桃太郎は、放り出された平次の褌を拾って手渡すと、くるりと背を向けて、両腕を腰の辺りで十字に組みました。途中で音を上げてしまいそうだからではもちろんなく、自らの手遊びを戒めるためです。
紐でぐるぐる巻きにされた猿を見て思いついたのがこの方法でした。自分で我慢ができぬなら、縛ってもらえばよいのです。

 平次は驚きましたが、美しい若君が縛ってほしいと後ろ手を差し出している姿を見れば、今にも摩羅が爆発しそうになります。興奮に震える手で桃太郎の細い手首を掴み、土埃にまみれ黄ばんだ褌をぐるぐると巻きつけていきました。そして少々強すぎるかと心配になるほどぐぐっと締め上げ、簡単には解けぬように固く結びました。
 桃太郎は試しに力を入れてみますが、手首はびくとも動きません。これは手遊びしようにもできず、長く楽しめるに違いありません。今から己は抗いようもなく、むくつけき男に口を犯されるのだと思えば、桃太郎の摩羅は興奮で更に固くなります。

「ささ、平次さん。私が苦しがっても決して辞めないでくださいね。お礼をさせてくださいませ」
 向き直って跪いたまま殊勝な言葉を口にする桃太郎に、平次はもういてもたってもいられません。自ら口を大きく開けた桃太郎の頭を両手で掴み、その口に思い切り摩羅を捻じ込みました。
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