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第七話
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弥助と桃太郎は地面に置かれた駕籠に腰を曲げて入り、筵を下ろしました。
「若様のお怪我はどの辺りですか」
「もっと上の方、足の付け根の近くです」
衣擦れの音と二人の話し声が、猿を抱えて駕籠の外に立つ平次に聞こえてきます。
するとほどなく、中から弥助の「うっ」「なんと」「おぉっ」という驚き混じりの呻きと、ぴちゃぴちゃという水音が聞こえてきました。
平次は気になって仕方がありませんでしたが、両手で掴んだ猿が手におえないほど暴れるため、筵を上げて駕籠の中を見る余裕がありません。
平次が猿を押さえ込みながら耳だけ筵に押し付けると、
「おぅおおぅ」
という弥助の獣のような唸りに加え、くぐもった
「ふぅんほぅん」
という悩ましい声、そしてじゅぽっじゅぽっという濡れた狭い場所を何かが出入りしているような音が、すぐそこから聞こえてきます。
その声のあまりの悩ましさと、いやらしいことしか思い浮かばない水音に、平次の摩羅は褌からはみ出すほどに高ぶってしまいました。
平次は摩羅を擦りたくて仕方がありませんでしたが、猿を逃がさないよう両手で掴んでなんとか耐え忍びます。
「弥助さん……んむぅ……硬いです……ほむっ……すごい……」
うっとりと話す合間に、何かを頬張るようないやらしい声が聞こえてきます。
「はぁはぁ……なんてぇ舌遣いだっ……綺麗な面ぁして、いやらしい若様だなぁおい」
連れ立って女を買いにいったこともありましたが、平次はこんなに余裕なく興奮している弥助の声を初めて聞きました。摩羅を熱心にしゃぶる若君の顔を見ながら、助平なにやけ面をしている様子が目に浮かびます。
じゅぽっじゅぽっという音はどんどん速くなり、それに従って弥助の声が「おらっ、どうだっ、おらっ」と責め立てる荒々しい調子に変わりました。それに合わせて「おごっ、ほごっ」と嘔吐を堪えるような苦しげな声が聞こえてきます。
その声は心配になるほど苦しげなのに、合間にぶじゅうぅと思い切り吸い上げる音が何度もして、若君が摩羅から口を離さない様子が詳細に思い描けてしまいます。
きっと若君は弥助の摩羅で喉の奥を突かれながらも、うまそうにしゃぶっているのだと思うと、平次の摩羅ははちきれんばかりです。
ああ、あの美しい若君が、いったいどんな顔をして弥助なんぞの摩羅をしゃぶっているのだろうか。こんなに激しく責められたら、あのぼってりとした唇の周りはきっと涎まみれになっているに違いない。
「自分で摩羅を扱いちまうほど俺の摩羅はうまいのかい、えぇ」
聞こえてきた弥助の声に、平次は堪えがたく「うぐぅ」と呻きを漏らしました。なんと、若君は弥助の摩羅で喉を突かれながら手遊びしているようです。嘔吐を堪えるような声は続いていますが、それがどこか鼻に抜けるような甘みを帯びた声に変わっていました。
そんないやらしい若君の様子に興奮しているのか、弥助は「くそっ、もう出ちまうっ」と余裕を無くしています。
しまいには、
「うがぁぁっ」
という断末魔に似た弥助の叫びと共に、駕籠ががたんがたんと揺れ、
「ふぐぅぅぅっ」
と切羽詰った涙声が聞こえました。
そしてどさりと音がして、駕籠はしんと静まりかえりました。
「若様のお怪我はどの辺りですか」
「もっと上の方、足の付け根の近くです」
衣擦れの音と二人の話し声が、猿を抱えて駕籠の外に立つ平次に聞こえてきます。
するとほどなく、中から弥助の「うっ」「なんと」「おぉっ」という驚き混じりの呻きと、ぴちゃぴちゃという水音が聞こえてきました。
平次は気になって仕方がありませんでしたが、両手で掴んだ猿が手におえないほど暴れるため、筵を上げて駕籠の中を見る余裕がありません。
平次が猿を押さえ込みながら耳だけ筵に押し付けると、
「おぅおおぅ」
という弥助の獣のような唸りに加え、くぐもった
「ふぅんほぅん」
という悩ましい声、そしてじゅぽっじゅぽっという濡れた狭い場所を何かが出入りしているような音が、すぐそこから聞こえてきます。
その声のあまりの悩ましさと、いやらしいことしか思い浮かばない水音に、平次の摩羅は褌からはみ出すほどに高ぶってしまいました。
平次は摩羅を擦りたくて仕方がありませんでしたが、猿を逃がさないよう両手で掴んでなんとか耐え忍びます。
「弥助さん……んむぅ……硬いです……ほむっ……すごい……」
うっとりと話す合間に、何かを頬張るようないやらしい声が聞こえてきます。
「はぁはぁ……なんてぇ舌遣いだっ……綺麗な面ぁして、いやらしい若様だなぁおい」
連れ立って女を買いにいったこともありましたが、平次はこんなに余裕なく興奮している弥助の声を初めて聞きました。摩羅を熱心にしゃぶる若君の顔を見ながら、助平なにやけ面をしている様子が目に浮かびます。
じゅぽっじゅぽっという音はどんどん速くなり、それに従って弥助の声が「おらっ、どうだっ、おらっ」と責め立てる荒々しい調子に変わりました。それに合わせて「おごっ、ほごっ」と嘔吐を堪えるような苦しげな声が聞こえてきます。
その声は心配になるほど苦しげなのに、合間にぶじゅうぅと思い切り吸い上げる音が何度もして、若君が摩羅から口を離さない様子が詳細に思い描けてしまいます。
きっと若君は弥助の摩羅で喉の奥を突かれながらも、うまそうにしゃぶっているのだと思うと、平次の摩羅ははちきれんばかりです。
ああ、あの美しい若君が、いったいどんな顔をして弥助なんぞの摩羅をしゃぶっているのだろうか。こんなに激しく責められたら、あのぼってりとした唇の周りはきっと涎まみれになっているに違いない。
「自分で摩羅を扱いちまうほど俺の摩羅はうまいのかい、えぇ」
聞こえてきた弥助の声に、平次は堪えがたく「うぐぅ」と呻きを漏らしました。なんと、若君は弥助の摩羅で喉を突かれながら手遊びしているようです。嘔吐を堪えるような声は続いていますが、それがどこか鼻に抜けるような甘みを帯びた声に変わっていました。
そんないやらしい若君の様子に興奮しているのか、弥助は「くそっ、もう出ちまうっ」と余裕を無くしています。
しまいには、
「うがぁぁっ」
という断末魔に似た弥助の叫びと共に、駕籠ががたんがたんと揺れ、
「ふぐぅぅぅっ」
と切羽詰った涙声が聞こえました。
そしてどさりと音がして、駕籠はしんと静まりかえりました。
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