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もっとトイレが好きになるプレイ 7/7
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ふらつく度に腰を支えてくれる工藤と連れ立って、オフィスビルを後にし、あえて徒歩でホテルへと向かう。
解放された乳首は麻紐の形にぼこぼこと凹み、親指の爪程の長さになって、痛々しく腫れていた。腫れが引けばある程度は縮むと言われたが、少なくとも今はシャツの下に綺麗に収まり切らずにひしゃげてしまい、早く解放されたくて悲鳴を上げている。
引っ張られて空洞を覚えさせられたアヌスは早く大きくて太い物をぶち込んで欲しいとやわやわと収縮を繰り返し、ペニスは初めて味わった工藤の靴底の感触に早くも焦がれていた。
縄痕が残る体をスーツの下に押し隠し、何食わぬ顔を装って踏み出す一歩一歩が、既にホテルでの次のプレイへの序章だった。
「トイレがもっと好きになれましたか?」
工藤の問いは一見世間話のようだったが、こんな街なかでさっきのあのいやらしいプレイについて話しているのだと思うと、答える雛木の顔は赤らんだ。
「好きになったどころか……。これからはもう便器を見ただけで縋り付いて腰を振ってしまいそうです」
半ば本気で、熱い溜息交じりに答える。
「便器に縋り付くなんて困った人ですね。あなたが縋り付いて腰を振るのは、私の足だけにしておいてください」
真顔で言われ、心とアヌスがぎゅっとなった。
それは、今すぐしてみたい。
「ただ、トイレに行く度に、あの、乳首、を引っ張って、その……自慰を、してしまいそうで。会社のトイレでは、うっかり工藤さんの名前を呼んだりしないように気を付けないと」
気を引き締めるようなことを言いながら、会社のトイレで乳首を引っ張りながら自慰する自分の姿を思い描くと、街なかだというのに欲情が更に高まってしまう。
「正直者ですね」
ちらりと雛木のスラックスの股間を見た工藤が、ふふっと笑った。
「く、工藤さんも、トイレに行く時に俺のことを思い出してくれますか」
慌てて鞄を股間の前で持ち直し、照れ隠しで問い返すと、工藤はおやという表情をした。片眉を上げる仕草が洒脱で、悔しいくらいに素敵だ。
「確かに今日のあなたは殊の外可愛らしかったので、私もトイレに行く度に思い出すと思います。が、そうでなくても、私はいつでもどこでも、あなたをどんな風に虐めてあげられるだろうと考えていますよ」
突然の告白に、「え」と言ったきり雛木が固まる。
「あなたがトイレが好きだと言っていたので、トイレでできる刺激的なプレイを何パターンも考えました。先ほど使ったビルも、いつか使えたらと思って前々から目星をつけていたんです。部外者が利用しても怪しまれず、清潔で、人の出入りが少なくて、吊りができる程度に壁が丈夫なオフィスビル風のトイレ、という条件で、足で探しました。気に入って頂けたなら嬉しいですね」
あっけにとられて言葉も出なかった。
自分が想うほどには工藤の想いは強くはないだろうと、根拠もなく思い込んでいた。雛木が工藤のことを考えて心と体を切なく疼かせている間も、工藤は雛木のことなど思い出しもしないだろうと思っていた。それが、雛木のためにプレイを考え、それにふさわしい場所を捜し歩いてくれていたなんて。
工藤の心の中に自分がいたことが嬉しくて、主人が奴隷のために支払ってくれた労力があまりにももったいなくて、じんわりと涙が込み上げてくる。
「ありがとうございます。俺、工藤さんの奴隷になれて、幸せです」
出会った頃からは想像もつかない程の素直な言葉が、自然と口から滑り出る。そんな雛木の腰を、工藤がそっと引き寄せた。
「今日はあなたに驚かされてばかりですね。私も、私のしたいことをして欲しいと言ってくれる奴隷を手に入れられて、とても幸せですよ。あまりにも愛しくて、あの時は一瞬我を忘れました」
耳元で囁かれる睦言はあまりにも甘くて、雛木は膝から崩れ落ちそうになる。嬉しすぎて、息苦しかった。
そんなに喜んでくれるなら、いくらでも言いたい。どんなプレイにも応えたい。もっと痛くても、他人に蔑まれるような体になっても構わない。
寄り添う工藤の体から立ち上る香水の香りを胸いっぱいに吸い込み、顔を上げた雛木の目は既に欲情にとろけていた。
「俺の体、工藤さんの好きなように使って下さい。早くホテル、行きましょう」
少し背伸びをして工藤の耳元に唇を寄せ、小声で強請った。あからさまな発情を見せる奴隷を、マスターが優しく窘める。
「人前でそんな顔をして。いけない人ですね。さっきすれ違った女性が興味津々といった様子であなたを見ていましたよ。あなたは既に人目を引くほど爛れた色香を振りまいていることを自覚するべきです。教えてあげますから、上着と鞄を私に渡しなさい」
雛木は顔を赤くしながらも、いそいそと上着を脱ぎ、鞄と一緒に工藤に手渡した。すると、工藤が自分のボストンバッグから伊達眼鏡と大判のマスクを出してくれたので、ありがたく受け取って身につける。
夜になっても真っ当な表情を崩さないオフィス街で、スラックスの股間とシャツの胸にあからさまな隆起を作る雛木は異邦人だった。シャツ越しに夜気に触れて、上着の重みでひしゃげていた乳首が再び芯を持ち、固く勃ち上がる。
工藤に言われてインナーシャツを脱いだままワイシャツを着ていたので、まるで素肌の胸に二つブローチでもつけているかのように、長く大きくなった乳首が薄い生地をつんと突き上げていた。工藤に踏まれてひりひりと痛むペニスは、下着のジッパーを開けてぼろんと露出させていたので、直接スラックスを内側から押し上げている。
夜になって気温が下がった大手町では、シャツ一枚の雛木はいささか目立った。自然に視線を引き寄せられた通行人達が、雛木の胸と股間の異様にすぐに気付く。中年の男性のにやにやとした好色な笑い、若い女性の嫌悪に歪む表情、カップルのひそひそ話。雛木は耐え難い羞恥に、震える足を何とか前に進める。
若い男性二人がすれ違いざま、「超変態じゃん」と嗤ったのが聞こえた。
――見られてる。どうしよう。乳首もあそこも勃起しまくってるの、知らない人にばれてる……!
泣きそうになりながらも、乳首もペニスもじんじんと熱くてたまらなかった。見てもらえないアヌスが、切なくさえあった。
「わかりましたか? あなたはもう、誰が見ても立派な変態なんです。気を付けないと、こうやってすぐにばれますよ。まぁ、それはそれで興奮するのでしょうが。露出プレイはそのうち、知り合いに会うリスクの低い場所でやりましょう」
そう言って工藤が自分の上着を脱いで、抱きしめるようにばさりと雛木の肩にかけた。タイトなシルエットだから意識したことはなかったが、こうして羽織ってみるかなり大きい。香水と工藤のかすかな汗のにおいと、そしてじんわりとした体温が緊張し切った雛木の体を包み込んだ。くるまるように前を掻き合わせ、震えながらいやらしい体を隠す。
「さあ、行きますよ。私の好きにさせてくれるんでしょう? まずはホテルであなたの乳首をよく見せてください。形を整えて、二度と人前で服を脱げないようないやらしい性器にしていきましょうね」
差し出された手は、先程まで雛木がしゃぶりついていた右手だった。ごくりと喉が鳴り、はぁっ……と熱い息が漏れる。
雛木は掻き合わせたジャケットの下で、ビンビンに勃ち上がってしまった乳首をこっそりと撫でる。昨日までとはまるで違う手触りの大きくて長い乳首は、そんなわずかな刺激でもいってしまいそうなほど、強烈に気持ちがいい。醜悪な姿になった突起が酷く愛しくて、雛木はどこか誇らしい気持ちで工藤の手を取り、その隣に並んだ。
解放された乳首は麻紐の形にぼこぼこと凹み、親指の爪程の長さになって、痛々しく腫れていた。腫れが引けばある程度は縮むと言われたが、少なくとも今はシャツの下に綺麗に収まり切らずにひしゃげてしまい、早く解放されたくて悲鳴を上げている。
引っ張られて空洞を覚えさせられたアヌスは早く大きくて太い物をぶち込んで欲しいとやわやわと収縮を繰り返し、ペニスは初めて味わった工藤の靴底の感触に早くも焦がれていた。
縄痕が残る体をスーツの下に押し隠し、何食わぬ顔を装って踏み出す一歩一歩が、既にホテルでの次のプレイへの序章だった。
「トイレがもっと好きになれましたか?」
工藤の問いは一見世間話のようだったが、こんな街なかでさっきのあのいやらしいプレイについて話しているのだと思うと、答える雛木の顔は赤らんだ。
「好きになったどころか……。これからはもう便器を見ただけで縋り付いて腰を振ってしまいそうです」
半ば本気で、熱い溜息交じりに答える。
「便器に縋り付くなんて困った人ですね。あなたが縋り付いて腰を振るのは、私の足だけにしておいてください」
真顔で言われ、心とアヌスがぎゅっとなった。
それは、今すぐしてみたい。
「ただ、トイレに行く度に、あの、乳首、を引っ張って、その……自慰を、してしまいそうで。会社のトイレでは、うっかり工藤さんの名前を呼んだりしないように気を付けないと」
気を引き締めるようなことを言いながら、会社のトイレで乳首を引っ張りながら自慰する自分の姿を思い描くと、街なかだというのに欲情が更に高まってしまう。
「正直者ですね」
ちらりと雛木のスラックスの股間を見た工藤が、ふふっと笑った。
「く、工藤さんも、トイレに行く時に俺のことを思い出してくれますか」
慌てて鞄を股間の前で持ち直し、照れ隠しで問い返すと、工藤はおやという表情をした。片眉を上げる仕草が洒脱で、悔しいくらいに素敵だ。
「確かに今日のあなたは殊の外可愛らしかったので、私もトイレに行く度に思い出すと思います。が、そうでなくても、私はいつでもどこでも、あなたをどんな風に虐めてあげられるだろうと考えていますよ」
突然の告白に、「え」と言ったきり雛木が固まる。
「あなたがトイレが好きだと言っていたので、トイレでできる刺激的なプレイを何パターンも考えました。先ほど使ったビルも、いつか使えたらと思って前々から目星をつけていたんです。部外者が利用しても怪しまれず、清潔で、人の出入りが少なくて、吊りができる程度に壁が丈夫なオフィスビル風のトイレ、という条件で、足で探しました。気に入って頂けたなら嬉しいですね」
あっけにとられて言葉も出なかった。
自分が想うほどには工藤の想いは強くはないだろうと、根拠もなく思い込んでいた。雛木が工藤のことを考えて心と体を切なく疼かせている間も、工藤は雛木のことなど思い出しもしないだろうと思っていた。それが、雛木のためにプレイを考え、それにふさわしい場所を捜し歩いてくれていたなんて。
工藤の心の中に自分がいたことが嬉しくて、主人が奴隷のために支払ってくれた労力があまりにももったいなくて、じんわりと涙が込み上げてくる。
「ありがとうございます。俺、工藤さんの奴隷になれて、幸せです」
出会った頃からは想像もつかない程の素直な言葉が、自然と口から滑り出る。そんな雛木の腰を、工藤がそっと引き寄せた。
「今日はあなたに驚かされてばかりですね。私も、私のしたいことをして欲しいと言ってくれる奴隷を手に入れられて、とても幸せですよ。あまりにも愛しくて、あの時は一瞬我を忘れました」
耳元で囁かれる睦言はあまりにも甘くて、雛木は膝から崩れ落ちそうになる。嬉しすぎて、息苦しかった。
そんなに喜んでくれるなら、いくらでも言いたい。どんなプレイにも応えたい。もっと痛くても、他人に蔑まれるような体になっても構わない。
寄り添う工藤の体から立ち上る香水の香りを胸いっぱいに吸い込み、顔を上げた雛木の目は既に欲情にとろけていた。
「俺の体、工藤さんの好きなように使って下さい。早くホテル、行きましょう」
少し背伸びをして工藤の耳元に唇を寄せ、小声で強請った。あからさまな発情を見せる奴隷を、マスターが優しく窘める。
「人前でそんな顔をして。いけない人ですね。さっきすれ違った女性が興味津々といった様子であなたを見ていましたよ。あなたは既に人目を引くほど爛れた色香を振りまいていることを自覚するべきです。教えてあげますから、上着と鞄を私に渡しなさい」
雛木は顔を赤くしながらも、いそいそと上着を脱ぎ、鞄と一緒に工藤に手渡した。すると、工藤が自分のボストンバッグから伊達眼鏡と大判のマスクを出してくれたので、ありがたく受け取って身につける。
夜になっても真っ当な表情を崩さないオフィス街で、スラックスの股間とシャツの胸にあからさまな隆起を作る雛木は異邦人だった。シャツ越しに夜気に触れて、上着の重みでひしゃげていた乳首が再び芯を持ち、固く勃ち上がる。
工藤に言われてインナーシャツを脱いだままワイシャツを着ていたので、まるで素肌の胸に二つブローチでもつけているかのように、長く大きくなった乳首が薄い生地をつんと突き上げていた。工藤に踏まれてひりひりと痛むペニスは、下着のジッパーを開けてぼろんと露出させていたので、直接スラックスを内側から押し上げている。
夜になって気温が下がった大手町では、シャツ一枚の雛木はいささか目立った。自然に視線を引き寄せられた通行人達が、雛木の胸と股間の異様にすぐに気付く。中年の男性のにやにやとした好色な笑い、若い女性の嫌悪に歪む表情、カップルのひそひそ話。雛木は耐え難い羞恥に、震える足を何とか前に進める。
若い男性二人がすれ違いざま、「超変態じゃん」と嗤ったのが聞こえた。
――見られてる。どうしよう。乳首もあそこも勃起しまくってるの、知らない人にばれてる……!
泣きそうになりながらも、乳首もペニスもじんじんと熱くてたまらなかった。見てもらえないアヌスが、切なくさえあった。
「わかりましたか? あなたはもう、誰が見ても立派な変態なんです。気を付けないと、こうやってすぐにばれますよ。まぁ、それはそれで興奮するのでしょうが。露出プレイはそのうち、知り合いに会うリスクの低い場所でやりましょう」
そう言って工藤が自分の上着を脱いで、抱きしめるようにばさりと雛木の肩にかけた。タイトなシルエットだから意識したことはなかったが、こうして羽織ってみるかなり大きい。香水と工藤のかすかな汗のにおいと、そしてじんわりとした体温が緊張し切った雛木の体を包み込んだ。くるまるように前を掻き合わせ、震えながらいやらしい体を隠す。
「さあ、行きますよ。私の好きにさせてくれるんでしょう? まずはホテルであなたの乳首をよく見せてください。形を整えて、二度と人前で服を脱げないようないやらしい性器にしていきましょうね」
差し出された手は、先程まで雛木がしゃぶりついていた右手だった。ごくりと喉が鳴り、はぁっ……と熱い息が漏れる。
雛木は掻き合わせたジャケットの下で、ビンビンに勃ち上がってしまった乳首をこっそりと撫でる。昨日までとはまるで違う手触りの大きくて長い乳首は、そんなわずかな刺激でもいってしまいそうなほど、強烈に気持ちがいい。醜悪な姿になった突起が酷く愛しくて、雛木はどこか誇らしい気持ちで工藤の手を取り、その隣に並んだ。
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